聖杯の騎士ガラハッドはランスロットの息子!生涯から武器まで詳しく紹介

アーサー王伝説の白眉を飾る冒険「聖杯探求」!

この聖杯を見事に見つけ出し、事件を解決した騎士こそガラハッドです。

ランスロットの息子として産まれ、大冒険を繰り広げたガラハッドですが、彼はアーサー王の元へ戻ることなく、短い生涯を閉じてしまいます。

このページでは、ガラハッドのキャラクターや家族関係、持ち物、冒険のあらすじまで詳しく解説します!

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ガラハッドってこんな人

ガラハッドの人生は波乱万丈です!究極に圧縮して説明します。

ガラハッドはランスロットの息子

円卓の騎士の中で、最強の騎士はランスロット!ガラハッドはそんなランスロットの一人息子です。

が……その出生エピソードはかな~り残念……。

あるところにカーボネック城という呪われた城がありました(この城は、キリスト教のお宝聖杯とロンギヌスの槍を代々受け継いでる「聖杯城」です。代々の城主はキリストの弟子アリマテヤのヨセフの子孫)。ある時、ランスロットが偶然この城に訪れて数日滞在。

ところが!この城のお姫様エレインが、ランスロットに一目ぼれしてしまったのです!

このエレインは深窓の姫君のはずなのに、大胆というかハレンチといいますか……

「とにかくランスロットと結婚したい!平たく言えば寝たい!」

と、一人で勝手に盛り上がり、ランスロットに催眠術をかけてベッドイン!一方的に襲い掛かったのでした。

こうして、ミラクルな確率で一夜にして出来た子供がガラハッド。栄えあるランスロットの息子ですが、たぶん円卓の騎士の中で、一番サイアクな出生エピソードの持ち主でしょう……。

ガラハッド、危険な座にやって来る

アーサー王の宮廷の前には川が流れているのですが、ある日、その川に大きな一枚の石が流れてきました。その石には一本の剣が刺さっています。(この剣は、昔バリン卿が持っていた剣で、マーリンがこの石に刺したものです)

誰もが「不思議だ!」と騒いでいると、そこへガラハッドがやって来ました。

ガラハッドは盾も剣も持たず、ただ空っぽの鞘だけを腰に下げ、しょっぱなから意味深なセリフを言います。

「必ず神様がわたしに盾と剣を授けてくださるでしょう」

こう言うなり、ガラハッドはイキナリ円卓の最後の席、「危険な座」へ!

この「危険な座」とは、文字通り危険すぎる席で、「ここにはこの世で最も清い騎士でなければ座ってはならない!」と決められている席なのです。この席に座る人物は最初から定められていて、その人以外が座ると、地面が割れて地下深くへそいつを引きずり込んでしまうという、恐ろしすぎる席です!

ところが今、ガラハッドがその「危険な座」に座ると、席は光り輝き、「ガラハッド」と金文字が浮かび上がりました。この席が待っていたのは、ガラハッドその人だったのでした!

ガラハッドの奇跡はこれだけにとどまりません。ガラハッドは「危険な座」から立ち上がると、川に浮かんでる石へ直行。やすやすと剣を引き抜いてしまいました。

イキナリ聖杯出現!でもすぐに消える

さて、ガラハッドが次々奇跡を起こすので、みんながビビッていた時、全員にとどめを刺す究極の奇跡が!

何と、円卓の上にピカーッと聖杯が出現したのです!

アーサー王はじめ、全員度肝を抜かれて見つめていたのですが、聖杯は現れた時と同じように、しばらくしたらフイッと消えてしまいました。

「みんな!この円卓の上に聖杯が現れたということは、この国のどこかに聖杯があるに違いない!捜しに行こうぜ!」

と、ガウェインが提唱。円卓の騎士150人は、みんな城を出て聖杯を捜しに行くことになりました。これが円卓の騎士の冒険で一番有名な、「聖杯探求」なのです。

ガラハッド、聖杯探しに出発!

さて、ガラハッドはブラブラ冒険を続けていたのですが、途中で不思議な修道院にたどり着きます。ここには、地は真っ白で、真ん中に赤い十字架が書いてある盾がありました。

たまたまここで一緒になったバグデマガス王(円卓の騎士の一人)が、「ラッキー!」と持っていったのですが、ほんのちょっともいかないところで、行きずりの騎士にバッサリ斬られてダウン。

その行きずりの騎士は盾をガラハッドのところに持っていって、

「これはあなたしか持ってはいけない盾です。あなたの御先祖、アリマテヤのヨセフが、この白い盾に自分の血で十字架を描いたんですよ」

と、力説。なんでそんな事情を知ってるのか全く謎ですが、ガラハッドに盾を渡してドロンと消えてしまいました。

聖杯ゲット!でもすぐ死んだガラハッド

盾を手に入れて、意気揚々と旅を続けるガラハッド。パーシヴァルとボールズという友達を得て、いよいよカーボネック城へ!

この城でもてなされていると、突然、聖杯、ロンギヌスの槍、金の大皿をそれぞれ持った三人の乙女が広間へ入ってきます。

ガラハッドは立ち上がって、「神の名において、しばらくお待ちください」と乙女たちに言い、自分が行列の先頭に立って礼拝堂へ入っていきました。

そして、聖杯、ロンギヌスの槍、大皿を祭壇の上に置いてから、ガラハッドは聖杯を手に取って、唇をつけて聖酒を飲みました。するとガラハッドの顔は神々しく輝き、城の呪いは解かれたのです。

それから隠者ナーシアンスや城主ペレス王の呪いを解いたり、パーシヴァルとこの城の姫ブランシュフルールを結婚させたりと、まめまめしく働いたガラハッド。全部終わると、天使がやって来て

「お前を迎えに来たよ。ガラハッド」

と言って、ガラハッドの魂と、聖杯とロンギヌスの槍を一気に天国へ持っていってしまったのでした。終わりッ!

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ガラハッドの性格は?

ガラハッドはこの世で最も神聖な聖杯の騎士ですから、かな~り人間離れしてます!

欲望というものを一切持ってなくて、とっても清潔で無菌室みたいな騎士です。姿かたちも美しくて、ランスロットレベルに強くて(アーサー王が一度馬上試合にガラハッドを出場させたら、誰も勝てませんでした)、心までピカピカ!

とにかく非の打ちどころのない完璧君なんです。

ガラハッドの持ち物

ガラハッドは登場した知己こそ何も持ってませんでしたが、後からいろいろなアイテムをゲットします。

バリン卿の剣

その昔、バリン卿が手に入れた剣ですが、魔法使いマーリンが石に刺して、ガラハッドしか抜けないようにしました。

十字架の盾

御先祖のアリマテヤのヨセフが残した盾。ヨセフがサラスという町で作って、船に乗せてイギリスに持ってきました。白地に赤い十字架が書いてありますが、この十字架はヨセフが死に際に自分の血で描いたものです。

この十字架を描いたとき、ヨセフは

「この十字架はいつまでもこのまま鮮やかに残り、わたしの血筋の最後のものにこの盾を持たせれば、そのものは驚くべき奇跡の数々を成し遂げることだろう」

と言ったそうです。

聖杯

ゲットしたとたん死んだよ。

ガラハッドの家族、友達

長いからまたね(^^)/~~~

まとめ

 

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