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【北欧神話】オーディンってどんな神?神々の王の波乱に満ちた生涯を解説!

北欧神話で一番エラい神、オーディン!

灰色のひげをたくわえた片目の老人。堂々とした神です。八本足の馬にまたがる戦いの神として、様々なゲーム、漫画やオペラでも大活躍オーディン。ここでは、オーディンの生涯や性格、持ち物や家族などを簡単に説明します!

ざっくり解説!オーディンの人生

まずはオーディンの生涯を解説します。

世界を創造したオーディン

世界が最初氷と炎しかなかったとき、牝牛アウズフムラは氷をなめていました。すると、氷の中から最初の神ブーリが誕生(まるで魚の名前ですが)。ブーリにはボルという息子が生まれ、このボルから三人息子が生まれます。オーディン、ヴィリ、ヴェーです。

オーディンは巨人ユミルを殺し、その死体から世界を作り上げました。こうして、氷と炎しかなかった空間に大地と空と海、そしてそこに住む様々な命が誕生したのです。

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【第2話】天地創造!神々の王オーディンと巨人の父ユミル

片目になったオーディン

世界を創ったオーディン。彼はそこを治めるために、今よりもっと賢くなりたいと思い、ミーミルの知識の泉へ行きます。賢人ミーミルが守るその泉の水を飲めば、全ての知恵が手に入るのです。ミーミルは片目を渡せば一口の水をやると約束し、オーディンは片目を犠牲にしました。こうして、オーディンは片目になったのです。

つるされたオーディン

賢くなったオーディンは、未来のことまで分かるようになりました。つまり、いつか神々が滅亡すること。自分もその時死ぬことも分かるようになりました。それゆえに、さらに知識を渇望するようになったのです。

オーディンは世界樹に自らをいけにえとしてささげ、九夜つるされました。そして泣き叫びつつ、ルーン文字を手に入れたのです。ルーン文字は魔力のある文字で、これを使うとあらゆる魔法が使えるのです。これで、オーディンは魔術の神、予言の神にもなりました。

オーディンのルーンは、非常に力のある護符なので、みんな身に着けて大事にしていました。こんなのだよ。

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ラグナロクで狼に食べられる

ついにラグナロク、神々の滅亡の時。オーディンはスレイプニルに乗って、ミーミルの泉へ行き、ミーミルと相談。その後フェンリル狼と必死に戦いますが、フェンリルはあまりに巨大だったのでパクっと食べられてしまいます。神々の王にしては結構あっけない幕切れでした。

オーディンって何の神様?

神々の王

オーディンはすべて神々の王様で、神々の玉座フリズスキャルヴに座っています。この玉座フリズスキャルヴは特注品で、ここに座ると世界のすべてが見えるという素晴らしいアイテムなのです。なのでオーディンには一切隠し事ができません。

フリズスキャルヴが出てくるお話はこちら!
豊穣の神フレイと巨人女ゲルドの結婚(スキールニルの旅)

戦いの神様

オーディンは戦いの神であり、全ての戦いの勝敗を決定します。でも傲慢で気まぐれなので、その時の気分で勝ち負けを決める迷惑な神です。「こんな奴に負けるはずはないのに……」という出来事は、すべてオーディンのせいなのです。

知識の神様

知識の神でもあるため、あらゆる詩人、魔術師の保護者でありました。オーディンはよくまじないを使って、人々を罰したりいましめたりします。

「詩の蜜酒」を造って、詩の神様にもなりました。ですからヴァイキングの詩人たちはオーディンをとても尊敬していました。

オーディンはハッキリ言って最低の性格

オーディンの性格は傲慢で気まぐれで浮気者で、しかもすぐに開き直るという、いいところを見つけるのが難しい性格です。ロキが「あんたは一度だって公平であったことはないんだ!」と怒鳴りつけたことがありますが、まさにその通りです。

恐るべき神で、尊敬はされていたかもしれませんが、愛される神ではなかったでしょう。

わたしは、オーディンという神を初めて知ったのはマンガでした。これは原作がオペラなのでオーディンではなく「ヴォータン」という名前ですが、実にオーディンの性格が良く描けてます。

しょっちゅう旅をしているオーディン

オーディンは旅が大好きです。何でも知りたがる癖があるので、フリズスキャルヴに座っているだけでは物足りず、自分の足で確認したいのです。足で行くこともあれば、八本足の馬スレイプニルに乗って世界中飛び回ることもあります。また時には、魂だけ飛ばして(まるで幽体離脱)さまよっていることもあるのです。

オーディンの持ち物

案外持ち物は少ないです。王様なのに倹約家なのかも?

武器

グングニルと言う魔法の槍を持っています。ヴァン神との戦いの時には、この槍を使って戦いました。

実はこの槍、アマゾンで売ってるぞ。わたしは発見しました!

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スレイプニルという八本足の馬が、オーディンの愛馬です。この馬はどんな馬よりも速く走れるし、空中でも海の上でも平地と同じように走れるというスグレモノです。

たぶん、このスレイプニルはあらゆる神話、歴史上最高の名馬だぞ!

スレイプニル誕生秘話について詳しく知りたい方はここをクリック!

【第5話】アースガルドの汚された城壁

カラス

フギンとムニンというカラスを飼いならしています。このカラスは毎日世界を偵察に出かけて行って、その日のニュースをオーディンにお知らせしています。

玉座

フリズスキャルヴという玉座。ここに座っていると、世界中くまなく見渡せることができます。オーディンと正妻フリッグしか座ってはいけないことになっているのですが、一度フレイが勝手に座ってしまいました。

そのときのお話はこちら!
豊穣の神フレイと巨人女ゲルドの結婚(スキールニルの旅)

オーディンの家族、交友関係

全員挙げるとキリがないです。ここでは親、妻、子供、愛人など重要人物だけ紹介します。

父親ボル、母親は女巨人のボルソルン。つまりオーディンは半分巨人の血が流れているのですね。

結婚の神フリッグ。白や灰色の服を着て、黄金の帯を締めている美しい女神です。「子宝のリンゴ」を持っていて、子宝に恵まれない人に分けてあげます。

子供

トール

オーディンと大地の女神ヨルズの子。雷神です。
トールってどんな神?北欧神話で唯一いい神様だった?!

バルドル

正妻フリッグとの間に産まれた光の神。ロキにはめられて殺されます。

ヴィーザル

グリーズとの間に産まれた子。ラグナロクでフェンリル狼を倒します。

ヴァーリ

女巨人リンドとの間に産まれた子。バルドルを直接殺害したホズを殺します。

愛人

愛人は星の数ほど。たぶん、物語になっていないだけの犠牲者もたくさんいることでしょう……(泣)ここでは、ストーリーに関係ある女性だけ紹介します。

フレイヤ

フレイヤは大変美人で自由人なので、オーディンのほかにも大勢関係を持つ男性がいました。
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その他大勢

ビリングの娘、グリーズ、リンド、「ハールバルズの詩」に出てくる大勢の娘たち。

義兄弟

ロキ。オーディンは巨人ロキを自分の義兄弟にし、アース神の一員に迎え入れます。
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名前が多すぎ!

ムカつくぐらい名前があります。
少し例を挙げるだけでも、ユッグ、スンド、ヴァク、スキルヴィング、ヴァーヴズ、フロプタチュール、ガウト、イヤールク、オヴニル、スヴァーヴニル。

オーディンであることを隠していろいろやらかすことが多いので、こんなに名前があるのです。

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