ジークフリート伝説オペラ版のあらすじまとめ(ニーベルングの指輪)

2025年12月4日

こんにちは、坂口螢火(けいか)です!

北欧、ゲルマン神話のヒーローと言えばジークフリートですが(神様のぞく)、ジークフリート伝説っていくつかバージョンがあって分かりにくいですよね。

このページでは、ジークフリート伝説のオペラバージョンを世界一分かりやすく紹介します!これを読めばあなたもジークフリート通になれること間違いなしです!

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「ニーベルングの指輪」はワーグナーのオペラだ!

我らがジークフリートが登場するオペラは、ワーグナー「ニーベルングの指輪」です!

このオペラ、ぶっちゃけムチャクチャ長いです。ぶっ通しで演じると、何と15時間かかるというシロモノ。フツーは四つにブツ切りにして演奏するみたいです。

さて、作者のワーグナーさんはこのオペラを作るとき、北欧神話のエッダ、ドイツの「ニーベルンゲンの歌」、アイスランドの「ヴォルスンガ・サガ」をベースにして、さらに思いっきり二次創作してアレンジ。なので「ニーベルンゲンの歌」のジークフリートが出てくるのに、「アレ?内容ちがくない?」という現象が起こることに……。

なので!神話とオペラでは、かな~りジークフリートが別人!あっちこっちにパラレル現象が起きることに!

現在、神話とオペラで大混乱が生じている原因は、全部ワーグナーさんのせいなのです(^-^)

前半長すぎ!主役のくせになかなか出てこないジークフリート!

オペラ「ニーベルングの指輪」は4部に分かれてます。

①ラインの黄金

②ワルキューレ

③ジークフリート

④神々の黄昏

です!

読めば一目瞭然かと思いますが、ジークフリートが登場するのは③から……。前半は一切出てきません!

実はこの物語、ものすご~く大雑把に説明すると

「あるすごい黄金を、妖怪がライン川からぶんどって指輪にする→さらに神様がぶんどる→ジークフリートが指輪ゲット→ジークフリート死んじゃう→指輪、ライン川に返る」

という物語。

この、妖怪と神様のくだりが約半分!そのため、ジークフリートは後半にしか出てこないのです。

ジークフリート好きにはぶっちゃけムカつくと思うので、ここでは前半を超絶略して紹介することにします。

ヴォータン、すべては君のせいだ……

昔々、ライン川にはすごい黄金がありました。何と、この黄金をゲットすると世界を支配できるというスーパーアイテム!

が、この黄金には一つ問題が……。「愛をあきらめた者しかゲットできない」のです。

ところが、超醜い妖怪(ニーベルング)のアルベリヒは

「オレは醜いから女が相手してくれない!そんなら権力しかないぜ!」

と、人生を悲観して黄金をゲット!この黄金で指輪を作り、目指すは世界征服!……と思ったのですが、指輪が完成したのを見計らって、なんと神々の王ヴォータン(神話ではオーディン)がドロボーしたのです!

「ワハハハハ!黄金のままだったら手に入らないが、指輪になったからオレでもゲットできるぜ!世界はオレのものだ!」

……サイテーです。神様のくせにサイテーすぎます。泣くに泣けないアルベリヒは怒髪天を突いて指輪に呪いを!

「その指輪を持つ者は全員死んじまえ!」

こうして指輪は呪われてしまったのですが、ヴォータンはこの直後に指輪をなくしちゃいます。実はヴォータン、神々が住むための城を巨人たちに作らせていて借金持ちの身でした。それで、巨人たちに

「じゃー、工事の代金に黄金たっぷりと、この指輪をオマケにもらってくよ」

と、指輪を持ってかれちゃったのです。このおかげでヴォータンはとりあえず死ななくって済んだのですが、いつの時代も借金は厄介ですね。

ブリュンヒルデ、ムリヤリ冬眠

さて、呪いの指輪を手放したヴォータンですが、心配で仕方ありません。

「あのアルベリヒが指輪を取り戻して、仕返しに来たらヤベーことになる……。何とかして指輪を取り戻さないと!でも、城の代金として指輪を支払ったから、オレは指輪を取り戻すことができない……(←ゲルマンの契約のルールなんです)」

ここでヴォータン、またもやサイテーなことを企みます。

人間の女と不倫して息子を産ませ、そいつに指輪を取り戻させようという作戦!

