ロキは北欧神話最大のスター!能力から武器まで徹底解説!

北欧神話でもっとも有名なキャラクターは、何と言ってもロキでしょう!
非常に美しいのに奸智に長けてずるがしこく、毒舌の天才。大神はオーディンですが、神話のほとんどの話は、ロキが引き金になって始まります!
北欧神話はロキがいなくちゃ何も話が始まりません!今回はそんなロキの生涯、性格、持ち物から得意技まで、分かりやすく説明します!
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5分で解説!ロキの生涯
ロキは神々の国アースガルドに住んでいますが、実は神様じゃありません!彼はファールヴァウティとラウフェイという巨人の子で、正真正銘巨人族です。「ロキ」とは古い言葉で「火」を表しますから、彼は火の巨人なのでしょう。
巨人の子なのですが、彼はどういうわけか「神々の一員になりたい!」とアースガルドへやってきて猛烈な自己ピーアール。そしてまたどういうわけかオーディンに大いに気に入られて、何とオーディンの義兄弟に!うまうまとアースガルドの仲間入りをしたのでした。
オーディンがどうしてロキを気に入ったのかはわかりませんが、「自分と同じ血を感じた」と記述があります。オーディンは半分巨人の血が流れているので、そのことを意味しているのかもしれません。オーディンは「ロキが同じ席にいなければ麦酒(エール)も飲まない」と言った(らしい)そうです。(ロキの口論でロキがそう言ってます)
巨人でありながら神の一員となったロキ。しかし彼は根っからのいたずら者で、しかも抜け目のない頭脳の持ち主でした。平和な毎日は性に合わず、年がら年中騒動を起こしては喜びます。
小人をサギにかけてお宝を頂戴するとか、女神が寝てる隙に髪の毛をバッサリ切るとか、とにかくいたずらしまくり!
しかし、年月が経つにつれ、ロキの性格は徐々に変化します。初めはお茶目ないたずらをしていたロキですが、だんだんと根暗で陰湿な悪だくみをするようになるのです。これは、彼の中に徐々に神々に対する不満が募っていった結果だと思われます。もともと巨人族であるロキは、結局アースガルドには溶け込めず、浮いた存在だったのです。
ついにロキは光の神バルドルを殺害するというショッキングな事件を引き落とします!そして神々が居並ぶ席に乗り込んで、全ての神々に向かって悪口雑言の嵐!この場面は「ロキの口論」と呼ばれ、北欧神話でももっとも有名な話の一つです。
キレた神々はロキを捕縛して洞窟に幽閉。しかし最後、神々の滅亡の時「ラグナロク」が訪れるとき、ロキは解放され、巨人たちを引き連れて神々を攻撃!
最後、神々との直接対決でヘイムダルと一騎討ち。相討ちになってロキは死んでしまいます。
かなりブラックな面を持つロキですが、間違いなく北欧神話で一番活躍している人物!真の主役と言って差し支えないでしょう!
ロキの性格は?
ロキの性格は極めて複雑。これだけ屈折したキャラも珍しいでしょう!
顔は非常にハンサムで美しいのですが、気まぐれで高慢、大変ずる賢く、プライドの塊のような人格です。いたずら好きで毒舌家。トラブルを引き起こすのが何よりの楽しみ。
よく北欧神話の解説では「トリックスター」と言われます。とてもダイナミックで何をやらかすか予測が立たず、そのせいで神々はいつも振り回されっぱなし!しかし、それがかえってロキの大きな魅力になっていることは見逃せません。
ロキの見た目は?
ロキはとっても美しいです!
・金髪
・目の色が変わる!赤や緑や黄色など、万華鏡のように変色します!
でも一度、いたずらの罰として口を針と糸で縫い合わされちゃったことがあります。この時からロキの微笑は「歪んだ微笑」になりました。
ロキの特技は?
ロキには様々な特技が!
・変身できる(特にどーぶつ)
・男にも女にもなれる!
・子供も産めるよ!(しかもどーぶつの子ども)
・神レベルの毒舌
こういう特技を使っていろいろやらかします。そして、男にも女にもなるため、あるときはお父さんに、あるときはお母さんになるという異常な事態に……。普段は男性の姿が多いですが、ロキは両性具有です。
ロキの持ち物
ロキはあまり持ち物を持ってません。でも、なかなか変わった物を持ってるぞ!
