【北欧神話】北欧神話関連マンガ!これさえ読めば神話の70%は分かる!

あまり知られていないですが、北欧神話を題材にしたマンガは、意外と存在します。ここでは、神話好きにはたまらない名作の数々を紹介します!これを読めばあなたも北欧神話マニアになれますよ(笑)
緋色の剣(あかいつるぎ)
作者のあずみ椋(りょう)氏は「大」が10くらいつくほどの北欧神話通。そのあずみ氏が「やりたいことを100%やらせてもらった」という入魂の作品です。全7巻。ほどほどのボリュームです。キリスト教と戦うヴァイキングと、神々のラグナロクを大胆に織り交ぜた超大作!この作品を読めば、北欧神話のあらすじと、ヴァイキングの歴史を苦も無く手に入れること間違いなし!
あらすじ
主人公リュー(人間)は産まれてすぐに捨てられたところを、アース神(元巨人の)ロキに拾われて屈強な戦士に育ちます。海の母の死をきっかけに人間界に戻ったリューですが、彼には過酷な運命が待っていました。おどろくべき出生の秘密、育ての親ロキがオーディンと対立、容赦のないキリスト教徒との戦い、そして宿命の恋人。
果敢に戦い続けるリュー、そして舞台はアースガルドへ……。神々の世界に襲いかかるラグナロク。リューは破滅の日を生き抜くことはできるのか?!
一押しポイント!
何と言ってもこの作品の最大の魅力はロキですね!
男にも女にもなれるロキ。いたずら好き、毒舌、屈折した性格。とても複雑なロキを見事に描いています!読んでいて気持ちいいくらいの毒舌ぶり。そして性的魅力が尋常じゃないです。ロキがあまり色気がありすぎて、ヒロインがどーでもいい人に成り下がってます。このロキを見てしまうと、他の作品は読めないですね。
そして主人公リューがかっこいいです。当時のヴァイキングは、きっとこんな人たちだったろうと思います。明るく勇敢で、どんな最悪な事態でも決してあきらめません。わたしはリューのこの言葉が好きです。
「感謝する。おれの剣に、おれの力に、そしておれが生まれてきたことに」
しびれますね。
絵の好き嫌いがあるかもしれません。わたしも最初抵抗がありましたが、読んでいるうちになぜかはまってしまいます。あずみ作品の魔力です。
北欧神話をまるごと書いたマンガというのは超希少価値です。もっと世間に知ってほしい作品です!読んでみたい方はこちら!決して後悔しませんよ。
ニーベルングの指輪
同じく、あずみ椋(りょう)氏の作品「ニーベルングの指輪」!
あずみ氏は北欧神話を題材に多くの作品を書かれていますが、これはその中でももっとも格調高い作品です!実はわたしはこの作品を読んで「北欧神話」の存在とストーリーを知りました。このマンガにどっぷりはまり、抜け出せない身に……。
この作品は北欧神話そのままではなくて、ワーグナーのオペラ「ニーベルングの指輪」をそのままマンガにしたものです。「ワルキューレ」の音楽は、たぶん名前は知らなくても、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
もともとのオペラが神話をほぼそのままオペラにしたので、これを読めば神話の有名エピソードをまるっと理解することができますよ。
あらすじ
醜い小人アルベリヒは愛が得られない代わりに権力を求め、「ラインの黄金」から権力の指輪を創り上げる。この魔法の指輪をめぐり、神々の王ヴォータン(オーディンの別の名前だよ)と巨人たち、アルベリヒが熾烈な争いを始める。
アルベリヒは指輪を失い、絶望から指輪に呪いをかける。この呪いのために、指輪の持ち主には次々に恐ろしい運命が襲い掛かるのだった。ヴォータンの愛してやまない娘ブリュンヒルデ、その恋人ジークフリートにも魔の手が忍び寄る……!
一押しポイント!
この作品の何がいいって、とにかく言葉遣いが素敵すぎます!原作のオペラの言葉をそのまま使っているので、最近のカルい言葉じゃないんです。古典の雰囲気、神話の厳格さが前面に押し出されています。でも読みやすいですよ。翻訳が実に優れているんですね。
「さらば天堂(ワルハラ)の輝く世界よ 誇りの城よ砕け散れ
歓喜のうちに滅べ 永遠の神の族(やから)よ
壊滅(かいめつ)の夜よ 来たれ 今やジークフリートの星が輝く」
こんな名文を漫画で読んだことあります?!これこそ神話の世界ですね!
またこの作品はワルキューレのブリュンヒルデと、英雄ジークフリートのキャラが実にいいんですよ。ブリュンヒルデは賢く誇り高い。まさに天翔ける乙女「ワルキューレ」のイメージそのもの!ジークフリートはまるで子供のように無邪気な英雄。愛さずにはいられないキャラですね。
これを読めば北欧神話は大体分かります!苦労せずに神話のあらすじを知りたい方、音楽好きの方、たった4冊で神話とワーグナーの世界が手に入りますよ!
興味のある方こちら!これはキンドル版ですが、紙バージョンもありますよ(^-^)
サイボーグ009
ご存知、石ノ森章太郎氏の不朽の名作「サイボーグ009」!
皆さん知ってました?なんと!なんとサイボーグ009に一話だけ北欧神話のお話があるんですよ!