ところがこの計画、失敗に終わります。

当然ですがヴォータンの奥さんフリッカ(神話ではフリッグ)が大激怒。この息子ジークムントはあっさり殺されちゃったのです。しかも、フリッカが「ジークムントは殺す!」と決めたのを止めようとした女神ブリュンヒルデも処罰を受けて、山のてっぺんで眠りにつかされ、「通りすがりに見つけた男のものになる」というヒドイ運命に落とされてしまったのです。(この女神もヴォータンが他の女神と不倫して作った娘。ワルキューレという戦争の女神の一人です)

結局、指輪は手に入らないし、ブリュンヒルデは山のてっぺんで冬眠させられるし、踏んだり蹴ったりの状況ですが……実はこの時、ジークムントの恋人ジークリンデが、おなかに息子を身ごもってました!(このジークリンデ、何と双子の妹というすごい設定)

この子供こそ未来のジークフリートなんです!

ジークフリートが成長してから、物語は一気に展開していきます!

やっと登場!ジークフリート、竜をやっつける

産まれる前にお父さんを亡くしてしまったジークフリート。産まれる時にはお母さんまで死んじゃいますが、幸運なことに小人の鍛冶屋ミーメが面倒を見てくれたのですくすく成長。森の中にあるミーメの鍛冶場で、手に負えないやんちゃ小僧になったのでした。

が、このミーメには、ある下心が……。

実はこのミーメ、「ニーベルングの指輪」の元の持ち主、アルベリヒの弟だったのです!

「アニキが作った、あの指輪を持っていれば、オレだって世界征服は夢じゃない!どーでもいい人間のガキのジークフリートを育てたのは、奴に指輪を取ってこさせるためだったのさ♪」

という、思いっきり悪い奴だったのです。

さて、問題のあの指輪、今どうなってるのかというと……。

ヴォータンが巨人たちに指輪を借金のカタとして支払った後、巨人の一人が「ウへへへへ、この黄金は全部オレのもんだぜ」と、ヤベー欲望のかたまりとなってしまい、姿かたちまで醜い竜に変貌。黄金を全部洞窟に隠して、そこから動かなくなっちゃったのでした。

さて、指輪が欲しいミーメはジークフリートをそそのかし、すごい剣のノートゥングを渡して竜退治させます。何にも知らないジークフリート、ちゃちゃっと竜をぶっ殺すと、黄金やお宝、呪いの指輪もゲット!その様子を見ていたミーメ、「よしよし、後はジークフリートに毒のジュースを飲ませるだけだぜ」と悪だくみしたのですが……ここでジークフリートに奇跡が!

なんと、竜の血が偶然口に入ったとたん、鳥語が分かるようになったのです!小鳥たちはジークフリートに

「あぶない、ジークフリート!ミーメはあんたを殺そうとしてるよ!」

と、助言。物事を深く考えないジークフリートは、問答無用で「エイッ」とミーメに一撃。こうしてジークフリートは(本人は全然価値を知らないけど)世界を支配できる指輪の持ち主になったのでした。

運命の出会い!イキナリ女にキスするジークフリート

さて、指輪をゲットしたジークフリートですが、育ての親のミーメはぶっ殺しちゃうし、イキナリ広い森の中で一人ぼっちになっちゃいました。

「ああ~、もう誰もいない……。寂しい~」(自分が殺したのに)

と、派手に嘆くジークフリート。ここでまたもや小鳥たちが助言します。

「山のてっぺんに行けばブリュンヒルデがいるよ。目覚めさせた男のものになるんだから、早く行って美人をゲットだぜ!」

これを聞いて、一気にジークフリートは張り切ります!山のてっぺんには炎が燃えてたり、色々試練があるんですが、ジークフリートはとにかく最強の男なのでなんなくクリア。すぐにブリュンヒルデの寝てるところへ到着です。

さて、ブリュンヒルデはワルキューレ(鎧を着て馬に乗ってる戦争の女神)だったので、がっちり鎧を着てます。ところが……ジークフリートはデリカシーとは無縁の男なので、バッサバッサと鎧を脱がし、いきなりディープキスをしてブリュンヒルデを覚醒させます。

