【北欧神話】北欧神話の宇宙って?世界樹の周りの世界

ギリシャ神話や日本神話ほどメジャーじゃない、北欧神話!
面白いんだけどマイナーなのは、たぶん北欧神話の世界観が、他の神話に比べてぐちゃぐちゃと入り組んでいて分かりにくいからです。覚えちゃえば、とっても面白いんですけどね!
ここでは北欧神話の世界観と登場人物を、ごくごくシンプルに解説します!
世界樹のユグドラシル
北欧神話が、他の神話と大きく違っている点。
それは世界樹を中心に、宇宙のすべてが動いている、という不思議な世界観です!まるでラピュタの大木みたいな世界樹が、中心にドーンとそびえたっています。ユグドラシルというご大層な名前の付いたトネリコの樹です。
「万物の宿り」「永遠の樹」「永遠なるもの」「しっかりと根を張ったもの」とも呼ばれていて、その枝は美しい葉を茂らせ、この宇宙を緑で覆っています。
しかし、宇宙の生命そのものであるこの樹には、悲しすぎる現実が……。
樹の周りには、巨大な竜、蛇、鹿、リスなど貪欲な生き物たちが群がっていて、ユグドラシルの葉や皮や根を遠慮なくムシャムシャとむさぼっているのです!あまりの苦痛にユグドラシルは大泣き!樹なので走って逃げるわけにもいかず、身をよじって泣いてます!(樹って泣けるの?と言われそーですが、神話にそう書いてあるので悪しからず……。神話上の事実なんです!)
永遠と思われるこの樹は、いつも欲に満ちた者たちに食い荒らされ、苦しんでいるのです。この樹の姿は、破壊が進む私たちの地球を連想させてやみません(T_T)
世界樹の根。 神々と巨人のすみか
さて、ガツガツと食われまくってるユグドラシルは、そのうち枯れる運命にありますが、まだまだ当分枯れそうにないです。生き物たちはこのユグドラシルの根元に住みかを作ってます。根は三つに分かれていて、それぞれ別の生き物が住んでます。
一つは冥界「ニヴルヘイム」。そこには死の女王ヘルが洞窟のような館で暮らしています。
二つ目は神々の住まい、アースガルドを取り巻いています。ここには神々の王、オーディンが多くの神々と暮らしているのです。
三つ目の根は巨人族の住まい、ヨーツンヘイムに届いています。神々が「昼」なら巨人は「夜」。彼らは世界の初めから対立しています。異なる根の端で、両者は常ににらみ合っているのです。
さて、神々の住まいアースガルドはちょっと特別。ここには「ウルドの泉」という永遠の泉があって、そこには運命の三人の女神「ノルン」が立っています。ノルンの名は「運命」「存在」「必然」です。このノルンたちが、人間の「誕生」「人生」「死」を決めるのです。
ミッドガルド 人間たちのすみか
さて、神々と巨人たちは世界が始まった時から、ワケもなく敵対してました。虫が好かないとでも言うのでしょうか……マジでこいつらが敵対してるワケは何にもないです。ただたんに「こいつら嫌い!」という、それだけ!
……敵対の原因は全然ないのですが、神々の巨人に対するイヤがりようはモーレツなものがあります!「あいつらのムカつく顔を見るのはヤダ」という小学生レベルの理由から、何とアースガルドとヨーツンヘイムの間に巨大な垣根を作成するという徹底ぶり!この垣根ラインを「ミッドガルド」と呼びます。
ミッドガルドを作った、ある日のできごと。
海辺をお散歩中のオーディン。彼はニレとトネリコの流木を見つけました。
……なぜかは知りませんが、オーディンは面白半分にその流木を彫刻。神様の作品なので彫刻は命をもって、ひょこひょこ動き出しました。これが人間のご先祖なのです。
「そういえば人間は住む場所がないな。ちょうどいい。ミッドガルドに住め」
こうしたわけで、ミッドガルドに人間が満ち溢れるようになりました。
話のついでにもう一言。人間の原材料、ニレとトネリコについて。この二つの木は、槍と盾の材料、つまり武器の材料なのです。だから人間は、生まれたときから戦いに明け暮れているのです。なんか、みょ~に納得してしまいますね。
まとめ
ちょっと長くなりましたが、北欧神話の世界はだいたいこの通りです。
世界の中心ユグドラシル。
その周りに、アースガルド、ヨーツンヘイム、ミッドガルド。
細かく見れば他にもいろいろな場所があるのですが、この四点を覚えておけば、北欧神話は読めます!ぜびチャレンジしてね!