ギリシャ神話のお勧めの本!子供向けから専門書、マンガまで
ギリシャ神話の本は、ちょっと大きめの本屋に行けば色々ありますよね。数が多くて、どれが自分が読みたい本か分からない方もいると思います。
ここでは、神話オタクのわたしが厳選した本を、マンガから専門書まで紹介します!きっと、自分に合った本が見つかると思いますよ!
まずは入門書
ギリシャ神話はとにかく話が複雑……。分かりやすくあらすじだけでも知りたい人におすすめです。
マンガ・ギリシア神話
・全八巻
・著者 里中満智子
・中公文庫
里中満智子のマンガのギリシア神話です。神々の誕生からオデュッセウスの冒険まで、有名どころのギリシア神話のストーリーをすべて分かりやすく網羅しています。
- オリンポスの神々
- 至高神ゼウス(アポロンの恋、メドューサの悲劇なども)
- 冥界の王ハデス(オルフェウスの竪琴も)
- オイディプス王の悲劇
- 英雄ヘラクレスの冒険
- 激情のメディア
- トロイア戦争
- オデュッセウスの冒険
全八巻。一話、一話、分かりやすく短編なので、ごちゃごちゃしてないです。神話好きの人にはたまらない作品です!
ただし、少女漫画作家なので、男性には好き嫌いがあるかな……。ちょ~っとフェミニズムなところもあるし。
キンドルでタダで読みたい方はこちら。
ギリシア神話
・児童書
・ポプラ社
・著者 立原えりか
わたしが子供のころ、初めて読んだギリシア神話ですので、結構古いです。でも名作ですよ!まず、絵が美しい。子供向けの本ですが、文章がなかなかに高級なんだな、これが!
- オリンポスの神々
- ヒアキュントスの話
- パエトンの話
- エウロペの話
- パンドラの箱
- ミダス王の黄金
- イカロスの翼
- ペルセウスとアンドロメダ
- オルフェとユウデリケ
- ピグマリオンの話
など。子供にも分かりやすい、でもロマンあふれる小話ばかりです。
ギリシア神話
・児童書
・著者 石井桃子
・のら書店
ミッフィーやプーさんを日本語訳にした石井桃子が、小中学生のためにまとめたギリシア神話です。神々の物語の他に、小中学生向けにはなかなか載っていない、長い物語がたくさん!
- ヘラクレスの冒険
- アルゴー号の冒険
- トロイア戦争
- オデュッセウスの航海
一冊の中に、ほぼすべての神話の内容が凝縮されているのがすごいです!石井桃子の作品なので、言葉遣いも品がいいですよ。
詳しく知りたい人に!マニア編
簡単なあらすじを知った後、もっと詳しく知りたいという熱心な方。変態レベルも紹介します。
ギリシア神話
・「新装版 ギリシア神話」
・ノーブランド
・1994年
・著者 呉茂一
見た目が激しく高級な割に、結構読みやすいんですよ。呉茂一の熱意を感じる一冊です。写真や分かりやすい地図があるのも嬉しいです。
この作品が良い点は、「神々や人物の性格」がしっかりと書かれていること!普通、専門書だと、ただ事実をダラダラと書き連ねているだけですが、この作品は「ヘラクレスは呑兵衛で呑気で陽気で、しょっちゅう失敗を繰り返して……」という風に、人物を原寸大に、人間味あふれる姿で描いているのです。神話をよりイメージしやすいですね。
ただ、重たいので持ち歩きは不便ですね。
ギリシア文明史
・人文書院
・著者 アンドレボナール
全三巻のうち、一巻の最初にトロイア戦争が載ってます。トロイア戦争で活躍した、アキレウスやオデュッセウスについて長々と語られています。
歴史書――のはずなのですが、この作者はよっぽどトロイア戦争ファンだったらしく、かなり長々と、トロイア戦争を熱を込めて語ってます。アキレウス、ヘクトル、オデュッセウス、はてはアイアスにいたるまで、活躍した英雄の性格と働きを細々と綴ってます。特にアキレウスへの愛がすごい!どこまで書くんだ!ってくらい熱いです!
アキレウスファンの方にお勧めですよ。
トロイア戦争全史
・講談社学術文庫
・著者 松田治
・キンドルでも出てるぞ!
実は、日本にはトロイア戦争を最初から最後まで全部詳しく書いた本が他にないです。これは、唯一日本人が日本人のために書いた貴重なトロイア戦争物語です。しかも、かなり読みやすいですよ。
ギリシャ勢がトロイアへ着くまでに、間違えてミュシアを攻めてしまったとか、アキレウスが死んだときにブリセウスが語った台詞など、他の本ではなかなかお目にかからない場面が目白押し。トロイア戦争を最初から最後まで知りたい方は、ぜひご購入あれ。
キンドルでタダで読みたい方はこちら!
