北欧神話のあらすじ!どこよりも分かりやすい完全保存版!

2020年7月5日

ゲームや小説、マンガで人気の北欧神話!

しかし、残念なことに日本ではかなりマイナーな神話なので、一般人向けの分かりやすい本があまり出回っていませんよね。

でも、好きなゲームや小説の世界をより身近に感じたいために、神話を知りたいと思うのがマニア心というものです!今回は、そんなあなたのために、北欧神話の全体のあらすじを分かりやすくまとめてみました!

これを読めストーリーがすっきりと頭に入ること請け合いです。より詳しく知りたい方は、一つ一つの物語をまとめたページがありますので、そちらをご覧ください。

すべての上にそびえる世界樹

北欧神話で最も重要な存在は、世界樹のトネリコです。このトネリコは「世界そのもの」で、あらゆるものの上に枝葉をのばし、そびえています。

その根は大きく三つに分かれてどこまでも伸び、誰もその根がどこまで続いているかを知りません。

この世界樹は、よくアクセサリーの模様になったりしてます。こんなのだよ。

【関連記事】第1話 北欧神話の宇宙って?世界樹の周りの世界

世界の初め。神々の王オーディン誕生

世界の初めは、炎と氷。その間の空間しかありませんでした。炎は少しずつ氷を溶かし、その雫が空間に落ちていきました。その雫から、最初の生命が生まれます。それが原初の巨人ユミルでした。

ユミルとその一族

ユミルの特徴は、とにかく巨大!ぐーたら!って感じです。ユミルは巨大なだけで、特に何も活動してないです。いつの間にか側に産まれていた牝牛アウズフムラの乳を飲み、ひたすらごろごろしていたようです。

ユミルはごろごろしているうち、わきから汗をかきました。この汗から無数の巨人が誕生。(臭そう)これが巨人族になりました。

オーディン誕生。いきなりユミルを殺したオーディン

アウズフムラ(牛)が氷をなめていると、その氷の中からブーリという男が出てきました。これが最初の神です。ブーリは息子ボルを産み、ボルがまた息子オーディンをもうけます。このオーディンが神々の王となるのです。

産まれたときから好戦的で活動的なオーディン。彼はぐーたらな巨人ユミルが気に入りません。突然ユミルに襲い掛かると、彼を殺害してしまいます。

ユミルの身体からは大量の血が流れ、これが海になりました。

いきなり、神々に親であるユミルを殺された巨人たち。この理不尽な攻撃に巨人たちは激しく怒り、神々を深く憎むようになります。この神々と巨人の対立が、その後のラグナロク(最後の戦い)の原因になるのです。

【関連記事】【第2話】天地創造!神々の王オーディンと巨人の父ユミル
オーディンってどんな神?神々の王の波乱に満ちた生涯を解説!

