「笑府」にある三国志笑い話、2選!

2024年8月6日

「笑府」という、中国の古典をご存知でしょうか?

これは明代の笑い話集なのですが、本場中国では失われてしまい、輸入された日本で生き残ったという、なかなか波乱万丈の古典!

この「笑府」に、三国志にまつわる笑い話が掲載されているのでまとめてみました!

出た!張飛の幽霊

ある日ある時、一人の男がテクテクと野原の一本道を歩いていると、草むらの中に野ざらしになっている骨を発見しました。

「ははあ、気の毒に……。埋葬もされずに白骨になっちまったんだな。せめて埋めてやろう」

仏心を起こした男は骨を埋葬。その晩、家に帰って寝ていると……。

トントン、と戸を叩く音が。

「うるさいなア。こんな夜中に誰だ」

寝ぼけ眼をこすりこすり尋ねれば、

「ヒです」

「ヒ? 誰だ一体……」

「楊貴妃(ようきひ)ですわ。大昔に殺されちゃってからというもの、ずっと野ざらしになって、誰も埋葬してくれなかったの。今日、あなたに供養していただいて嬉しかったわ。お礼に一晩、夜伽をして差し上げるわ」

何ともなまめかしい声……。耳をとろかすような声音。

相手は幽霊。我々日本人は「幽霊とベッドインして大丈夫? ヤバいんじゃないの」と思ってしまうところですが、ここは中国!

中国人の許容範囲は日本人と比べ物にならないらしく、「幽霊とラブラブになった」とか「狐とそういう関係になった」とか「絵の女と楽しくやった」とか、ツワモノになると「幽霊と狐の女、三人で楽しんだ」という話まで、古典の中にウジャウジャあるのです!「死んでてもバケモノでも、肉体があればオーケー」という感覚。

なので、この男も幽霊が来たからといってビビりません!世界三大美女の一人が来たと知って狂喜乱舞!

「いいとも、ツイてるぜ! さあ、朝まで楽しもうぜ!」

と、こんな感じで一夜を過ごし、翌朝、隣近所に「いやあ、最高だったぜ」と自慢しまくったのでした。

これを聞いた隣の男、羨ましくてたまりません。

「よし! 俺も骨を埋めて、最高な一夜を過ごそう」

と決意して、骨探しに奔走。一日費やして、ようやく骨を発見しました!

丁寧に埋めた隣の男、その晩ワクワクしながら幽霊の訪問を待ちます。

と、やがてトントンと戸を叩く音。

「誰だい?」

と、興奮しきりで尋ねれば、

「ヒです」

と!

が、その後がサイアクなことに……。

「俺は張飛だ! 野ざらしになっていたのを埋葬してくれて、礼を言うぜ。さあ、一晩付き合ってやろう!」

「エエッ! イヤです! 話が違うよ……」

……以上。この後、哀れな男がどんな一夜を過ごしたかは定かではありません……。

三兄弟、人相見を尋ねる

劉備、関羽、張飛。仲良しの三兄弟は、ある日、高名な人相見を尋ねました。

まずは長兄の劉備から。

「うう~む、素晴らしい人相ですね!色が白い。白面白心、潔白な心の持ち主だ」

次に次兄の関羽。

「おお!あなたも素晴らしいですね。赤い顔で、赤面赤心、忠義心に富む人物だ」

今度は末弟の張飛の番だったのですが、劉備はハッと心づいて

「色白だと白面白心、赤ら顔だと赤面赤心。じゃあ張飛は色黒だから黒面黒心(超邪悪な心)になっちゃうじゃないか!」

そこで慌てて張飛を押しとどめ、

「ヤバイ!張飛!お前は見てもらわなくっていいぞ!」

まとめ

今回は三国志でまとめましたが、「笑府」はどれもこれもウケますよ。昔の中国の「笑い」、ぜひ楽しんでください!

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三国志に興味ある方、中国古代史が好きな方、物好きな方、読んでね(^^)

 

 

 

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