【北欧神話】フレイヤってどんな女神なの?美と愛の女神を分かりやすく解説!

2020年5月9日

北欧神話の女神で有名人と言えばフレイヤ!

オーディンの正妻フリッグをおさえて、堂々の第一位です。ではそのフレイヤはどんな女神だったのでしょうか?ざっくりと紹介します!

フレイヤの生涯

フレイヤは登場シーンからすでに波乱に満ちた生涯です。

人質のフレイヤ

記念すべきフレイヤ初登場は、アース神とヴァン神の人質交換です。

長年戦っていたアース神とヴァン神は戦うことに飽きて、人質交換をして戦いをやめることにします。このとき、ヴァン神からアース神に引き渡されたのが

・ニヨルド(海の神様だよ)

・フレイ(豊穣の神様だよ)

・フレイヤ(この人!)

なのです。この三人、実は親子関係です。ニヨルドがお父さん。フレイとフレイヤは兄妹です。

北欧神話の中心人(神)物はアース神ですが、フレイヤは途中から参加したヴァン神なのです。

このエピソードを詳しく知りたい方はここをクリック!

【第4話】アース神とヴァン神 世界で初めての戦い
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夫が失踪したフレイヤ

人質交換でアース神の仲間になったフレイヤ。このとき、彼女の夫オーズが行方不明になってしまいます。このオーズは実に影の薄い人物で、なぜいなくなったのかもどこにも記述がないのですが、フレイヤにとっては大切な夫だったようです。彼女は世界中を駆け回り、涙を流して悲しみます。このとき、フレイヤが流して地面に落ちた涙が黄金になったのです。

こんな切ないエピソードのあるフレイヤですが、基本的には明るく活発な女神として描かれています。美しくて活動的で人気者のフレイヤ、あっという間にアース神の中でも重要なキャラとなります。彼女は愛の女神なので、全ての神々、妖精、小人、巨人の憧れの的に。神々はよく会議を開きますが、その場でも積極的に発言するほど、彼女は重い立場だったようです。

戦場へおもむくフレイヤ

女神でありながら、戦いの場にも出ていきます。鎧に身を固め、戦いの神オーディンと一緒に人間たちの戦場へ行きます。オーディンは死んだ英雄たちを神の館ヴァルハラへ迎え入れていたのですが、この神々の王オーディンと取引。

「オーディン、あなたが集めている死んだ英雄たちを、わたしも欲しいわ。半分ずつ分けましょう」

こうして、英雄たちは半分ずつオーディンの館とフレイヤの館に引き取られることになったのです。

オーディンってどんな神?神々の王の波乱に満ちた生涯を解説!

勇敢な戦いの女神フレイヤ、最後のラグナロクでも果敢に戦い、死んでしまいます。彼女がどのようにして死んだかは語られていませんが、おそらくスルトの炎に飲まれたものと思われます。

フレイヤってそもそも何の神様なの?

フレイヤは美と愛の女神です。当時の「愛」は現代の愛とはだいぶ趣が違って、ほとんど「肉体の愛」でした。ですからフレイヤは性的な魅力をまき散らす存在として描かれています。

そしてフレイヤは戦いの女神でもありました。彼女は猫の戦車で戦場へ行き、死んだ英雄たちをオーディンと半々で分けあって、自分の館へ連れて帰っていました。そしてラグナロクでは、その戦士たちと勇敢に戦うのです。

他の女神たちを引き連れ、鎧に身を固めて戦場へ赴くフレイヤ。この場面、あずみ椋の「緋色い剣」というマンガに載ってて、うれしかったですね~。「アース神として戦い、アース神として死ぬ!」とシビレるセリフ。さすが神です。

フレイヤの持ち物

フレイヤは美しい女性ですから、ジャラジャラといろいろ身に着けています。

ブリーシングの首飾り

小人が作った美しい黄金の首飾り。一度ばらばらに壊れましたが、いつの間にか復活しました。

鷹のころも

鷹の着ぐるみみたいなころもで、これを着ると鷹に変身して自由に飛べます。ロキに何度か貸しています。

猫の戦車

なぜ猫?!昔の猫はたくましいのでしょうか……。この戦車に乗って、戦場におもむいています。

フレイヤの家族と交友関係

父親はニヨルド。海の神で、ヴァン神族です。フレイヤはニヨルドがその妹と関係をもって生まれた女神です。

兄弟

兄、フレイ。豊穣の神。因果はめぐるもので、フレイヤは実の兄フレイと深い仲です。

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愛人

ちょっと多すぎますが、その中で有名どころをいくつか。

オーディン

神々の王。フレイヤとは戦いの場によく一緒に出掛けます。

ロキ

もともと巨人族です。ずる賢くいたずら好きですが、非常に美しい外見です。

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超美人のフレイヤ、巻き込まれる事件3選!

フレイヤの特徴は何と言っても、「どの女神も足元にも及ばないほど美しい!」ということです。

途方もなく美しいフレイヤに、神々はもちろん、巨人から小人まで、人種も生態系を超えて誰も彼もが夢中に!フレイヤをめぐって仁義なきバトルを繰り広げます。北欧神話ではたいていの話をロキが進めていきますが、このフレイヤも争いの引き金になったり、フレイヤ自身が問題を引き起こしたりして、物語には欠かせないトラブルメーカーとして活躍します。

城壁づくりの報酬に要求される

アースガルドの城壁がメチャクチャに崩れたとき、巨人がやってきて城壁を直すことを神々に申し出ました。途方もない工事だったため、値段が気になった神々。おそるおそる聞いてみると

「わたしの要求はフレイヤがわたしのものになることです。それと、太陽と月もください」

フレイヤは硬直。神々は激怒。でも結局、巨人を詐欺に陥れることで神々はタダで城壁を直してもらいました。

ブリーシングの首飾り事件。小人に欲情される

鍛冶のプロフェッショナルの小人たちが、4人がかりで素晴らしい黄金製の首飾りを作成しました。その名もブリーシングの首飾り。どうしてもこの首飾りが欲しくなったフレイヤ。美人は今も昔も装身具に弱いのです。「ほしいだけの代価をあげるわ」と言うと、小人たちはニヤニヤ。

「わたしたちのほしいものはあなたなんですよ。わたしたちと一回ずつ寝てくれたら、この首飾りは永遠にあなたのものですよ」

フレイヤは「いいわ」と即決。首飾りをゲットしました。

トールのハンマー盗難事件。巨人に嫁入りを要求される

けっこうまぬけなトールが、神々の三種の神器ともいうべきハンマーのミョルニルを巨人にパクられました。このハンマーは巨人と戦うための必須アイテムなので、なくなったら神々は巨人に負けてしまうかもしれません。

ロキが巨人に打診します。「ミョルニルの身代金を払うよ。だから返せよ」

「黄金なんかいらんね。たった一つ欲しいものがある。フレイヤを俺の嫁によこせ」

フレイヤは激怒。「絶対に嫌」とつっぱねます。最終的に、トールができるだけ小さくなってベールをかぶり、巨人のところへ行きます。そしてダッシュでハンマーを奪取。巨人を叩き殺しました。

北欧神話では「美しい」ということは黄金とか名剣とかよりもはるかに価値があったようで、フレイヤは一国にも値するお宝的価値があったのです。

まとめ

いかがでしょうか。「ほんとに神様?」と疑問がわくフレイヤ。ある意味、愛にあふれていますが……。でも、古代では「愛」はイコール「性愛」だったので、これでよかったのです!重いっきり人生を楽しんでるフレイヤ。彼女のパワーは永遠ですね!

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