オーディン、世界を創造する

オーディンは殺害したユミルの巨大な体から、世界を創ろうと考えます。オーディンは結構働きものです。

ユミルの身体から大地と天を作る

まず、オーディンはユミルの巨大な体をえっちらおっちら運びます。

それから、肉で大地を、毛で木を、骨で岩石を、脳みそで雲を作ります。そして、頭蓋骨を高く上げて、これを天にしました。

天には火花を飾り、それを太陽と月と星々にしました。

人間を産み出したオーディン

あるとき、オーディンは海辺を散歩中にトネリコとニレの流木を見つけます。

何を思ったか、オーディンはその木を人型に彫刻して命を吹き込みます。木はたちまち男と女になって動き出しました。これが人間の祖先なのです。

巨人が嫌いだから境界線を作る

神々は巨人と対立しているので、できるだけ顔を合わせたくありませんでした。そこで、住む場所を離すことにします。

巨人族はヨーツンヘイムの国に、神々はアースガルドに、そして、ヨーツンヘイムとアースガルドの間に人間の世界ミッドガルドを築きました。

こうして住む場所を決めて離れて暮らすことで戦いを避けたのでした。

【関連記事】【第2話】天地創造!神々の王オーディンと巨人の父ユミル

アース神とヴァン神のバトル。美と愛の女神フレイヤ登場

オーディンを中心として誕生した神々を「アース神」といいます。しかし、神々は他にも存在しました。

もう一つ、強力な力を持った「ヴァン神」がいて、アース神たちはこの神々と戦うことになりました。

魔女グルヴェイグ登場。頭に来たアース神

ヴァン神との戦いのきっかけは、一人の魔女グルヴェイグでした。この魔女はとっても邪悪な存在だったので、アース神はグルヴェイグを殺害。しかし、ヴァン神たちはグルヴェイグと仲が良かったのです。彼女の復讐のために、アース神へ宣戦布告しました。

ヴァン神対アース神!勝つのはどっちだ?

アース神とヴァン神、魔術を駆使して戦います!

しかし、両軍の力は五分五分。ついに決着はつきませんでした。だんだん戦うのが馬鹿馬鹿しくなってきた神々。ついに「平和が第一さ!」と悟って、休戦することを決意します。

人質交換。アースガルドに来たフレイヤ。首だけになったミーミル

神々は平和を保つため、お互いの地位のある神を交換して人質にすることで同意。ヴァン神からは超美人のフレイヤ、その兄のフレイ、父のニヨルドが送られてきました。

アース神からは賢者ミーミルと顔だけはイケメンのヘーニルを人質に送りました。

しかし、ヴァン神はヘーニルが顔だけの脳なしであることに怒り、ミーミルの首を斬り、その首をアース神に送り返してきました。

オーディンはミーミルの首を防腐処理して、魔法でその首が自由にしゃべれるようにします。ミーミルはその後首だけでオーディンの相談役になり、様々な助言をするのでした。

【関連記事】第4話 アース神とヴァン神 世界で初めての戦い
フレイヤってどんな女神なの?美と愛の女神を分かりやすく解説!

アースガルドの城壁づくり。ロキ大活躍!

ヴァン神との戦いで、アースガルドの城壁はボロボロに崩れていました。

でも、自分たちで直すのは嫌だと思っていた神々。汗水流して石を運ぶより、お酒を飲んでいたほうが楽しいと考えていました。

ちなみに、この頃飲まれていたお酒はエール(ビールのこと)かワイン。ほとんどはエールです。海賊が使ってるような、こんなジョッキか、角笛みたいな入れ物で飲んでました。

ボロボロになったアースガルド。突然来た巨人の棟梁

そんな神々のところへ救世主が!「わたしがアースガルドの城壁を直しましょう。でも、城壁が完成したらその代価としてフレイヤをちょうだいね」と言ってきました。

これは渡りに船!と神々は思いましたが、「美人のフレイヤをやるのは嫌だ」とも思いました。

棟梁をペテンにかけるロキ

ここで、頭のいいロキが大活躍。

ロキはそもそも巨人族の一人ですが、「神々の一員になりたい」とオーディンに近づき、オーディンに気に入られて神への仲間入りを果たしたのです。彼は非常に奸智に長け、悪知恵の働く「神」でした。

「とりあえず、あの棟梁に働かせればいい。あの棟梁が期限内に城壁を作ることができなければ、フレイヤを渡さなくてもいいし、作った分の城壁はタダで手に入るんだから」

とロキは神々に助言します。

汚れた城壁

フレイヤを手に入れるために必死で働く巨人の棟梁。ついに、あと一日で城壁は出来上がる!というときに、棟梁の愛馬の目の前に、美しい雌馬が現れました。

この雌馬の正体は、実はロキ。棟梁の馬をたぶらかして、一緒にどこかへ行ってしまいました。

荷物運びの馬を失った棟梁は城壁を完成できませんでした。神々はタダで城壁を手に入れましたが、このペテンのために神々の住処アースガルドは汚れてしまったのでした。

【関連記事】第3話 ロキを迎えたオーディン 神々の黄金時代の終わり
第5話 アースガルドの汚された城壁
ロキは北欧神話最大のスター!ロキを5分で徹底解説!

