三国志の時代、ラーメンはあったのか?徹底検証!

2024年8月6日

三国志大好きな人たち、こんにちは!

三国志を読めば読むほど気になるポイント、「奴らは一体何を食べていたのか⁈」

中国料理って言えば「ラーメン!」……ですが、ぶっちゃけラーメンはいつからあったのでしょう?三国志の皆様は、ラーメンを食べていたのでしょうか?この記事では、ズバリ「三国志の次代にラーメンはあったのか?」を説明します!

ラーメンの旅はトルコから!

言うまでもないことですが、ラーメンの麺を作るには小麦粉がいります。小麦は昔っから中国で栽培してましたが、小麦を粉にする技術がなければ、練って麺にする事は出来ません。大昔の中国には、小麦を挽いて粉にする技術がなかったため、まだまだ麺は作れませんでした。

(小麦粉を作る前は、ただ単に小麦を煮て麦がゆにして食べてました。クッソ不味いです)

さて!小麦を粉にする技術は、紀元前5,500年のトルコで発明されます!さすがはメソポタミア文明!肥沃な三角地帯ですね!この時代のトルコの遺跡からは、パンを焼くための粉が発見されているのです。小麦を練って平べったいパンにして焼いていたみたいですね。

この技術はシルクロードを通って、えっちらおっちらと中央アジアへ伝播。紀元前3,000年ごろには中国に伝わりました。安徽省(あんきしょう)や青海省(せいかいしょう)、雲南省(うんなんしょう)など様々な地域の遺跡から、小麦粉が発見されてます。

小麦粉=麺?

さて、小麦粉を作るようになった中国人。ここで初めて、歴史に「麺」という言葉が登場します!

……とはいえ、いわゆる我々がイメージするラーメンの麺じゃありませんよ?実は古代において、「麺」という単語は、単に小麦粉を指す言葉だったのです。

実は古代社会において、食べ物を現す言葉は実にイイカゲンでした。なぜなら!この時代はどこにも「食堂」とか「食料店」というものが存在してなかったからです。中国に食堂が初めて登場するのは、大体12世紀ごろのことです。

個人の家以外に料理を食べる場所もないし、調理されたものを買う場所もないし……。だから、料理や料理に使う材料を厳密に区別する言葉は必要なかったし、名前がない食べ物すらゴロゴロしてる有様。なので、小麦粉や小麦粉を練ったものは、ぜ~んぶまとめて「麺」と言っていたようですね~。

最初の麺はすすれなかった!

紀元前の麺は、いわゆる「麺」というよりは、パンに近いものでした。

名前は「餅(ピン)」といって、小麦粉に水を加えて練り、平べったい楕円形、あるいは団子状に丸めて作りました。これをスープの中に落としてゆでて食べてたようです。他にも、焼く、蒸す、などといった料理法があったと言われています。

つまりは、本当にモチみたいな食べ物で、冬に食べるナベの中のモチを考えていただければ、イメージしやすいでしょう。

これが、大体3,000年以上もの年月をかけて、ゆ~っくりと今の麺になったのです。

どうして団子状の餅を細長くしようとしたのかは分かっておらず、今も様々な議論が交わされています。でも一つ確かなことは、

「細長くした方がスープが絡まりやすく、またツルツルとした食感が美味しいから」

でしょう!最初に考え出した人は天才です!

最初に麺を統一したのは始皇帝!

麺について最古の記録は、「始皇帝の統一」です!キングダムで有名な始皇帝(紀元前221~前210年)は、定規だのお金だのと、いろいろなものを中国全土で統一したことで有名な皇帝ですが、何と「麺の作り方」まで統一しました。

どうやら「小麦粉を練って生地を作る」という方法を、全国で統一したようです。つまり、それまでの時代は超アバウトで小麦粉の作り方とかがメチャクチャだったということですね。

ただし、始皇帝の時代の麺は、あくまで「初期の麺」。つまりパンに近い状態です。限りなく今の麺に近いものの作り方が、最初に文字で記録されたのは6世紀です。「斉民要術(せいみんようじゅつ)」(中国の農学者賈思勰(かしきょう)が書いた、全十巻の農書)に載っています。

結論

つまり、麺をスープに入れて煮て食べる、という料理は紀元前からあったようです。

ただし、その麺が細長い形になるまでは、数千年の時間を要しました。

始皇帝の時代は、まだ団子状の麺。6世紀になると細長い麺。三国志の時代は3世紀ですから、おそらくは細長くなるまでの過渡期だったのでしょう!曹操や劉備も、ラーメンの前身をすすっていたかもしれませんね(^^)

お知らせ

三国志の新刊を出しました!

三国志に興味ある方、中国古代史が好きな方、物好きな方、読んでね(^^)

 

 

 

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