アーサー王ってどんな人?意外と情けない王の生涯を五分で解説
「円卓の騎士」を集めて、多くの冒険物語を残したアーサー王。この王の名前を知らない人はいないのではないでしょうか。
しかし、名前は知っていても「じゃあ、何をした人?」というのは意外と知らないですよね。実は、アーサー王は中世騎士物語の主人公のくせに、本人はほぼ冒険なし。活躍ゼロ。助けられてばっかりで、超がつくほど情けない王様です!
今回は、そんなアーサー王の知られざる人生を解説します!
ざっくり紹介!アーサー王の生涯
まずは、アーサー王はどんな人生を送ったのか説明します。
アーサー、聖剣カリバーンを手に入れる
アーサーの父はユーサー・ペンドラコン王、母は美人のイグレーヌ姫。アーサーは王子でしたが、ユーサー・ペンドラコン王の不倫の結果誕生したため、部下に預けられて一般人として育ちます。
まもなく、ユーサー・ペンドラコン王は死亡。いろいろあって、魔術師マーリンが教会に聖剣カリバーンをぶっさし、「これが抜けたら次の王になれるよ」と宣言。誰がチャレンジしても抜けなかったのですが、少年アーサーがアッサリ引っこ抜きます。
「次の王はアーサーだ!」
と、マーリンが全国に連絡。ここに、アーサーは王として即位したのでした。
アーサー、聖剣エクスカリバーをゲット!
即位したはいいですが、もちろん存在する反対派。アーサーは戦っている最中、あろうことかカリバーンが真っ二つに折れてしまいます。
「ああ、もうだめだあ!」
と派手に嘆くアーサー。するといつも涼しい顔のマーリンが
「平気平気!もっといい剣が手に入るよ」
と、アーサーを森の奥の湖に連れていきます。見ると、湖の真ん中から手が生えていて、その手が素晴らしい剣を握っているではありませんか!アーサーは船で湖の真ん中まで行き、剣をゲットしたのでした。
この聖剣の名こそ、エクスカリバー。この剣のパワーで、アーサーは国を治めて大勢の騎士たちを従えることになります。エクスカリバーは湖の妖精たちが作ったもので、アーサーの人生が終わったら、この剣は妖精たちに返却しなければなりません。
円卓の騎士集結!
都キャメロットに馬鹿でかい円卓を置き、そこに全国から大勢の騎士を集めます。この騎士たちが、国中でカッコいい冒険をするのです。アーサー自身は全然冒険しません。
一番有名なのは「聖杯探求」の旅。騎士たちが幻の聖杯を探す旅に出るのです。この聖杯をゲットしたのはパーシヴァルという騎士。でも、見つけたとたん昇天してしまいます。
ランスロットに妻を取られるアーサー
円卓の騎士で一番カッコよかったのはランスロットでしたが、あろうことか、ランスロットがアーサーの妻グィネヴィアといい仲になってしまいます!これで円卓の騎士たちもバラバラに……。
妻に裏切られてショックのあまり、アーサーはランスロットと戦って負けてしまいます。その上、実の息子モルドレッドにまで裏切られて、大けがを負ったアーサー。ついに死期を悟り、エクスカリバーを湖の妖精に返還します。
そして、自分も妖精たちに連れられて湖を渡り、妖精の国へ去っていくのでした。
アーサー王の性格は?
アーサー王は高潔で慈悲深く、公正な君主でした。彼の元に多くの騎士たちが集まったのも、アーサー王のこうした性格を騎士たちが尊敬していたからです。
しかし一方で、彼は優しいあまりに優柔不断で煮え切らない性格でもありました。ローマとの戦いで、命を落とした騎士のことを耳にすると
「何と哀れな……。もう退却しよう。別に面目が失われることはないだろう」
と、ヤル気をなくし、部下から「何を言ってるんですか!進軍しなきゃダメです」と叱咤されることも。
アーサー王の城はどこ?
アーサー王はログレス王国という「歴史上最も幸福な王国」をイングランド(現イギリス)に建国。その都はキャメロットです。大変美しくキラビヤカな城だったそうですが、イングランドのどこにあったのかは分かりません。
アーサー王の勢力圏は広大です。イングランド、コーンウォール、ウェールズ、フランスの一部まで及びます。
アーサー王のアイテムはこれだ!
