【北欧神話】ラグナロク「神々の黄昏」!北欧神話のラストがこれで分かる!

2019年5月23日

「ラグナロク」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。

北欧神話で最も重要な大事件!何と世界が滅び、神々はほぼ全滅するという、まさに「この世の終わり」なのです。「神々が滅びる」というラストは、あらゆる神話の中でも北欧神話だけに見られる珍しいストーリーです。

ここでは、ラグナロクのあらすじと登場人物を簡単に説明します!分かりにく~い複雑なラグナロクの内容が、このページで理解できますよ!

ラグナロクはこうして始まった

ラグナロクとは、簡単に言えば「神々と巨人の最後の戦い」です。最後の戦いなので仰々しく始まります。

まず、間に夏をはさまない冬が三度続いて訪れます。ドカ雪、強風、太陽は何の役にも立ちません。突如訪れた大飢饉に、ミッドガルドの人間たちは大慌て。飢えに苦しみ、殺し合いを始めます。

ここは格調高くエッダから引用。

「兄弟同士が戦い合い、殺し合うであろう。親戚同士が不義を犯すであろう。この世は血も涙もないものとなり、姦淫は大手を振ってまかり通り、(略)やがてこの世は没落するであろう。誰一人として他人をいたわる者などないであろう」

太陽と月の死

そして一大事!狼が太陽と月を飲み込みます!

世界の始まりの時から、太陽と月は火花を乗せた戦車を引いて、毎日天の軌道を走っていたのです。太陽はいつも駆け足で、追いかけてくる狼のスコールから逃げていました。北国の昼が短く、あっという間に日が沈んでしまうのはこのためなのです。月はハティという狼から逃げていました。

ついにラグナロクが訪れ、狼たちは太陽と月を捕らえて飲み込んだのです。天から光が消え、星たちはばらばらと落ちていきました。

大地は震え、木々は大地から根こそぎ倒れ、山々は崩れます。

巨人族の決起

あらゆるいましめが解かれ、魔物や巨人族が次々に立ち上がります!いよいよ始まったって雰囲気です。ここでは順番にご紹介。

フェンリル狼

ロキと女巨人アングルボザの子です。今まで神々に騙されてグラウプニルという魔法の縄でぐるぐる巻きにされていたのですが、ついに縄がはじけ飛んで自由の身に!積もり積もったストレスで怒り狂ったフェンリルは、目と鼻から炎を噴き、くわっと口を開いて走ります。そのとき上あごは天に、下あごは大地に届きました。さすがロキの子。ただの狼じゃありません。超巨大です。

ミッドガルド蛇

こちらもロキと女巨人アングルボザの子。産まれていきなりオーディンに海に放り棄てられた不幸な蛇です。恨みをかこいつつ、海の底で成長し、成長しすぎてついに世界を一巻きにするほどの大きさに。世界をぐるっと囲んで、それでも余るほど長くなったので、自分のしっぽをカミカミしていたのですが、ついに解放!

海の底から陸地に向かって泳ぎ出し、のたうち回ります。その勢いで津波発生。しかも毒蛇なので大口開けてシャーっと毒を吐きます。

ミッドガルド蛇とフェンリルは一緒に並んで走っていたそうですが、なぜフェンリルがミッドガルド蛇の毒にやられないのか……?たぶん兄弟だからです!フェンリルは巨大すぎて毒のまわりが遅いかもしれないし。神話なので突っ込み禁止のこと。

エッグセール

巨人の見張り番です。この人、ここでしか出番がないよ!人生ただ一度の活躍シーンですね。

ずっと丘の上に座っていて、「ラグナロク始まった!」と判断したら、ニヤリと笑って竪琴を鳴らして巨人たちに合図。

終わりっ!

三羽のニワトリ

ここで雄鶏三羽が大騒ぎします。

1.赤い雄鶏フィアラル
ヨーツンヘイムのニワトリ。巨人たちに「ラグナロクだよっ」て鳴く。

2.金色の雄鶏グリンカムビ
アースガルドのヴァルハラにいるニワトリ。神々に「ラグナロクだよっ」て鳴く。

3.赤茶けた雄鶏(姓名不詳)
ヘルのニワトリ。死んでる人たちに「ラグナロクだよっ」て鳴く。

ナグルファル

死者の爪から作られた船です。この船が出来上がらないように、北欧では昔から「爪をのばしたまま死んではいけない」とい信じられていました。この船の材料を提供しちゃいけないと思われていたんですね。

ナグルファルが高波に乗って、アースガルド目指して突き進みます。乗っているのは巨人たち、ヘルの死者たち。霜の巨人フリュム(ここでしか名前の出てこない巨人。覚えなくていいよ)この船の舵を取っているのはロキです。ロキはバルドルを殺害してからずっと岩穴に閉じこめられていたのですが、このときいましめから解かれて船に乗ったのです。ロキは巨人族で、ヘルの父親でもありますから、巨人族も死者たちもロキに従っています。

スルト

世界の果て、炎の国ムスペルからスルトがやってきます。

彼は世界の始まりからず~っと剣を片手にムスペルに座り込んで、ラグナロクを待っていたのです。スルトのお仕事はラグナロクで炎の剣を振り回して、何でもかんでも燃やし尽くすことなので、世界の始まりから今まで、何にもやることがなかったわけです。結構かわいそうですね。

その点、エッグセールと同じなのですが、スルトがわりと人気者なのは「炎の剣」のせいですね。この剣は絶品で太陽よりも明るく輝いています。

この剣はロキが鍛えた「レーヴァティン」と混同されて、レーヴァティンがスルトの剣だと誤解されることがあるのですが、明らかに間違いです。レーヴァティンはロキが作った後、スルトの妻が大きな箱にしまい込んで、その後箱から出されることは二度とありませんでした。有名な割に、レーヴァティンは一回も使われたことがなかったのですね……。

おそらく、スルトの剣と間違われたのは「スルトの妻がしまい込んだ」ためだと思われます。

レーヴァティンの詳しい説明はこちら
気になる!北欧神話の武器ってどんなのがあるの?リスト作成中!