すごい靴
「空も海も走れる靴」とも、「空飛ぶ靴」ともいいます。この靴を履いて、ロキはしょっちゅう出歩いては、空を飛んだり海の上を走ったりしてます。
レーヴァティン
ロキが鍛えた剣です。レーヴァテインという名前は、「傷つける魔法の杖」という意味があります。でも、ぶっちゃけ一度も使ってないです。作り上げたとたん、九つのカギをかけた箱にしまって、炎の国ムスペルヘイムに置きっぱなし。何のために作ったのかな……?この剣、名前だけはゲームで人気ですね。
ロキの活躍、有名どころ3選!
最初から最後まで大活躍のロキですが、ここでは特に有名な場面を3つ紹介します!
小人と賭けをして、神々の宝物をゲット
ある日、トールの奥さんシフが寝てる間に、シフの金髪を刈り取って丸刈りにしちゃったロキ。当たり前ですがシフは大泣き、トールはブチ切れ。
「元に戻せ!さもないと全身の骨を砕いてやるぞ!」
と、トールに脅されて、ロキは金銀細工師の小人のところへ。小人はあっという間にシフの為の金髪と、ついでに魔法の槍グングニル、魔法の船スキーズブラズニル(ポケットに入るくらい折り畳みできる船)を作り上げました。
ロキはこれらの宝物を持って、また別の小人のところへ。「こんなすごいのを君は作れるかい?いや、ムリだろうね。作れっこないさ。僕の頭を賭けてもいいね」と約束。プライドを傷つけられた小人は、宝物を作り始めます。
始めっから失敗させるつもりだったロキは、こっそりアブに変身して小人を邪魔しまくり!でも、小人は執念で魔法の腕輪ドラウプニル、百発百中のハンマーミョルニル、黄金のイノシシを作り上げたのです。これら全部で六つの宝物は、神々の宝物として大事にされることに。
賭けに負けたロキでしたが、「俺の頭は取ってもいいが、俺の首に手を掛けることは契約違反だぞ!」と言って、何とか頭を死守。その代わり、針と糸で口を縫い合わされるというひどい目に遭いました。
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女神イドゥン救出作戦
ある時、巨大なワシに変身した巨人シアチに捕まって、逃げられなくなっちゃったロキ。
「いいか、女神イドゥンを俺のところへ連れてくるんだぞ」
と命令されて、無理矢理誓わされちゃいました。
このイドゥンは「永遠の若さのリンゴ」を育てている青春の女神だったので、ロキは
「実はこれこれという森の中で、あなたのリンゴとよく似ている金色のリンゴを見ました。一緒に確かめに行きましょう」
とうまく騙してシアチの元へ。
が、このために神々はリンゴを失って、あっという間に老いていきます。オーディンは激怒してロキに「イドゥンを取り戻せ!でないとお前の背中を断ち割って、あばら骨をばらばらにするぞ」と脅迫。
ロキは直ちに鷹に化けてシアチの城へ直行。イドゥンを魔法でクルミの実に変え、それを爪でしっかり握ってトンズラしたのでした。
ロキの口論
ロキの生涯中、最も有名な場面!まさにクライマックスです。
もともと巨人族のロキは、最後の最後になって神々に不満をぶつけ、ののしりまくります!
「たくさんだ、オーディン!あんたは一度だって公平だったことはないんだ。勝利を与えるべきじゃない臆病者に、よく戦いの勝利を与えたくせに!」
「黙れ、フレイヤ!魔女だ、お前は!けしからんことばかりしやがって。輝く神々は、お前が実の兄とベッドにいるところを捕まえた。するとフレイヤ、お前は屁をこいたものさ」
と、その場にいるすべての神々をやり玉にあげていきます。最後、トールがロキを捕まえようとすると、ロキはその場から逃げていったのでした。
ロキの家族
ロキはシギュンという奥さんがいるくせに(この奥さん、名前しか出てこないのですが)、あっちこっちに子どもを作ります。ここでは有名どころの子どもと愛人をご紹介。
愛人
女巨人アングルボザ
アースガルドに住んでいるロキ。あるときヨーツンヘイムが懐かしくなって、女巨人といい仲になります。彼女との間には凶悪な子供を三人も作ります。
・フェンリル狼
・ミッドガルド蛇
・ヘル
狼だの蛇だのと、とんでもないのばっかり。相手の女は人型なのに、なんで子供は人型じゃないんでしょうか?