久々に起きてこの有様を見たブリュンヒルデは結構ショック。

「あ!鎧がない。盾もない!あなたは寝てる女の鎧を脱がせたのね。こんな恥を受けるなんて!」

と嘆くのですが、ジークフリートは気楽な男なので

「いいじゃないか」

と、いきなり抱きつき、口説き落として二人は結婚したのでした。

冒険に出発。ジークフリートにヤクを盛る計画。

出会ったその日、一時間もしないうちに結婚したジークフリートとブリュンヒルデ。ラブラブで蜜月を楽しんでいたのですが、ジークフリートはエネルギッシュな男なので、そのうちじっとしていられなくなります。

「オレは森の中から出たことないから、世の中を探検してくる!」

と、岩山から出発。船でライン川をどんぶらこ、どんぶらこと漕いでいったのです。この時、ブリュンヒルデに「これプレゼントするよ!必ず帰って来るからね」と、竜退治の記念に指にはめていた「ニーベルングの指輪」をあげたのでした。

さて、この後ジークフリートはギービヒ家というライン河畔の館にたどり着くのですが、この館には、ジークフリートにとってとんでもない敵が住んでいました!

この館の主人はフツーの人間グンター。その妹のグートルーネ(神話ではクリームヒルト)。弟ハーゲンですが……このハーゲン、実は半分妖怪。お母さんはグンターと同じ人間の女性でしたが、お父さんがあのアルベリヒなのです!

ヴォータンが指輪を取り戻すために人間の息子を作ったのを見たアルベリヒ、「負けちゃいらんないぜ」と、こちらも人間の女性を誘惑。ハーゲンを使ってジークフリートから指輪をパクろうという魂胆です。

さて、ジークフリートからまんまと指輪を奪おうとたくらむハーゲン、まずは兄貴のグンターと妹のグートルーネをそそのかします。

「グンター、あんたはギービヒ家の主人だが、まだ妻がない。グートルーネにも夫がいない。そこで提案があるんだ。俺は世界一美しいブリュンヒルデという女を知ってる。だが、彼女が住んでる山には炎が燃え盛っていて、フツーの人間じゃたどり着けないんだ。英雄のジークフリートじゃなきゃ無理だろう。そこでだ、グートルーネがジークフリートをとりこにすれば、ジークフリートはグートルーネを妻にするために、ブリュンヒルデを手に入れるのを手伝ってくれるはずだよ」

グンターは乗り気ですが、グートルーネは真っ青。

「わたしなんかがジークフリートの心を掴めるはずがないわ」

と尻込みするのですが、ハーゲンはおもむろに一本の飲み薬を取り出して、

「心配するんじゃないよ、グートルーネ。この薬を飲めば、それまで会ったすべての女のことを忘れて、お前への愛のとりことなってしまうんだ」

う~ん、いいのか⁈って感じですが、昔は価値観が違うので突っ込み禁止!グンターとグートルーネは乗り気になって、ちょうどそこへジークフリートが登場!すごすぎるタイミングです!

ブリュンヒルデ大泣き!襲われた上に拉致!

「やあやあ、ようこそジークフリート!自分のうちだと思ってくつろいでよ」

と、グンターとハーゲンはニコニコ顔でジークフリートをおもてなし。世間話に花が咲いて、イイ感じです。

そこへ……例の薬を入れたワインを持ってグートルーネが登場。何にも知らないジークフリート、グートルーネから盃を受け取って一気に飲み干しちゃいました。

ヨロヨロッとフラついたジークフリート。グートルーネが「大丈夫ですか⁈」っと駆け寄って目が合ったとたん、もうグートルーネに骨抜き状態。

「妻になってください!グンター、妹さんを下さい!」

と、もう目がいっちゃってます!

