ギリシャ神話のお勧めの本!子供向けから専門書まで

2020年4月30日

ギリシャ神話の本は、ちょっと大きめの本屋に行けば色々ありますよね。数が多くて、どれが自分が読みたい本か分からない方もいると思います。

ここでは、わたしが厳選した本をマンガから専門書まで紹介します!きっと、自分に合った本が見つかると思いますよ!

まずは入門書

ギリシャ神話はとにかく話が複雑……。分かりやすくあらすじだけでも知りたい人におすすめです。

マンガ・ギリシア神話


里中満智子のマンガのギリシア神話です。神々の誕生からオデュッセウスの冒険まで、有名どころのギリシア神話のストーリーをすべて分かりやすく網羅しています。

  1. オリンポスの神々
  2. 至高神ゼウス(アポロンの恋、メドューサの悲劇なども)
  3. 冥界の王ハデス(オルフェウスの竪琴も)
  4. オイディプス王の悲劇
  5. 英雄ヘラクレスの冒険
  6. 激情のメディア
  7. トロイア戦争
  8. オデュッセウスの冒険

全八巻。一話、一話、分かりやすく短編なので、ごちゃごちゃしてないです。神話好きの人にはたまらない作品です!

ただし、少女漫画作家なので、男性には好き嫌いがあるかな……。

ギリシア神話


わたしが子供のころ、初めて読んだギリシア神話ですので、結構古いです。でも名作ですよ!まず、絵が美しい。子供向けの本ですが、文章もなかなか高級ですよ。

  • オリンポスの神々
  • ヒアキュントスの話
  • パエトンの話
  • エウロペの話
  • パンドラの箱
  • ミダス王の黄金
  • イカロスの翼
  • ペルセウスとアンドロメダ
  • オルフェとユウデリケ
  • ピグマリオンの話

など。子供にも分かりやすい、でもロマンあふれる小話ばかりです。

ギリシア神話


ミッフィーやプーさんを日本語訳にした石井桃子が、小中学生のためにまとめたギリシア神話です。神々の物語の他に、小中学生向けにはなかなか載っていない、長い物語がたくさん!

  • ヘラクレスの冒険
  • アルゴー号の冒険
  • トロイア戦争
  • オデュッセウスの航海

一冊の中に、ほぼすべての神話の内容が凝縮されているのがすごいです!石井桃子の作品なので、言葉遣いも品がいいですよ。

詳しく知りたい人に!マニア編

簡単なあらすじを知った後、もっと詳しく知りたいという熱心な方。変態レベルも紹介します。

ギリシア神話


見た目が激しく高級な割に、結構読みやすいですよ。呉茂一の熱意を感じる一冊です。写真や分かりやすい地図があるのも嬉しいです。

この作品が良い点は、「神々や人物の性格」がしっかりと書かれていること!普通、専門書だと、ただ事実をダラダラと書き連ねているだけですが、この作品は「ヘラクレスは呑兵衛で呑気で陽気で、しょっちゅう失敗を繰り返して……」という風に、人物を原寸大に、人間味あふれる姿で描いているのです。神話をよりイメージしやすいですね。

ただ、重たいですので持ち歩きは不便ですね。

ギリシア文明史


全三巻のうち、一巻の最初にトロイア戦争が載ってます。トロイア戦争で活躍した、アキレウスやオデュッセウスについて長々と語られています。

歴史書――のはずなのですが、この作者はよっぽどトロイア戦争ファンだったらしく、かなり長々と、トロイア戦争を溢れる情熱で語ってます。アキレウス、ヘクトル、オデュッセウス、はてはアイアスにいたるまで、活躍した英雄の性格と働きを細々と綴ってます。特にアキレウスへの愛がすごいです。

アキレウスファンの方にお勧めですよ。

トロイア戦争全史

実は、日本にはトロイア戦争を最初から最後まで全部詳しく書いた本が他にないです。これは、唯一日本人が日本人のために書いた貴重なトロイア戦争物語です。しかも、かなり読みやすいですよ。

ギリシャ勢がトロイアへ着くまでに、間違えてミュシアを攻めてしまったとか、アキレウスが死んだときにブリセウスが語った台詞など、他の本ではなかなかお目にかからない場面が目白押し。トロイア戦争を最初から最後まで知りたい方は、ぜひご購入あれ。

古典のままで読みたい人に!原作編

ここでは、古代の詩のままで書かれたものを紹介します。

イリアス



ご存知、ホメロスの一大叙事詩「イリアス」!トロイア戦争の話として有名ですが、ただし注意!戦争の途中(アキレウスがアガメムノンと大喧嘩してキレるところ)から始まって、アキレウスがヘクトルを倒し、その死骸をヘクトルの父親プリアモス王が引き取るところまでしか書かれていません。アキレウスファンの方にお勧めですね。

翻訳が結構昔なので、人物の名前が今の訳と違っているところが多いです。ご注意あれ。

トロイア戦記


イリアスと合わせて買いたい一冊です。アキレウスが殺されてしまうあたりから始まって、トロイア陥落までが書かれています。

見どころは、アキレウスの息子ネオプトレモスの活躍。映画でも小説でも、ネオプトレモスが出てくるものはほぼありませんね(里中満智子のマンガでは、けっこうショボい人物になってるのが残念です)。しかし、実はネオプトレモス、父親そっくりの二枚目。しかも強い。彼が父親の墓に詣でて涙を流す場面などは必見です。

