使い魔とは?その種類や役割をまとめてみた。

よく、魔女のイメージとして猫とかカラスを肩に載せていて、しかもそれがただの猫じゃない……。ペラペラと人語をしゃべってるっていうのがありますよね。
有名どころではジブリの「魔女の宅急便」に出てくる、ジジっていう猫。あとはディズニーの魔女マレフィセントが、いつもナデナデしてるカラスなどでしょうか。ああいう、魔女が使っている小動物を「使い魔」と言います。
ここでは、誰もが一度は見たことあるけど、その生態は全然知らない「使い魔」について、秘密を一挙公開します!
使い魔の種類。色々あるぞ
使い魔は猫とかカラスだけじゃありません。その姿とか生態も様々です。大きく分けると動物と精霊の二つがあります。
動物の使い魔
動物使い魔の正体は、実は本物の動物じゃありません!動物に化けた小悪魔なのです。
もっとも多いのは、魔女が悪魔と契約して魔力を授かったときに、悪魔からプレゼントされる小悪魔。この小悪魔は魔界では低レベルな存在なのですが、知力は人間並み。ちょっとした魔法も使えます。
いつも小悪魔の格好(こうもりの羽を持った小人みたいの)をしてると、人間界では目立ってしょうがないです。道とか歩いてたら大騒ぎになっちゃうし、ご主人の正体が魔女だってバレたらヤバいことになるかも。なので普段は猫、カラス、犬、カエル、みみずく、虫などの姿をしているのです。
イメージとして近いのは、昔流行ったマンガ「カードキャプターさくら」で、主人公さくら(小学生の魔法使い)が「ケロちゃん」という、ぬいぐるみみたいな小動物を連れてますね?この「ケロちゃん」、普段は仮の姿としてぬいぐるみサイズになってますが、真の姿に戻るとライオンサイズになるんですよね。これが使い魔がいつも使ってる「姿替えの術」です!
精霊の使い魔
こっちは動物の使い魔より、もうちょっと高級です。魔女や魔法使いが、魔法の力によって魔界から召喚した精霊なのです。魔法陣によってボワッと呼び出すこともあるし、もっとお手軽なのでは、指輪、壺、護符(カード)などに精霊を封じ込めてあって、そこから呼び出す、というものもあります。
有名なのは、アラジンが魔法のランプから呼び出すランプの精。あとは、日本で安倍晴明が鬼神とか式神を使ってますが、あれも「精霊の使い魔」ですよ。
ちょっとマニアックですが、諸星大二郎の漫画「栞と紙魚子シリーズ」に、クダキツネが出てきました!管に入るくらい小さな狐の姿をした精霊で、このマンガの中では、フツーのマンションの中でクダキツネを大量に飼っていて、お料理やらトイレの掃除、郵便物を取りに行くのまでやらせていて、面白すぎてテンション上がります!このマンガはぜひおすすめですね。
使い魔のお仕事
使い魔はぶっちゃけ「何でも屋」です。魔女に言われたことは何でもやります。ストーリー上、最も多い仕事は
- 家事全般(お掃除から料理まで)
- 敵を見張りに行く
- 敵に呪いをかける
- 巨大化して魔女の乗り物になる(竜とか馬とかになる)
- 町中に疫病をはやらせる
などです。家事全般、うらやましい……。一匹ほしいですね。
使い魔の食べ物は?
使い魔だってお腹がすきます。餌をもらわなくっちゃ生きていけません。よく食べてる食べ物は
- 余ったご飯
- チーズ
- パン
- お酒
というあたり。ムム……つまり、ちゃんと用意してもらってるんじゃなくて、残飯を食わされてるって感じですね。
でも、使い魔にとって一番大切な食べ物は、これらの残飯じゃありません。彼らは時々、仕えている魔女から乳(血のこともある)を飲ませてもらわなければ死んでしまいます。女の場合は乳首から、男だったら、体のどこかに作ったいぼかアザから吸っていたそうです。
こういう、「魔女が自分の乳を飼っている動物(魔物)に飲ませている」というシチュエーションは、ヨーロッパ全土にあります。ロマの昔話の中にも、恐ろしい怪鳥を岩窟に住む魔女が飼っていて、怪鳥は夜の間空を飛び回り、朝になると魔女の元へ戻って乳を飲む、と言われています。
使い魔と魔女の関係は?
使い魔は魔女のパシリとして登場することが多いですが、それだけじゃありません。両者の関係は大きく分けて三つあります。
奴隷(パシリ)
魔法使いが圧倒的な魔力の持ち主。力づくでパシリにして、こき使いまくってる。マレフィセントのカラスはこれだよ。
契約関係
使い魔はもともとフリーの悪魔だったけど、人間に「願いをかなえてあげるから、やり終わったら魂をちょうだいね」と契約を結ぶ。願いが叶うまでの間は人間の言うとおりに働く。魔術師と何かの約束をして働き、その後報酬をもらうこともある。
有名なのはファウスト博士とメフィストフェレスですね。メフィストフェレスは「あなたがこの世にいる間は、わたしはあなたの奴隷として働きましょう。その代わり、あの世へ行ったら、あなたがわたしに仕える。いかがです?」と言っていました。
師弟関係にある
使い魔が魔術師を超尊敬していて、弟子になって働いている。これはほぼ見たことがないですね……。この設定でファンタジーを書いたら面白いかも!挑戦しませんか?
使い魔の歴史
使い魔は、現在ではケルトの魔女が連れているものが有名ですが、その歴史はケルト以前までさかのぼります。
北欧神話では、魔女は自分の肉体から魂を飛ばして、あちこちさまようことができました。その時、魂は狼などの姿になって他の動物とコミュニケーションをとって情報収集したと言います。
ユダヤの神話にも、使い魔は存在します。ソロモン王は砂漠に住んでいる魔神を思いのままに操ることができて、七十二の魔神をコントロール。その力ですごい宮殿を建てたそうです。
まとめ
こうしてみると、使い魔にはいろいろバリエーションがありますね。「自分の思い通りになる小さな家来がいたらなあ」という願いは、昔から人類の夢だったようです。きっとその夢が、使い魔の伝説を作り上げたのでしょう。
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