「グンター、妹さんの名前は?あなたは奥さんいます?」

「いや~、まだだね。想う人はいるんだけど、ちょっと手に入れにくい女で」

「じゃあ、手伝います!首尾よくその女を手に入れたら、妹さんをオレの妻に下さい!じゃあ、さっそく出かけましょう!」

「いや、ちょっと待ってください」

と、この時ハーゲンが口出し。

「ジークフリート、あなた腰にカブトをぶら下げてますね?それは龍の洞窟から持ってきたものでしょう。それは隠れカブトといって、かぶればどんな姿にもなれるのです。それをかぶってグンターに化ければ、首尾よくブリュンヒルデを手に入れられるはずですよ」

と、こうしたわけで、ジークフリートは自分の奥さんをグンターの花嫁にする計画に乗っかってしまったのでした……。ハーゲンの薬のせいで、もうブリュンヒルデの記憶は全然ありません。

さて、ブリュンヒルデの方は、こんなこと夢にも知りません。この日もジークフリートのくれた指輪を眺めつつ、「まだ帰ってこないのかしら」と待ちわびていたのでしたが……そこへ突如、炎を超えてやって来たアヤシイ男!これ、実はグンターに化けたジークフリートなんですが、ブリュンヒルデに分かるはずがありません。

「キャー!来ないで!いったい誰なの!出て行って!」

半狂乱になって叫びまくりますが、ジークフリートは平気の平左。なんなくブリュンヒルデを組み倒し、その指から指輪を抜き取って、半分気を失ってるのをいいことに、ホンモノのグンターとバトンタッチ。バレるとまずいのでジークフリートは先に館へトンズラ。グンターは後からゆっくりブリュンヒルデを連れて館へ戻ったのでした。

ブリュンヒルデブチ切れ。復讐を誓う

かくして、グンターに連れられて館へ連れてこられたブリュンヒルデ。

と、そこで見たものは何と!夫のジークフリートがグートルーネとイチャイチャしながら、今まさに結婚式の準備をしている姿!

これを目の当たりにしたブリュンヒルデはもうパニック状態です。

「これは一体どういうことなの⁈わたしのジークフリートが、よその女を妻にしようとしてるなんて!」

しかも、ジークフリートはブリュンヒルデを見ても全然素知らぬ顔。これは忘れ薬のせいなんですが、ブリュンヒルデに分かるはずがありません。しかも!

「あ!これはどうしたこと?ジークフリートの指にはまっているのは、わたしの指輪だわ!ああ……、そうか、分かったわ!」

この指輪、ジークフリートがグンターに化けてブリュンヒルデをさらった時に引き抜いたやつです(こんなことしなきゃいいのに……)。ブリュンヒルデはこれを見て、「あの時、自分を組み倒した相手はジークフリートだったんだ!」ということを知ってしまいました!

これで完全にキレたブリュンヒルデ。グンターとジークフリートは「やべ~、全部バレた……」とオロオロ。ブリュンヒルデは槍を持ち、その場に居合わせた人々(結婚式なので、そこら中の人たちが集まってたのです)全員に向かって宣誓!

「皆さん聞いてください!わたしはグンターでなく、このジークフリートと結婚したのよ!この男は、わたしから快楽と愛をムリヤリ奪ったのです。槍よ、あの男はすべての誓いを破った。あの男に破滅を!」

こうしてブリュンヒルデは涙ながらに復讐を誓ったのですが……ジークフリートは薬のせいで全部忘れちゃってるので

「隠れカブトの効き目がイマイチだったのかな?とにかくあの女は混乱してるんだ」

くらいにしか思いません。

「さあ、結婚式だ!みんな、大いに楽しんでくれ!」

と、ルンルン気分でグートルーネと結婚式をあげたのでした。

ジークフリート暗殺計画。ハーゲン大活躍

思いっきりジークフリートに裏切られたブリュンヒルデ。タダじゃ収まりません!恨みの形相ものすごく、ぶるぶると震えながら、グンターをののしる、ののしる!

「何て卑怯な男なの!わたしを得るのに、炎が怖いからって隠れていて、ことが終わってから出てくるとは!尊い血筋も地に落ちたものね!ああ、許せない!」

派手に嘆きまくるブリュンヒルデに、ここぞとばかりにハーゲンはすり寄ります。

「まあまあ、わたしにおまかせなさい。裏切られた奥方。わたしが仕返ししようじゃありませんか」

「ジークフリートに、あなたが?あの人の腕前にかなうものですか」

「そりゃあ、そうでしょうが、あの英雄にも弱点はあるでしょう。それをそっと教えてください」

うまいこと言いよって、ブリュンヒルデを味方に取り込むハーゲン。その手管に、ブリュンヒルデはうまうまと載せられてしまいます!