ヘシオドス――仕事と日


人間がどうして労働をしなければならなくなったのか?その謎が神話の中で語られています。

ギリシャ神話によると、人間の歴史は四つの時代に分かれているそうです。黄金の時代、銀の時代、青銅の時代、鉄の時代です。その四つの時代について詳しく述べ、人間がだんだん神の恩寵を失って、自分の手で作物を作らなければならなくなったいきさつを述べます。キリスト教の「失楽園」みたいですね。

四つのギリシャ神話


アフロディテ、デメテル、ヘルメス、アポロン。四人の神々に寄せる美しい詩が書かれています。

ヘシオドス――神統記


神々の誕生について書かれた詩です。結構短いので、割と読みやすい一冊ですよ。

英雄が語るトロイア戦争


これはお勧めです!一風変わったトロイア戦争。トロイア戦争で死んでしまった若い英雄が現代(と言っても古代ですが)に幽霊になって出現。ブドウ畑のおじさんにテレパシーでトロイア戦争の顛末について語るというストーリー。なかなか面白いですよ。

他の本に載ってない、珍しいエピソードとしては、トロイア戦争で死んだ英雄たちが冥界でどんな暮らしをしているのか?という話です。アキレウスが冥界でヘレネといい仲になってるとか、かなりビックリです。

ヘレネー誘拐・トロイア落城


この本の見どころは、何と言ってもパリスがヘレネーを誘拐するときの口説き文句。どうやって、人妻のヘレネーをパリスが誘惑して連れ去ったのか?かなり詳しく書かれていますよ。

パリスが自慢の金髪の巻き毛が、風でバラバラにならないように気を付けてたとか……かれのチャラ男ぶりがあちこちに書いてあるのも面白いです。やっぱり、パリスはギリシャ神話一のろくでなしですね。真面目なヘクトルの弟とは、とても信じられません!

ちょっとマニアックな本

ここでは、ちょっと視点を変えたギリシャ神話を紹介します。

ギリシアの神々


ギリシャの神々の「悪」な一面に視点を当てて、大量の小話を紹介する一冊です。この本以外では読んだことのない話も結構あります。

花とギリシア神話


花や植物に変身した人間、妖精についてまとめた一冊です。ギリシャ神話には花に変身した人間がこんなに多いのか……と、驚きます。

西洋絵画の主題物語


ギリシャ神話の絵画に興味のある方、必読書です!神々ごとに、有名な絵画を多く紹介しています。簡単なストーリーも書いてあって、かなり親切ですよ。
【関連記事】
ケルト神話のお勧めの本!入門書からマニア向けまで
【北欧神話】北欧神話についての本!これを読めばマニアになれる!
完全保存版!トロイア戦争あらすじまとめ

出版した本

三国志の影 脇役たちの物語三国志の影 脇役たちの物語
劉備玄徳が登場し、彼が死ぬまでの間に活躍した、三国志の名脇役たちを集めたシリーズ、全10巻。第1巻は「劉備登場編」。劉備の故郷琢県(たくけん)に伝わる、「演義」とは全く異なる劉備の逸話。西遊記と劉備の共通点とは?――以来100年の治乱興亡のドラマが、ここから始まる。
山中鹿之介と十勇士より熱を込めて山中鹿之介と十勇士より熱を込めて
「我に七難八苦を与えたまえ」という名言で有名な、山中鹿之介。 本書では、「山中鹿之介の史実の人生」と、「鹿之介と十勇士たちの講談エピソード」をエッセイ調にまとめました。通勤時間に読める鹿之介入門書です!
平家物語より熱を込めて平家物語より熱を込めて
平家滅亡という、日本史を揺るがす大事件に巻き込まれた人々。平家物語に登場する、木曾義仲、文覚上人、平維盛、俊寛僧都など、一人一人の人物の人生を、ショートショートでまとめました。彼らの悲劇の人生を追いながら、平家物語全体のストーリーに迫ります。
曽我兄弟より熱を込めて曽我兄弟より熱を込めて
妖刀・膝丸の主としても注目の曽我十郎祐成・五郎時宗兄弟。 どんな困難にもめげず、父の仇討ちを果たして散った若き二人の物語が 講談調の語りと徹底した時代考証で鮮やかに蘇る! 鎌倉期の生活や文化に関する解説も満載の一冊。
忠臣蔵より熱を込めて忠臣蔵より熱を込めて
日本三大仇討ちの一つ、忠臣蔵。江戸時代に、主君浅野内匠頭【あさのたくみのかみ】の仇を討つために、四十七人の家臣たちが吉良上野介【きらこうずけのすけ】の屋敷に討ち入った、実際にあった大事件である。
あなたの星座の物語あなたの星座の物語
星占いで重要な、黄道十二星座。それぞれの星座にまつわる物語を詳しく紹介。有名なギリシャ神話から、メソポタミア、中国、ポリネシア、日本のアイヌ神話まで、世界中の星座の物語を集めました。