【北欧神話】ヴァルキューレはオーディンのパシリ!忙しい彼女たちの仕事を詳しく解説!

2019年12月9日

ゲームや漫画によく登場する、北欧神話のスター「ヴァルキューレ」!

羽飾りのついた兜と鎧に身を固め、天馬にまたがって大空を疾駆するヴァルキューレは、まさに戦いの女神そのもの。カッコいい姿に誰しも憧れます。

このページでは、そんなヴァルキューレの仕事内容と彼女らの活躍を詳しく解説します!

ヴァルキューレって何?

分かりやす~く言うと、「死んだ英雄の魂を、主神オーディンのところへ連れていく乙女」です!

「何で乙女なの?」というのは、英雄だってごつい男神に連れてかれるより、きれいどころの方がうれしいからです!(超単純)

なので彼女たちは、戦場によく現れます。魂を連れていくだけでなく、戦いを激励することもあります。なのでヴァルキューレは「英雄たちの守護神」とも言われています。

ヴァルキューレのお仕事

ヴァルキューレの仕事は、大体三つです。

英雄の魂を集める

英雄の魂を、オーディンの住んでる宮殿ヴァルハラに連れていきます。なんで英雄を集めるかというと、神々はいつか巨人族と最終決戦をしなくちゃいけないので、その戦いに備えて戦力を集めているのです。

そのため、ヴァルキューレは休まず英雄をかき集める、オーディンのパシリ的お仕事をしているのです。

戦いを激励する

ヴァルキューレはお仕事柄、英雄たちが大好きです。彼女たちは「英雄が成長して、一番強くてカッコよくなった時に連れていこう」と考えているので(怖っ)、英雄が強くなるための手伝いをします。彼らが戦ってるときに「頑張れ~」と横で応援します。

ヴァルハラでお・も・て・な・し

連れてった英雄を、ヴァルハラでお世話します。

・お酌をする

・お肉を配る

など、おさんどんをするのです。

ヴァルキューレの持ち物/h2>
忙しいヴァルキューレ、戦場に行くので荷物もいろいろあります。

鎧と兜

羽のついた兜がトレードマーク!神様なので、鎧もピカピカに光ります。

かなり長い槍を持っています。この槍で英雄たちの戦いを激励します。

大きな丸い盾を持っています。夜、この盾を持って空を飛んでいると、緑や青に盾が光ります。この光がオーロラなのです。

白鳥の羽衣

何の役に立つのかよく分かりませんが、白鳥に変身できる羽衣を持っていて、それを着て戦場に行くこともあります。

飛ぶ馬

ヴァルキューレは「天翔ける戦乙女」と呼ばれ、天馬にまたがっています。これは、いちはやく戦場に駆けつけることができるように、オーディンから与えられたものです。この馬に死んだ英雄を乗せてヴァルハラへ飛んでいくのです。

ヴァルキューレは女神じゃない!

ヴァルキューレはいろいろな種族から成り立っています。

・巨人

・人間の王女

もともと女神ではないためか、時には英雄と恋仲になってしまったために、殺してヴァルハラに連れていくことを拒否してオーディンに逆らうこともあります。オーディンが許すはずはなく、こういうヴァルキューレは酷い目にあわされます。

ワーグナーのオペラ「ニーベルングの指輪」では、ヴァルキューレは「オーディンの娘たち」ということになっています。

有名なヴァルキューレ

ヴァルキューレは北欧神話の人気者。ここではスター級のヴァルキューレを何人か。

ブリュンヒルデ

人間の王女のヴァルキューレです。彼女はワーグナーのオペラ「ニーベルングの指輪」のヒロインなので有名になりました。

英雄シグルズ(オペラではジークフリート)と結婚するはずだったブリュンヒルデ。しかしシグルズは別の姫と結婚したために、ブリュンヒルデは嫉妬に狂い、シグルズを破滅に追いやってしまいます。

何度も生まれ変わるヘルギの奥さん

「フンディング殺しのヘルギ」と、その妻のヴァルキューレは幾度も生まれ変わっては恋仲になり、また引き裂かれて死ぬ、という悲恋を繰り返す恋人同士です。ヘルギは何回生まれ変わってもヘルギという名前ですが(なんで?)ヴァルキューレの名前は

スヴァーヴァ⇒シグルーン⇒カーラ

と変わっていきます。このうち、シグルーンが一番有名です。ヘルギとシグルーンは激戦のうち結ばれましたが、あろうことかシグルーンの弟がヘルギを暗殺。嘆くシグルーンのもとに、ヘルギは亡霊となって現れ、涙の一夜を明かしたといいます。

まとめ

いかがでしょうか。ヴァルキューレは女神のイメージが強いですが、人間のヴァルキューレもたくさんいるので、死んだり生き返ったりもします。

カッコいい英雄の側にいつもいるので、悲恋の物語が多いのが見どころですね。ヴァルキューレの物語はまた別にまとめるので、ぜひご一読を!

【関連記事】
オーディンってどんな神?神々の王の波乱に満ちた生涯を解説!

出版した本

三国志より熱を込めて三国志より熱を込めて 通勤時間で読める三国志
ショートショートのエッセイで書き下ろした三国志。 呂布、孫策、周瑜、曹操、馬超、劉備などの英雄たちの人生を、ショートショート一話ずつにまとめました。 英雄たち一人一人の人生を追いながら、三国志全体のストーリーに迫ります。
あなたの星座の物語あなたの星座の物語
星占いで重要な、黄道十二星座。それぞれの星座にまつわる物語を詳しく紹介。 有名なギリシャ神話から、メソポタミア、中国、ポリネシア、日本のアイヌ神話まで、世界中の星座の物語を集めました。
曽我兄弟より熱を込めて曽我兄弟より熱を込めて
日本三大仇討ちの一つ、曽我兄弟。鎌倉時代初期、源頼朝の陣屋で父の仇討ちを果たしたという、実際にあった大事件です。戦前は誰一人として知らない者はいなかった兄弟の物語ですが、現代ではほとんど知られていません。 本書では、知識ゼロからでも楽しんで読めるよう、物語の見どころを厳選してエッセイにまとめました。
新講談 山中鹿之介新講談 山中鹿之助
「我に七難八苦を与えよ」と三日月に祈った名将、山中鹿之介。 戦国時代、出雲の小国尼子は、隣国毛利に滅ぼされる。主君を失った尼子の家臣は、皆散り散りに――。しかし、ただ一人、山中鹿之介は主家の再興を目指して、ひたすら戦い続けるのだった。 戦前、講談で大人気を博した山中鹿之介の人生。兄から託された三日月の兜(かぶと)、鹿と狼の一騎討、布部山の大戦、上月城の壮絶な最後など、見どころを厳選してまとめた、新しい講談本。