【日本神話】高千穂で天皇即位が祝われる!天孫降臨について!
こんにちは!メルクリウスです。
来たる5月1日、令和の時代が始まるその瞬間に、高千穂で天皇即位の登山会が開かれるそうです!
高千穂は九州の霊峰で、天孫降臨の地。天皇家のご先祖の神様邇邇芸命(ニニギノミコト)が降臨したとされる山なのです。令和の時代を迎えるにあたって、「天孫降臨」とは何か、「ニニギノミコトはどんな神様か」を知っておきましょう!
分かりやすく、かみ砕いてご説明いたします!
出雲大社の起源!オオクニヌシの国譲り
昔、天上世界(高天原、タカマガハラ)を治めていたのは神々の女王アマテラス。地上世界(葦原の中つ国、アシハラノナカツクニ)を治めていたのは大国主命(オオクニヌシノミコト)でした。
オオクニヌシは若いころから苦労人。ひどい兄弟たちに二度も殺されて生き返り、黄泉の国まで逃亡したことも。女性には人気があったのでいい奥さんをもらい、ようやく大きな宮殿を構えて国造りを始めたのです。
多くの神々を従え、農耕を広めて、立派な国を築いたオオクニヌシ。そこへ思いもよらぬ知らせが!なんと高天原のアマテラスが「この葦原の中つ国を高天原に譲れ」と言ってきたのです!
もともと、葦原の中つ国は高天原の神々が天から降りて形を整えた世界でした。アマテラスは、この国の王は自分の直系の血筋のものにしようと考えたのです。(このストーリーはおそらく、縄文時代からずっと日本に定住していた民族が、弥生時代になって大陸から渡ってきた民族に征服された過程を表すものでしょう)
メチャクチャ強い軍神タケミカヅチを送り込み、ほとんど脅迫して国譲りを迫る高天原。オオクニヌシはしぶしぶ承諾。「わたしのために、今住んでいるのよりもっと立派な宮殿を建ててくれたら、国を譲ろう」と約束しました。
高天原の神々はこの申し出を快諾。オオクニヌシの住む巨大な宮殿を、出雲に建てました。これが出雲大社なのです。
出雲大社は現在高さ24メートル。十分巨大に思われますが、現在の出雲大社は倒壊した後縮小して立て直されたもので、江戸時代の建物です。平安時代の記録によると、もともとの大きさは現在の倍、高さ48メートルあったそうです。現在最大の木造建築物である東大寺は47メートル。それよりもさらに大きかったということになります。
この記録は「ただの伝説でしょ?」と思われていましたが、近年出雲大社から直径3メートルの巨大な柱の跡が発見されたことによって、「少なく見積もっても高さ30メートルを超す建物だった」ということが証明されました。
オオクニヌシその後
出雲大社は「縁結びの神様」がいるパワースポットで有名ですね。これは、神無月(出雲では神在月)になると日本中の神様がオオクニヌシのところに集まって、結婚相談をすることから「縁結びのパワースポットである」と言われているのです。
そんなオオクニヌシ、現在は隠居の実なの?と思われがちですが、そうでもありません。結構多忙です。オオクニヌシは現在、「大黒天」と名を変えてわたしたちの身近にいます。七福神の一人、大きな袋をしょった神様ですね。商売繁盛、金運の神様です。ちょっとレトロな食堂やお店には、よく飾ってありますよ。
天孫降臨!ニニギノミコト登場!
「国譲り」が決定し、いよいよアマテラスの血筋の統治者が派遣されることになります!
地上世界を任されたのは、アマテラスの孫ニニギノミコトでした。(以後ニニギ)ニニギは高天原から、九州の高千穂の峰に降り立ちます。「天の神の孫が地上に降臨した」ので、「天孫降臨」と言うのです。
ニニギが地上に降り立つ際、アマテラスが手渡したのが神様レアアイテム三つ。「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」「八尺の勾玉(やさかのまがたま)」「八咫鏡(やたのかがみ)」でした。ご存知、「三種の神器」です!アマテラスががニニギにプレゼントし、歴代天皇に受け継がれたお宝なのです。
このとき、アマテラスは「この鏡をわたしと思って祀りなさい」とニニギに命令。神社で鏡が神様として祀られているのはこのためなんですね。この「八咫鏡」、現在はアマテラスを祀る伊勢神宮にあります。
三種の神器は天皇即位の場に持ってこられるので、テレビカメラに映る可能性大!ニュースを要チェックです!(袋に入ってるかもしれませんが)
ニニギってどんな神?
高天原から派手に地上に降り立ったニニギ。ある日鹿児島の海岸をぶらぶら散歩中に絶世の美女木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)を発見。さっそく姫の父親にご挨拶。
すると父親は大いに喜び、「天の神様に嫁入りするなら最高!姫の姉の岩長姫(イワナガヒメ)も一緒にあげるよ!」と、勝手に姉まで添えて嫁入り。当時は姉妹を一緒にプレゼントすることは珍しくなかったのです。
しかし、コノハナサクヤヒメは美人ですが、イワナガヒメはびっくりするほど不細工だったのです。ドン引きしたニニギは丁重にお断り。イワナガヒメを親元に送り届けました。
この時、父親は悲しみつつこう言いました。「コノハナサクヤヒメは花のように栄え、イワナガヒメは岩のように長い寿命を約束する姫だったのです。イワナガヒメを返したということは、あなたの子孫は花のように栄えても、すぐに枯れて落ちることでしょう」こうして、ニニギの子孫、つまりわたしたち人間は短い命となったのです。
これは「バナナ神話」という形の神話で、日本から東南アジアに広く伝わる神話のパターンです。神から石とバナナどちらかを選べと言われ、バナナを選ぶと「お前はバナナのように増えるだろうが、すぐに腐って落ちるだろう」と勝手に運命を決められるお話です。日本は美人の姫であるところがオシャレですね。
まとめ
「天孫降臨」と「ニニギノミコト」それから関連する人物やアイテムについてざっと紹介しました。
ニニギは神武天皇のご先祖。今の天皇家の先祖神なのです。天皇即位にあたって、ニニギや天孫降臨について知っておくと、神様の時代までさかのぼる天皇家の歴史が分かりますね。