【日本神話】アマテラスの誕生 昼と夜の分かれ

2019年4月21日

世界で初めての男女、イザナキとイザナミは日本の島々を産み、そこにたくさんの神々を誕生させましたが、火を産んだことによりイザナミは死んでしまいます。

亡き妻を取り戻そうと黄泉の国まで降りて行ったイザナキ。しかし、二度とイザナミを取り戻せないことを知って再びイザナキは地上に戻っていくのでした。

さてこの後、イザナキは「国作り」の最後の仕上げを始めます。

イザナキの「みそぎ」の儀式

黄泉の国から命からがら戻ったイザナキ。自分がひどく汚れていることに気付いて、川に入って身体を洗い清めることにします。ちなみにこの場所は筑紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小戸(おど)の阿波岐(あはき)という場所であったとか。(行ったことはありませんが)この頃は九州が日本の中心地だったんですね。

「上流は流れが速い、下流は弱い。中流で身を清めよう」と言って、イザナキは水に入って体を洗います。

実はこの行為こそ、日本人におなじみの「お祓い(おはらい)」の起源なのです!

お祓いで最も格調高くて有名なのは、朝廷で行われた6月の晦(つごもり)の大祓(おおはらへ)の儀式。この儀式では、国中の穢れと言う穢れすべてが、川へ、そこから海へ、さらに地下の黄泉の国へと流れていくと言われています。

アマテラス、ツクヨミ、スサノオの誕生

さて、身体をじゃぶじゃぶと洗うと、そこから次々と神々が生まれていきます。投げ捨てた杖、脱いだ衣装、帯、洗い落とされた垢などから神が誕生するというのは、まさにアニミズムを感じますね。

最後にイザナキは顔を洗います。そのとき、左の目を洗うとアマテラスオオミカミ(天照大神)が。右の目を洗うとツクヨミノミコト(月読命)が。そして鼻を洗うとスサノオノミコト(須佐之男命)が誕生したのでした。

これらの光り輝く神は、これまで誕生したどの神々よりも素晴らしかったので、イザナキは大いに喜び、アマテラスに自分の首にかけていた玉飾りを与えました。そして、「アマテラスは天の神々の女王となって、高天原を治めよ。ツクヨミも天に昇って夜を治めよ。スサノオは下界の海原と風を治めよ」と命じたのでした。

こうして、アマテラスは太陽。ツクヨミは月。スサノオは海をそれぞれ治めるようになったのでした。これは昼と夜の分離。つまり「一日」がはじめてこの世界で決まったことを表しています。「昼」(アマテラス)、「夜」(ツクヨミ)に対してスサノオの役割がいまいちはっきりしないように思われますが、これは天(太陽と月)の下で荒れ狂う雨や風、嵐などの大気現象を表していると言われ、スサノオもやはり気象に関する存在なのです。

このアマテラス、ツクヨミ、スサノオの三柱の神を「三貴神(さんきしん)」と呼びます。

原初の時代の終わり

三柱の神に世界を預けて、ついにやるべきことをすべてやり終えたイザナキ。

三貴神の誕生で、イザナキとイザナミの国生み時代は終わり、神話は次の時代へと移っていきます。

イザナキがその後どうなったかは、神話には詳しく書かれていません。ついに死んだ(これだと黄泉の国でイザナミと再会するかも?)とも、高天原に昇って悠々自適な生活を送っているとも伝えられます。

出版した本

三国志より熱を込めて三国志より熱を込めて 通勤時間で読める三国志
ショートショートのエッセイで書き下ろした三国志。 呂布、孫策、周瑜、曹操、馬超、劉備などの英雄たちの人生を、ショートショート一話ずつにまとめました。 英雄たち一人一人の人生を追いながら、三国志全体のストーリーに迫ります。
あなたの星座の物語あなたの星座の物語
星占いで重要な、黄道十二星座。それぞれの星座にまつわる物語を詳しく紹介。 有名なギリシャ神話から、メソポタミア、中国、ポリネシア、日本のアイヌ神話まで、世界中の星座の物語を集めました。
曽我兄弟より熱を込めて曽我兄弟より熱を込めて
日本三大仇討ちの一つ、曽我兄弟。鎌倉時代初期、源頼朝の陣屋で父の仇討ちを果たしたという、実際にあった大事件です。戦前は誰一人として知らない者はいなかった兄弟の物語ですが、現代ではほとんど知られていません。 本書では、知識ゼロからでも楽しんで読めるよう、物語の見どころを厳選してエッセイにまとめました。
新講談 山中鹿之介新講談 山中鹿之助
「我に七難八苦を与えよ」と三日月に祈った名将、山中鹿之介。 戦国時代、出雲の小国尼子は、隣国毛利に滅ぼされる。主君を失った尼子の家臣は、皆散り散りに――。しかし、ただ一人、山中鹿之介は主家の再興を目指して、ひたすら戦い続けるのだった。 戦前、講談で大人気を博した山中鹿之介の人生。兄から託された三日月の兜(かぶと)、鹿と狼の一騎討、布部山の大戦、上月城の壮絶な最後など、見どころを厳選してまとめた、新しい講談本。
忠臣蔵より熱を込めて忠臣蔵より熱を込めて
江戸時代から長く愛され続けている忠臣蔵の物語。四十七士の内、大石内蔵助、武林唯七、堀部安兵衛、杉野十平次、岡野金右衛門、赤垣(赤埴)源蔵に焦点を当てて、全体のストーリーを追います。広く知られている講談や芝居のエピソードから、覚書や遺書に見られる史実の姿まで紹介します。