この三人(三匹?)は運命の女神ノルンに「彼らの母親(アングルボザ)は悪い。だが彼らの父親(ロキ)はもっと悪い。彼らからは一番悪いこと以外の何も期待するな」と予言されてしまいます。ここまでこき下ろされるのも珍しいですね!
馬スヴァディルファリ
ロキは巨人がアースガルドの城壁を修復しているとき、巨人の馬スヴァディルファリを雌馬に化けてたぶらかし、工事の邪魔をしました。この時ロキはスヴァディルファリといい仲になり、仔馬まで産みます。この仔馬が北欧神話一の名馬スレイプニル!
馬とラブラブになって仔馬を産むとは、かなりショッキングですが……スレイプニルはいい馬ですよ!
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フレイヤ
世界で一番美女の美の女神!ただ、彼女は好色の代名詞みたいな性格で、フリーダムすぎるので、ロキだけでなく、すべての神々と関係を持っています。気にしなくていいです。
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子供
ロキはけっこう子だくさんです!
フェンリル狼
女巨人アングルボザとの間の子。超巨大で邪悪な狼。神々はフェンリルが日増しに巨大に狂暴になるので恐ろしくなり、グラウプニルという丈夫な縄でぐるぐる巻きにしました。ストレスの塊になったフェンリルは、ラグナロクでオーディンを食べてしまいます。
ミッドガルド蛇
またの名をヨルムンガンド。女巨人アングルボザとの間の子です。最初は小っちゃかったんですけど、どんどん巨大になっていくので邪魔者扱い。とうとう神々にポイッと海に放り込まれます。そのまま海ヘビになったミッドガルド蛇、海の中でも成長を続け、とうとう世界をぐるっと一周して自分のしっぽをくわえてハムハムするようになりました。ラグナロクでトールと戦い、頭をつぶされて死にます。一方トールもミッドガルド蛇の毒で死んでしまいました。
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ヘル
女巨人アングルボザとの間の子。頭から腰までは普通の女性なのですが、腰から下は腐り果てた姿です。一目で「ヤバい」と思ったオーディンは、ヘルを冥界にぶん投げて追放。そのままヘルは冥界を治める女王になりました。
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スレイプニル
馬スヴァディルファリとの間に産まれた仔馬。八本足で、素晴らしく速く走ります。ロキはスレイプニルをオーディンにプレゼントしました。
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ロキの友達
ロキはしょっちゅう神々をだましたりペテンにかけては楽しんでるので、友達は少ないです。ここでは貴重な友達を紹介!
トール
オーディンの息子、雷神のトールはロキの友達です。この二人は妙に気が合ったらしくて、ちょくちょく一緒に旅に出たり冒険に出かけたりします。「ロキの口論」で、ロキはブチ切れてさんざん神々に悪口雑言を飛ばしますが、トールにだけは悪口を言いませんでした。
オーディン
大神なので「友達」というのは、ちょっとビミョーですが、頻繁に一緒にいます。オーディンは義兄弟なので、ロキは平気でため口をきいてます。一緒に旅にもいくし、ヒマさえあればオーディンにちょっかいをだしたり、からかったりしてます。
ロキの代名詞
神話の中で、ロキは様々な代名詞で呼ばれます。ここでは代表的なものをいくつか。
「いたずら者」「空を旅する者」「変身者」「ずる賢い者」「狼の父」などです!どれもロキの性格をよく言い当ててますね。
ロキは北欧神話の人気者!
毒舌家で傲慢なロキですが、それがかえってロキの魅力。彼なしには北欧神話のほとんどの話は始まりません!ラグナロクもロキなしにはあり得ないといって、過言ではないでしょう。ロキこそは北欧神話のスターです!
色々、本を紹介してます。ぜひ見てね↓
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