オーディンの世界旅行

神々の王、オーディンは巨人族と神々の対立をいつも気にしていました。いつか、神々と巨人族が雌雄を決するときが来て、そのとき神々は勝利できるのか不安だったのです。

そのため、「巨人に勝てる方法が知りたい」「もっと賢くなりたい」と考え、知恵を熱望するようになりました。

知恵を求めて、世界中を放浪する癖がついたオーディン。ここではオーディンの有名な旅3つを紹介。

オーディン、片目になる

とにかく賢くなりたいオーディン。賢者ミーミルの首が守る「ミーミルの泉」へやってきます。この泉の水を一口飲むと、誰よりも賢くなれるのです。

ミーミルは水を分ける代わりに、片目を渡すように要求。オーディンは片目をミーミルに渡して、知恵の水を得ます。このときから、オーディンは片目になったのです。

オーディン、吊るされてルーン文字を発明する

「もっと賢くなりたい」と切望するオーディン。世界樹のトネリコに自らを吊るしました。自分自身を「いけにえ」にして、知恵を授かるよう祈ったのです。

九日間ぶら下がって、オーディンは「ルーン文字」を獲得。これは魔法の文字で、この文字を駆使してオーディンは魔術の神になりました。
【関連記事】素朴な疑問……ルーン文字って何なの?

オーディン、間違えてオッタルを殺す

ある日、ミッドガルドまで旅行に行ったオーディンとロキとヘーニル。晩御飯にカワウソを殺してホクホクしていましたが、実はそれは魔法使いの息子オッタルが変身した姿だったのです。

激怒した魔法使いに三人はぐるぐる巻きにされてしまいましたが、莫大な黄金を賠償金に払って許してもらいました。

【関連記事】オーディンってどんな神?神々の王の波乱に満ちた生涯を解説!
素朴な疑問……ルーン文字って何なの?

トールの遠征。ビビりまくる巨人たち

北欧神話の人気キャラ、トール!トールはオーディンの息子で、怪力で陽気。いつも無敵のハンマーミョルニルを片手に、巨人たちと戦っています。

この、トールのハンマーは今でも北欧の人気アイテム。よくアクセサリーに使われます。アマゾンで売ってるけど、こんなのです。

トール対巨人の有名な戦いは3つあります。

ウドガルド・ロキとの知恵比べ

ロキと一緒にヨーツンヘイムへ遠征に行ったトール。ウドガルド・ロキという巨人の王の城へたどり着きます。

このウドガルド・ロキは力ではトールにかなわんと見て、短距離走、飲み比べ、大食い選手権、力比べの四種目を提案。ウドガルド・ロキはいずれも魔法を駆使してイカサマします。

正直者で騙されやすいトール。まんまと引っかかって、全部騙されるのですが、ウドガルド・ロキはイカサマしてもかなりきわどいところまで追いつめれて肝を冷やしたのでした。

ヒュミルから大釜をぶんどる

ビールを作る大釜を持っていなかった神々。「ヒュミルのところに手ごろな大釜があるぜ」と聞いて、さっそくトールがぶんどりに行きます。

大食い、釣り、力技の三種目でトールが勝利。まんまとヒュミルから大釜をせしめました。

フルングニルとの決闘

アースガルドへやってきて、オーディンとケンカした巨人フルングニル。ケンカした挙句、ビールをがぶ飲みして悪酔いしたので、トールはカンカンに。フルングニルとトールが日を改めて勝負することになりました。

巨人たちはフルングニルだけでは勝てないと思ったので、粘土で超巨大ロボみたいな巨人を作成。しかし、トールのミョルニルは無敵だったので、フルングニルも粘土巨人もあっさり殺されたのでした。

【関連記事】トールってどんな神?北欧神話で唯一いい神様だった?!
気になる!北欧神話の武器ってどんなのがあるの?リスト作成中!