「ああ、あの恥知らずめ!わたしはあの人を危害から守るために、あらゆる秘術を尽くしたのに。それであの人はわたしの魔力に包まれていて、決して傷を負わない体になっているのよ。でも……そうね、背中なら。あの人は決して背中を見せて逃げないから、わたしは背中だけは祝福の祈りをしなかったのよ」

この時、グンターだけはジークフリート暗殺をためらったのですが、ここでまたもやハーゲンが耳打ち。

「お前の恥をそそぐものはジークフリートの死だけだ。それに、ジークフリートが死ねば、竜のお宝は全部我々の手に落ちるんだぞ」

「しかし……グートルーネはどうなる?」

「よし、それならグンター、グートルーネには全部隠しておこう。明日、我々は狩りに出かけ、そこでジークフリートはイノシシにやられる……ということにすればいい」

こうして全員一致でジークフリート暗殺が決定。ジークフリートは翌日殺されることになってしまったのでした。

ハーゲン、ジークフリートを暗殺!

翌日、意気揚々と一行は狩りに出発。さんざん走り回って、やがて川辺で一休み。全員酒盛りをはじめました。グンターの顔色がさえないので、ジークフリートは陽気に話しかけます。

「そう落ち込まないで、グンター!気晴らしにオレの子供の頃の話を聞かせてあげるよ」

ハーゲンが「わたしも聞きたいね」と言うので、ジークフリートは長々と語り始めます。

「オレはミーメというニーベルング(妖怪)に育てられたんだが、このミーメはオレに竜を殺させて、まんまとお宝を手に入れる魂胆だったんだ。俺は森に連れていかれ、竜を戦ってこれを殺した。ところが!ここで不思議なことが起こったんだ。竜の血が下に触れたとたん、小鳥の言葉が分るようになったのさ。

『うそつきミーメを信じてはダメ。ジークフリートを殺そうとしているよ』

そこで、オレはミーメを一撃で殺したのさ」

周りの家来たちはこの話にワクワク。さらに続きを聞きたがります。そこで、ハーゲンが盃に酒を注ぎ、さらに秘薬を混ぜて

「これは特別な酒だ。これを飲めば、とっくに忘れていた昔も思い出せるようになる」

全然人を疑わないジークフリートは、これをゴクリ。と、そのとたん!忘れ薬のせいで失っていた記憶がすべて蘇ったのです!

「そうだ!小鳥が山のてっぺんに眠る花嫁のことを話していた。その勧めに従って、炎を超えて見つけたものは、鎧をまとったブリュンヒルデだった。口づけして目覚めさせると、ブリュンヒルデがオレを抱擁した!」

これにグンターは仰天!ハーゲンはにやりと笑いつつ、まだボーゼンとしているジークフリートの背中目がけて、槍で一撃!

「わあ!なんてことを!」

と一同は悲鳴を上げますが、ハーゲンは「裏切りの報いだ!」と言い捨てて、平然と去ってしまったのです。

ジークフリートはブリュンヒルデの名を呼びつつ、そのまま死んでしまったのでした……(T_T)

殺されちゃったジークフリート。グートルーネ大泣き

ジークフリートは殺されちゃったわけですが、その頃グートルーネは虫の知らせで胸騒ぎが止まりません。

「ああ、どうしたのかしら。何だか不安だわ。ジークフリートがいればいいのに……。ブリュンヒルデが部屋にいないけど、どこへ行ったのかしら。わたし、あの人が怖いわ……」

と、そこへ!狩りの一同がジークフリートの死骸を担架に乗せて帰宅!それを見たグートルーネは悲鳴を上げてすがり寄ります!

「グートルーネ、お前の夫はイノシシのえじきに……」

と、説明されますが、女の勘でグートルーネは死因を察知。

「触らないで、兄上!ジークフリートは殺されたのよ!あなたたちみんなで殺したんだわ!」

グンターは真っ青になって、

「違う!ハーゲンだ!ハーゲンが殺したんだ」

するとハーゲン(この男、いつの間にか戻ってきています)、せせら笑いつつ

「いかにも!オレが殺したのだ。だからオレには報酬を求める正当な権利がある。オレは指輪を要求する!」

「ダメだ!グートルーネが相続すべき指輪だ。この出来損ないのニーベルングのせがれめ!」

反対するグンターを、ハーゲンは剣でバッサリ!「指輪をよこせ!」

絶叫しながら指輪へ駆け寄るハーゲン。血まみれで倒れるグンター。慌てて駆け回る周囲の人々。阿鼻叫喚とはまさにこのこと。

と、その時奇跡が!