アーサー王は高潔な君主。持ち物は案外少ないです。
聖剣カリバーン
アーサー王が岩から引っこ抜いた剣です。この活躍で、魔術師マーリンが「アーサーが真の王だよ」と宣言します。
でも戦いの最中、アッサリと真っ二つに。案外もろい聖剣ですね。
聖剣エクスカリバー
アーサー王と言ったらエクスカリバー!この剣の名前はだれしも聞いたことがあるでしょう!
湖から出ている手にもらった聖剣です。妖精が鍛えた剣で、太陽のように光り輝きます。
剣を手に入れてニヤニヤしてるアーサーに、マーリンは
「剣と鞘と、どっちがお気に入り?」
と質問。
「もちろん、剣だよ」
とアーサーが答えると、マーリンは首を振って、
「あなたは見る目がありませんね。鞘のほうがすごい魔術がかかってるんですよ。あなたはいずれ身を亡ぼすでしょうね」
と縁起でもないことを言います。
円卓
円卓の騎士を座らせる、巨大な丸テーブルです。このテーブルは、アーサーがグウィネヴィア姫を娶ったときに、彼女の父親から嫁入り道具として持たせたものです。
騎士たちを座らせるテーブルが円である意味は、「この席に座る者たちに上下関係はなく、皆、家族である」という気持ちが込められているのです。
アーサー王の家族は?
アーサーは結構大家族です。
父、ユーサー・ペンドラコン王
イングランド王で立派な王だったそうですが、女癖は悪いです。
母、イグレーヌ姫
ティンタジェルの美女。もともとはティンタジェル公の奥さん。しかし彼女に横恋慕したユーサー・ペンドラコン王が、マーリンの魔法を使ってティンタジェル公に変装。うまうまとイグレーヌ姫のベッドにもぐりこんでアーサーを産ませたのです。
養父エクター卿
赤ちゃんアーサーを預かって育てた人。いい人だよ。
兄ケイ卿
エクター卿の息子。アーサーが王になったからエラくなれた人。超ラッキー。
妃グウィネヴィア
ロデグランス王の姫。超美人。円卓を持ってきたのはこの人。でもランスロットと浮気したよ。
姉モルゴース
エクター卿の長女。ロット王に嫁いで、円卓に騎士になるガウェインを産みます。
でも、アーサーと浮気してモルドレッドを産みます。
息子モルドレッド
アーサーがランスロットと戦ってた時、キャメロットを乗っ取った息子。しかも父親アーサーに致命傷を負わせた親不孝者。
魔女モルガン・ル・フェイ
エクター卿の三女。魔法使いで、アーサーに悪いことばっかりするよ。
この人がエクスカリバーを盗んだために、アーサーは運から見放されます。
《おまけ(^^♪》アーサーは実在した?たぶん、この人がモデル!
アーサー王がホントにいたわけはありませんが(いたら困るよ)、「多分この人がネタになった人物だ!」というのはいます!
その名も、ズバリ「アーサー将軍」。そのまんまです。六世紀頃の人です。
そのころ、イギリスはローマの支配下になったり、サクソン人たち(東からイギリスを狙ってやって来た、イギリスにとってはメーワクな民族だよ)が侵略しようとしてたりして、けっこうヤバい状態でした。
「このまんまじゃ、ブリトン人(イギリス人)はサクソン人の奴隷になっちゃうかも!どうしよう!」
というピンチの時、まさに綺羅星のごとく立ち上がったアーサー将軍。彼は見事にサクソン人を撃退。彼は幾度も勝利をおさめ、ついにブリトン人諸民族軍隊の総司令官に!そしてベイドン・ヒルの戦い(覚えなくていーよ)で圧倒的な馬鹿勝ちをしたのでした!
まさに、イギリスの守護神アーサー。彼をたたえる人々の思いが、おそらくアーサー王伝説を産み出したのだろうと推測されます。(彼の死後、イギリスはアッサリ征服されたのですが……)
この将軍アーサーの功績は、映画「キング・アーサー」に描かれています。興味あったら見てね。
まとめ
長々と、お疲れ様でした。アーサー王は有名な王様ですが、実は自分自身はあまり活躍することはありません。
「素晴らしい円卓の騎士たちを上手にまとめ、それによって平和な王国を作った」、人を使うのが上手な経営者タイプだたのかもしれませんね。
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