とにかく空前絶後の威力のスルトの剣!スルトは炎の剣を振り回し、アースガルドへ続く虹の橋ビフロストを渡っていきます。ビフロストはスルトが重かったためか、剣の威力がすごかったためか、ガラガラと崩れて砕け散ってしまいます。

神々が出陣する

神々も黙ってみていたわけではありません。勢いよく神々のアースガルドへ向かってくる巨人族を迎え撃つため、立ち上がります。順番に見ていきましょう。

ヘイムダル

ヘイムダルの人生で一番の活躍シーンですね。ヘイムダルは虹の橋ビフロストに座っている「神々の見張り番」ですが、ラグナロクで巨人たちが押し寄せるのを見たとき、彼の持っている「ギャラルホルン」という角笛をふくことになっていました。

今、ついにその時が来たと悟ったヘイムダルは力の限りギャラルホルンを吹き鳴らします。

オーディン

神々の王ですから作戦会議に行かなくてはいけません。愛馬スレイプニルに乗って、賢者ミーミルが住む泉に出かけます。ミーミルに助言を求めるためです。

その他大勢のアース神

鎧甲冑を着て、アースガルドから巨人たちのいるヴィクリートの野をめがけて押し寄せます。

エインヘイヤル

「死せる戦士たち」です。オーディンはこの日のために自分たち神々と一緒に巨人たちと戦ってくれる人間の英雄たちを集めていました。戦場で死んだ英雄たちを、ヴァルキューレたちに命じて神々の館ヴァルハラへ連れてこさせたのです。

エインヘイヤルたちは八百人ずつの戦団になって、ヴァルハラの五四〇の扉それぞれから飛び出し、巨人たちめがけて進んでいきます。

最終決戦!次々に死んでいく神々

とうとう神々と巨人たちの戦い開始です!ここで重要人物がばたばたと死んでいきます。

オーディンとフェンリル狼

オーディンは黄金の兜をかぶり、甲冑に身を固めて真っ先に馬を駆っていきました。彼はフェンリル狼に戦いを挑みます。

このときトールが近くにいましたが、トールはミッドガルド蛇の相手をしていたのでオーディンの手助けはできません。

オーディンは結構がんばったのですが、フェンリル狼はオーディンを飲み込んでしまいます。これがオーディンの最期です。

オーディンが死んだあと、間髪入れずにオーディンの息子ヴィーザルが登場。彼は片足で狼の下あごを踏みつけ、手で狼の上あごをおさえて一気にその口を引き裂きます。こうして父親の仇を討つのです。

トールとミッドガルド蛇

トールはミョルニルでミッドガルド蛇に挑みます。ミッドガルド蛇とトールは今までにも何度か戦ったことがあり、いい勝負でしたが、ついにミッドガルド蛇が血祭りにされます。しかし、トールもよろよろと九歩下がったところで倒れて死にます。ミッドガルド蛇の毒にやられたのです。

フレイとスルト

フレイはスルトと戦います。しかし、フレイは愛用の魔剣を従者スキールニルに譲ってしまったので、スルトと戦うのに鹿の角を使わなければなりませんでした。後悔先立たず。彼はなすすべもなくスルトに敗れるのです。

魔剣をあげちゃったエピソードを詳しく知りたい方はここをクリック!

【第6話】豊穣の神フレイと巨人女ゲルドの結婚(スキールニルの旅)
第7話 豊穣の神フレイと巨人女ゲルドの結婚(スキールニルの呪い)

チュールとガルム

戦いの神チュールは、地獄の番犬ガルムと戦います。恐ろしい戦いになりましたが、チュールには片腕がありません。神と番犬は相打ちになって倒れます。

ロキとヘイムダル

ロキとヘイムダルは昔から仲が悪く、互いにいがみ合っていました。長年の積もり積もった恨みで、二人は壮絶な戦いを繰り広げます。そしてお互いに死んでしまうのです。

この戦いは、神話では一行でさらっと書いてあるのですが、劇的に書いているマンガがありますよ。これはおすすめ!あずみ椋(りょう)氏の「緋色の剣」です。ロキって武器も一つも持っている記述がないのに、どうやって戦ったのか謎ですよね。このマンガでは、「ロキは火の巨人である」事実から、両手から炎を出して戦っている場面が描かれています!「おおっ!なるほどっ」って感じです。

ロキがヘイムダルに重傷を負わされるところでは「ああっロキが死んじゃう!」って思ってしまいますが、この後まさかの感動シーンが!気になる方はこちら。

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ラスト!ついにスルト大爆発

待ちに待ったという感じで、スルトがあらゆる方向に炎を飛ばします。アースガルドもミッドガルドもヨーツンヘイムも荒れ狂う炎で地獄の風景に。

神々も巨人もエインヘイヤルも、人間も妖精も小人も、怪物もあらゆる生き物も死に絶えます。そして大地は海の中に沈んでいくのです。

この後、世界の復活の物語があるのですが、それはまた別のページでご紹介します!

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