その名も「エッダ編」。思いっきり北欧神話ですね。
わたしは小学生の時にこのお話を読んだのですが、衝撃でしたね。加速装置とかついているサイボーグ戦士たちが、濃い霧が立ち込める荒野を抜けると、いきなり世界樹がそそり立つ神話の世界へ突入するんですよ。炎のたてがみの馬、怪しげな魔女、世界樹の根元に立つ運命の女神たち……。
こんな世界に超近未来なサイボーグたちがいて、全然違和感がないのが石ノ森氏の巨匠たるところですね。
サイボーグ009エッダ編のあらすじ
「何メートルもあるすごい巨人が出現する」という情報を聞きつけたサイボーグ戦士たち。調査のためメンバー揃って出動します。一歩も見えないほどの霧の中、現れたのは一歩も歩けないほど弱り切った美女フライア。彼女を連れてサイボーグ戦士たちはその先の「ヤドリギの村」へ。
一見、何の変哲もない田舎の村だったが、その村には無数の伝説の生き物たちが!巨大なドラゴン。狼男。そして天まで届くほどの巨人。なぜこの村には神話の生き物たちが存在するのか?!襲いかかる舞者たちと戦いつつ、サイボーグ戦士たちは村の謎に挑む!
サイボーグ009の一押しポイント!
一押しポイントなんて言うまでもないですよね。誰でも好きですよ、009は……。(わたしの年代だけ?今どき古いですかね?)
009の素晴らしさを書くとこのブログが終わっちゃうので、とりあえずこの「エッダ編」だけかいつまんで説明します!
この「エッダ編」は、石ノ森氏のロマンチスト全開のお話なのです!石ノ森氏の作品はどれもこれもものすごくセンチメンタルで、内容に関係なくシェイクスピアのセリフを飛ばしたり、内容に関係なく小説や映画のセリフをしゃべったりするのが特徴です。そんなロマンチスト石ノ森氏。神話や古代史も大好きで、「エッダ編」では神話のロマンをこれでもかっ!てほど詰め込んでます。
わけもなくエッダのストーリーや文章を散りばめてあるのですが、それがまたわけもなく謎の感動を生む……。トールが近未来の武器レイガンを使いまくってるのですが、それがなぜかカッコよく感じる……。ヘイムダルが5歳くらいのガキなのですが、それがなぜかそれっぽい。
こんなハチャメチャな設定で感動を産めるのは、この世で石ノ森氏だけでしょう!
興味がある方は是非ご一読を!
オルフェウスの窓
皆さん、「ベルばら」はご存知でも「オル窓」は読んだことがないのでは?
わたし個人の好みで言わせていただくと、「オル窓」は「ベルばら」の7倍くらい名作です!はるかにドロドロ。ズシーン。読後感……。って感じですね。
オルフェウスの窓のあらすじ
ベルばらはフランス革命。オル窓はロシア革命が舞台です!でも物語の初めはドイツから。
主人公ドイツ人のユリウスは女の子なんですが、おうちの都合で男の子として育てられ、男子校に通うことに。そこにはオルフェウスの窓という「この窓で出会った男女は恋に落ちてしかも悲恋に終わる」といういわくつきのスポットがありました。ユリウスはその窓で運命の恋人クラウスと出会います。しかしクラウスの正体はロシアの革命家。ユリウスはすべてを捨てて、ロシアまで恋人を追っていくのでした……。
いったいどこに北欧神話が?
ここまで真面目に読んでくださった方は当然の疑問ですよね。どこに北欧神話が絡むのか?!
実は、ユリウスは男子校に通っていた時、カーニバルの舞台劇に出ます。その劇が「ニーベルンゲンの歌」なのです!ユリウスは美少女なので主人公クリームヒルト役です。この作者の作品は、どれも美しい詩が随所にちりばめられています。
「あなたはわたしの魂 わたしの命
このように兄君におつかえいたすのも ただクリームヒルト姫
あなたを妻にしたいからこそ」
「クリームヒルト……
みめよき姫の気高くもあでなる姿
ほめうたうよ 若き騎士らは」
これぞ運命の恋!絶対に現実にはない、詩の中の世界!
この「ニーベルンゲンの歌」の場面を読むと、わたしは「ドイツってうらやましいなあ」と思います。カーニバルの時期になると学校で毎年「ニーベルンゲンの歌」をやり、それを町中が楽しみにしている。劇が終わるとみんな衣装を着たままパレードするのです。日本にはない風習ですよね。日本でもヤマトタケルの劇くらいやればいいのに……。
戦士の宴
こちらもあずみ椋氏の作品です(^-^)
北欧神話を題材にした漫画がほとんどないので、作者がかぶっちゃいますね。
この作品は「緋色の剣」や「ニーベルングの指輪」よりもかなり短いです。全一巻。対立する二つの種族、レギン一族とグラーシーザー族。ある時、両軍の将であるゲイルとラグナルは死闘を繰り広げた結果、両方とも瀕死の重体に!そこに現れた女魔法使い(かなりの美女)シグルーンは、死にかかっているゲイルの肉体を救うため、ラグナルの魂をゲイルの肉体に移してしまいます!目覚めたラグナルは、自分が仇の姿になっていることに激しく苦難……。
なぜシグルーンはこんな魔術を使ったのか?ラグナルは徐々に謎を解いていきます。そして最後に衝撃の結末!
一押しポイント
この作品の魅力は、何といっても「ラグナルの意志の強さ!」ですね。
仇の身体になろうが何だろうが、とにかく人生をあきらめません!瀕死の大けがを負っても、「オレは生きる!こんなところで死なない!」と、死の淵から復活。あずみ作品はどれもこれもそうですが、男性キャラが実にいいんですよ。凄まじいエネルギーと戦士としてのカッコよさ。女性漫画家で、こういうキャラをかくのはこの人だけじゃないでしょうか?
本も紹介してます。見てね↓
北欧神話についての本!これを読めば北欧神話マニアになれる!
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