古典のままで読みたい人に!原作編
ここでは、古代の詩のままで書かれたものを紹介します。
イリアス
・岩波文庫(赤)
・上下巻
・著者 ホメロス
ご存知、ホメロスの一大叙事詩「イリアス」!トロイア戦争の話として有名ですが、ただし注意!戦争の途中(アキレウスがアガメムノンと大喧嘩してキレるところ)から始まって、アキレウスがヘクトルを倒し、その死骸をヘクトルの父親プリアモス王が引き取るところまでしか書かれていません。
読んでると、あれ⁈って感じでイキナリ終わっちゃいます。……たぶん、長年の内に失われちゃったんでしょう……。
アキレウスファンの方にお勧めですね。
翻訳が結構昔なので、人物の名前が今の訳と違っているところが多いです。ご注意あれ。
トロイア戦記
・講談社学術文庫
・著者 クイントゥス
イリアスと合わせて買いたい一冊です。アキレウスが殺されてしまうあたりから始まって、トロイア陥落までが書かれています。
見どころは、アキレウスの息子ネオプトレモスの活躍。映画でも小説でも、ネオプトレモスが出てくるものはほぼありませんね(里中満智子のマンガでは、けっこうショボい人物になってるのが残念です)。しかし、実はネオプトレモス、父親そっくりの二枚目。しかも強い。彼が父親の墓に詣でて涙を流す場面などは必見です。
ヘシオドス――仕事と日
・岩波文庫(赤)
・著者 ヘーシオドス
人間がどうして労働をしなければならなくなったのか?その謎が神話の中で語られています。
ギリシャ神話によると、人間の歴史は四つの時代に分かれているそうです。黄金の時代、銀の時代、青銅の時代、鉄の時代です。その四つの時代について詳しく述べ、人間がだんだん神の恩寵を失って、自分の手で作物を作らなければならなくなったいきさつを述べます。キリスト教の「失楽園」みたいですね。
四つのギリシャ神話 ホメーロス賛歌より
・岩波文庫(赤)
・逸身喜一郎、片山秀男 訳
アフロディテ、デメテル、ヘルメス、アポロン。四人の神々に寄せる美しい詩が書かれています。
おススメはヘルメスの詩!ガキのくせに、ヘルメスが頭良すぎなんですよ。見事にアポロンを手玉に取って、思いっきり詐欺をするんですね。読んでて楽しいです!
ヘシオドス――神統記
・岩波文庫(赤)
・ヘーシオドス
神々の誕生について書かれた詩です。結構短いので、割と読みやすい一冊ですよ。
英雄が語るトロイア戦争
・平凡社ライブラリー
・著者 ピロストラトス
これはお勧めです!一風変わったトロイア戦争。トロイア戦争で死んでしまった若い英雄が現代(と言っても古代ですが)に幽霊になって出現!ブドウ畑のおじさんにテレパシーでトロイア戦争の顛末について語るというストーリー。なかなか面白いですよ。
他の本に載ってない、珍しいエピソードとしては、トロイア戦争で死んだ英雄たちが冥界でどんな暮らしをしているのか?という話です。アキレウスが冥界でヘレネといい仲になってるとか、かなりビックリです。
ヘレネー誘拐・トロイア落城
・講談社学術文庫
・著者 コルートス
この本の見どころは、何と言ってもパリスがヘレネーを誘拐するときの口説き文句。どうやって、人妻のヘレネーをパリスが誘惑して連れ去ったのか?かなり詳しく書かれていますよ。
パリスが自慢の金髪の巻き毛が、風でバラバラにならないように気を付けてたとか……かれのチャラ男ぶりがあちこちに書いてあるのも面白いです。やっぱり、パリスはギリシャ神話一のろくでなしですね。真面目なヘクトルの弟とは、とても信じられません!
ちょっとマニアックな本
ここでは、ちょっと視点を変えたギリシャ神話を紹介します。
ギリシアの神々
・講談社文庫
・著者 曾野綾子
ギリシャの神々の「悪」な一面に視点を当てて、大量の小話を紹介する一冊です。この本以外では読んだことのない話も結構あります。
ギリシャ神話のダークサイドが好きな方はぜひおすすめ!
花とギリシア神話
・八坂書房
・著者 白幡節子
花や植物に変身した人間、妖精についてまとめた一冊です。ギリシャ神話には花に変身した人間がこんなに多いのか……と、驚きます。日本にはなかなかない感覚ですね!
西洋絵画の主題物語
・上下巻 1聖書編 2神話編
・著者 諸川直樹 利倉隆
ギリシャ神話の絵画に興味のある方、必読書です!神々ごとに、有名な絵画を多く紹介しています。簡単なストーリーも書いてあって、かなり親切ですよ。
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