ハーゲンの手がまさにジークフリートの死骸に触ろうとした瞬間、指輪をはめたジークフリートの手がすうっと持ち上がって、ハーゲンの方を指し示したのです。

(※これはゲルマンの言い伝えで、殺された人の側に殺人者が近寄ると、その死人の手が殺人者を指さすというもの)

ギョッとして手を引っ込めるハーゲン。すると奥からブリュンヒルデが現れて、

「泣きわめくのはやめなさい。まるでミルクをこぼした子供が、めそめそ泣いて母親に泣きついているみたいね。たぐいまれな英雄の死にふさわしくないわ」

グートルーネは泣きながら

「ブリュンヒルデ!この人たちに、ジークフリートを殺すようにけしかけたのはあなたね。あなたがこの家に災いを持ってきたのよ」

と責めますが、ブリュンヒルデはやり返します。

「黙りなさい!ジークフリートの妻はあなたでなく、わたしよ。この人はあなたなどと会うずっと前に、わたしと永遠の契りを交わしていたんですからね」

これを聞いたグートルーネ、ハーゲンの忘れ薬にハッと思い当って、

「ああ、分かったわ……ハーゲン、あなたの企みだったのね!ジークフリートに薬を飲ませて、ブリュンヒルデを忘れさせてたんだわ。ああ、何てみじめなの!」

実のアニキにはめられるわ、知らないうちに不倫させられてるわ、もう一人のアニキは殺されちゃうわで、グートルーネは死ぬほど大ショック。もう立ち直れません……(:_;)

ホントの妻じゃないので、もうジークフリートにすがって泣くこともできず、ヨロヨロッと引き下がって、グンターのボロボロ死体に取り縋ってシクシク……可哀そうすぎです。

ジークフリート火葬に。ブリュンヒルデ後追い自殺。

何はともあれ、みんなはジークフリートのお葬式をすることに。ブリュンヒルデは家来たちに命じて、ライン河畔に火葬代を築かせます。

ブリュンヒルデはジークフリートの指からニーベルングの指輪を引き抜いて、

「ラインの乙女たち(ライン川の底で、指輪になる前の黄金を守っていた妖精たち)よ、この指輪を返してあげます。わたしが死んだら持っていきなさい」

と、自分の指にはめ、ジークフリートを寝かせた火葬台に点火。炎がごうごうと燃え上がると、ワルキューレ時代から乗っていた愛馬グラーネにまたがって、

「グラーネ、一緒に行きましょう。ジークフリート!あなたの妻が、今おそばに!」

と叫んで、炎の中に飛び込むのでした!

炎は二人と一頭を飲み込んで燃え上がりましたが、そのとたん、突如ライン川が増水!またたく間に水は火葬台を飲み込み、水の中から三人のラインの乙女が現れて、指輪の方へ泳いでいきます。それを見たハーゲン、慌てて水の中へ飛び込んで、

「指輪に近寄るな!」

と絶叫しますが、ラインの乙女の二人がハーゲンを水底へ引きずり込み、一人は指輪を手にして声高く笑うのでした。

全員死んじゃう!神々の黄昏

さて、オペラもいよいよ最後!ジークフリートとブリュンヒルデを燃やした炎は、何と天上の神々の城ワルハラまで到達!孫のジークフリートの代まで続いた一連の指輪騒動を引き起こした諸悪の根源、ヴォータン(神々の王)の玉座まで届いて、城はドッカーンと炎上しちゃったのでした。おしまいっ!

まとめ

いや~、長かったですね~。さすが15時間かかるオペラ、一筋縄ではいきません!

最後に注意。このページはジークフリートメインで書いたので、神々やニーベルング、ラインの乙女などの、いわゆる「人外」の連中のくだりは必要最小限しか書いてません(あと、ジークフリートのお父さんお母さんのところも書いてないよ!)。ほぼ削っちゃったんで、その点はご了承くださいm(__)m

 

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