ロキの最悪な子供たちを勝手に処分したオーディン

ロキは結構子だくさんです。もとが巨人で、しかも生来悪知恵の働くロキなので、子どもも独でもないのばっかり産まれます。

オーディンはロキのことは気に入っていましたが、子供たちは将来ろくでなしになると考えて、ロキに無断で勝手に処分してしまいました。

フェンリル狼

ロキは人型ですが、子供のフェンリルは狼です。しかも怪力でどんどん巨大化していくので、神々は「やばい」と感じ、フェンリルをぐるぐる巻きにして身動きできないように封印してしまいました。

ミッドガルド蛇

これも人型ではありませんね。ロキの子は人間の形をしていないのばっかりです。ミッドガルド蛇はずんずん巨大化していく大蛇で、オーディンは「こんなのいらない!」と、蛇を海にポイ捨て。海底深く沈んだミッドガルド蛇はそこでどんどん大きくなって、世界をぐるっと一巻きにするほどの大きさになりました。

冥界の女王ヘル

ヘルは人型です。ですが、上半身は普通の女性で、下半身は腐り果てた姿でした。オーディンはヘルを一目見るなり「お前はアースガルドに住んじゃダメ」と決定。

ヘルは冥界に突き落とされて、冥界の女王になることになりました。

【関連記事】ロキは北欧神話最大のスター!ロキを5分で徹底解説!

ロキ、光の神バルドルを殺害!

光の神バルドルは、オーディンと正妻のフリッグの間に産まれた神で、神々はもちろん、巨人からすら好かれる存在でした。

ただロキだけは、バルドルの存在が面白くありません。ロキはバルドルへの害意を固めていきます。

バルドル、変な夢を見る

ある日、バルドルは悪夢にうなされます。光の神は悪や不安と無縁だったので、オーディンとフリッグはひどく心配します。

フリッグ、バルドルを不死にする

母のフリッグは、世界中あらゆるものに頼み込んで「バルドルを傷つけてはならない」と約束させます。石も武器も病気も約束しますが、ただ一つ、小さいヤドリギだけはまだ幼かったので約束していませんでした。

ロキ、ホズを騙してバルドル殺害

ロキは女に化けてフリッグからヤドリギのことを聞き出します。そしてロキはヤドリギを切って持ってくると、盲目の神ホズに渡したのです。

「これを向こうに投げてごらん」

と言われて、馬鹿正直に投げたホズ。ヤドリギはバルドルに命中。バルドルはヤドリギが深く胸に刺さって死んでしまったのでした。

バルドルの葬式。利用されまくったホズは殺害される

バルドルの葬儀は盛大なもので、巨人までも参加しました。

ロキに利用されたホズは無実だったのに、「直接手を下したのはお前だろ」と殺されます。とてもかわいそうなホズでした。

ロキの捕縛

今まで神々の味方だったロキですが、ロキはもともと巨人族であり、神々の中で複雑な存在でした。ロキは長い年月の間に不満をため、とうとう神々とたもとを分かつことにします。

ロキの口論

バルドルを殺した張本人のロキ。神々が集まっている宴会に乗り込んで、手あたり次第に神々を罵倒します。トールがロキを抑えようとすると、ロキはいずこともなく姿を消したのでした。

ロキ、捕まって拷問にかけられる

ロキは神々から逃げ、鮭に変身してのがれようとします。しかし、トールに見つかってついに捕まってしまいました。

ロキは洞窟に閉じこめられ、縛られたまま顔に毒薬を滴らせるという拷問にかけられます。ラグナロクが来る日まで、ずっと拷問は続くのです。

ヴァルキューレをこき使うオーディン

あらゆる知恵を得て、ラグナロクで世界が終わるという予言を得たオーディンはさらに不安にあおられるようになります。なんとか終末を避けようとして、旅に出、知恵や戦力を得ようとします。
ヴァルキューレはオーディンのパシリ!忙しい女神の仕事を詳しく解説

オーディン、女に手を付けまくる

優秀な子供を作って味方にするため、とにかく女に手を付けまくります。目的のためなら、何人女性を犠牲にすることも平気になっているオーディンでした。

オーディン、ヴァルキューレとエインヘイヤルを集める

オーディンの直属部下ともいうべきがヴァルキューレたちです。彼女たちは天を駆ける馬に乗って、戦場で死んだ戦士たち(エインヘイヤル)を勝手に連れ去り、アースガルドのオーディンの城へ連れていきます。

