ドルイド僧って何者?気になるヤツらの生態を詳しく解説!

2020年7月21日

ケルト神話のあっちこっちに出てくる重要人物、「ドルイド僧」。

よくマンガとか映画の中で、深夜の川べりや洞窟を怪しげに徘徊。またあるときは神殿の石柱に登って、黒雲に向かって「フハハハハハ!」と何がおかしーのか謎の爆笑。

当たり前な顔して登場する彼らですが、日本人の我々が知るいわゆる「ぼーさん」とは全然違う生き方や性格をしているため、いまいちイメージのつかみにくいキャラクターです。このページでは、謎に満ちたドルイドの素顔を明らかにしていきます!

ドルイドってこーゆー奴だ

ドルイドは簡単に言うと「頭がよくって魔法が使えて予言ができて、プラス詩人のスーパーエリート」です。樫の木を聖なる木と崇めていたので「樫の木の賢者」と呼ばれていました。厳しい修行、師匠からの秘儀伝授により、進学、倫理、法律、天文学、占いなどを身に着けていたようです。

↓これが樫の木

ローマ人の証言

ケルト人と同時期に生きていたローマ人によると、ドルイドは主にブリタニア(イギリス)とガリア(フランス)にいたようです。つまり、ヨーロッパの東側のケルト人はドルイド教ではなかった可能性があります。

さらに、ローマ人カエサルの言うことには「ドルイドはイギリスがメッカだよ。フランスのドルイドはぶっちゃけ田舎もんだから、エリートになりたい奴はイギリスに海外留学するんだ」ということです。

ドルイドの教義ってこんなの

ドルイドが信じていた教えとは、一言で言うと「魂は永遠」です。

人間の魂は何度も転生を繰り返し、いろんな人間に生き返る、と信じていました。そして、今の自分よりダメ人間に生き返ることが「試練・罰」であるとされました。逆に、現世でいい人だったら、今生きている世界より素晴らしい世界、ユートピアに行けると思われていました。けっこう、仏教の教えと似ていますね。

そんなドルイドの教えが行き届いていたケルト人。死が間近の人間に「生き返ったら返せばいーよ」とお金を貸したりすることも普通だったようです。

ドルイドの秘儀

魔術や予言をよくしたドルイド。ここでは代表的なのをいくつか。

<h3ヤドリギは万能薬< h3=””>ドルイドはヤドリギを神聖なものだと思っていました。他の木がみんな葉を落としている冬場でも、緑色で花を咲かせているからです。それで、ドルイドはヤドリギをパナケア(万能薬)としていました。不妊の動物もヤドリギがあれば子を授かるし、どんな毒も一発で消せると信じていました。

↓ヤドリギってこれ

特に樫の木に生えたヤドリギは神レベル。樫の木はそれ自体がご神木なので、その木に生えたヤドリギは天からの授かりものと思われていました。樫の木にヤドリギが生えると、ドルイドは秘儀にのっとって刈り取りに行きます。

月齢6日に摘み取りに行きます。木の下には生贄の白い牛二頭とご馳走を用意。白衣を着たドルイドが黄金の鎌でヤドリギを刈り、木の下で白い布を広げたドルイドたちがヤドリギをキャッチ。それから牛を殺してお祈り……。

こんな大掛かりな儀式が行われていたそうです。

恐ろしすぎる!人身御供

人身御供はしょっちゅうでした。

ドルイドは「生贄の内臓をよく観察して予言」ということを得意としていました。いったい内臓のどういう点を見て予言してたんだ……と気になりますが、それはドルイドに聞いてください。

よくある人身御供の方法は、犠牲者の横隔膜を刃物でグサリ。血が噴き出す方向と、犠牲者が「ギャー」とのたうつ姿勢、血の量と色から判断して予言。

他には、わらを大量に集めて巨大人型を形成。その中に人間をぎゅうぎゅうに詰めて放火。ただの大量虐殺じゃないか、と思いますが、彼らは真剣だったので突っ込み禁止のこと。

また、ストーンヘンジみたいな石柱に犠牲者を縛り付けて、四方八方から槍でグサグサ。

意外とドルイドは血生臭かったんですね。

ドルイドになるためには

ドルイドはケルト世界では超絶権力者でした。税金を払わなくていいし、戦争に行かなくていいというスーパー特典つきです。

そのため、「絶対なりたい!」という人が続出。自分の息子に「お前、ドルイドになって俺たちに楽させろよ」という親もいました。

でも、ドルイドになるには凄まじい試練が……。

1.超いっぱい詩を覚える。文字がなかったので口述。全部覚えるのに20年かかる浪人生も……。

2.森の奥とか洞窟で苦行

3.師匠から訳の分からない秘儀をいろいろ伝授

4.天文学とか魔術とか法律、倫理、医学などすべての学問を丸暗記

これらの試練を乗り越えた者が、晴れてドルイドになれたのです!

どんな格好をしてたの?

ドルイドはいつも、真っ黒で頭から足まですっぽり覆う、長い衣を着ていました。質素な格好をするのは、日本でもケルトでも変わらないのですね。

それから、顔にいろいろ呪いの模様を描くことも。

魔術を使うので、護符をいつも身に着けていました。鈴みたいにチリチリと音が鳴るものもあって、その音を聞きながら瞑想に入ったりしました。

実は、アマゾンでドルイドの護符が売ってます!これは結構レアだぞ。

まとめ

いかがでしょうか?ドルイドは日本の坊さんとはえらく違って、魔法使いのほうがイメージが近い気がします。

ファンタジーにドルイドが出てきたら、彼らの苦労にぜひ目を向けてくださいね!

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