オーディンはエインヘイヤルをラグナロクのときの戦力にするために、手あたり次第に戦士を集めます。とにかく戦力が欲しいので、強い奴なら、死ぬはずじゃなかった人まで連れて行ってしまうようになります。

ラグナロク到来!あっさり死んだオーディン

ついにラグナロク!最後の戦いで、バッタバッタと神々は死んじゃいます。

巨人たち挙兵!解き放たれたロキと子供たち

ラグナロクが来たので、「今だぞ!」と巨人たちがアースガルドを目指します。

今まで封印されていたロキや子供たちも、親子そろってお出ましです。

どんどん死んでいく神々。オーディン、フェンリルに食われる

巨人たちとの戦いで、神々は次々に死んでいきます。

オーディンも、積年の恨みが積もり積もったフェンリルにパクっと食べられてしまいます。

スルト爆発。世界滅亡

最期は炎の巨人スルトが大暴れ。スルトは炎の剣を振り回して、世界を滅亡させます。世界はまるごと海に沈んでしまったのでした。

世界再浮上

その後、大地は火の鳥のように復活。海からまた浮かび上がって、豊かな緑に包まれたのでした。

生き延びた神々

どこからともなく、ラグナロクを生き延びた神々が再結集。「いや~、大変だったね~」と語り合って終わるのでした。

お勧めの本

ここでは簡単なあらすじを紹介しましたが、もっとちゃんと物語を読んでみたい方。わたしの一押しはこの本です。いろいろ読みましたが、これが一番分かりやすいし、言葉遣いがそれっぽいです。

マンガではこれですね!これは日本で唯一、北欧神話のストーリーをしっかり描いた作品です。

【関連記事】ラグナロク「神々の黄昏」!北欧神話のラストがこれで分かる!
【北欧神話】ヘイムダルは神々の番人!実は人類の祖先でもある
ヴァルキューレはオーディンのパシリ!忙しい女神の仕事を詳しく解説
トールってどんな神?北欧神話で唯一いい神様だった?!
ロキは北欧神話最大のスター!ロキを5分で徹底解説!
フレイヤってどんな女神なの?美と愛の女神を分かりやすく解説!

出版した本

三国志より熱を込めて三国志より熱を込めて 通勤時間で読める三国志
ショートショートのエッセイで書き下ろした三国志。 呂布、孫策、周瑜、曹操、馬超、劉備などの英雄たちの人生を、ショートショート一話ずつにまとめました。 英雄たち一人一人の人生を追いながら、三国志全体のストーリーに迫ります。
あなたの星座の物語あなたの星座の物語
星占いで重要な、黄道十二星座。それぞれの星座にまつわる物語を詳しく紹介。 有名なギリシャ神話から、メソポタミア、中国、ポリネシア、日本のアイヌ神話まで、世界中の星座の物語を集めました。
曽我兄弟より熱を込めて曽我兄弟より熱を込めて
日本三大仇討ちの一つ、曽我兄弟。鎌倉時代初期、源頼朝の陣屋で父の仇討ちを果たしたという、実際にあった大事件です。戦前は誰一人として知らない者はいなかった兄弟の物語ですが、現代ではほとんど知られていません。 本書では、知識ゼロからでも楽しんで読めるよう、物語の見どころを厳選してエッセイにまとめました。
新講談 山中鹿之介新講談 山中鹿之助
「我に七難八苦を与えよ」と三日月に祈った名将、山中鹿之介。 戦国時代、出雲の小国尼子は、隣国毛利に滅ぼされる。主君を失った尼子の家臣は、皆散り散りに――。しかし、ただ一人、山中鹿之介は主家の再興を目指して、ひたすら戦い続けるのだった。 戦前、講談で大人気を博した山中鹿之介の人生。兄から託された三日月の兜(かぶと)、鹿と狼の一騎討、布部山の大戦、上月城の壮絶な最後など、見どころを厳選してまとめた、新しい講談本。