神話ログ

曽我兄弟の本を出したよ!

前回、
三国志より熱を込めて:通勤時間に読める三国志Kindle版

あなたの星座の物語 Kindle版
という本をAmazonキンドルから出版しましたが、今回、また新たに本を書きました!

曽我兄弟より熱を込めて Kindle版

Amazonキンドルで現在発売されています!

曽我兄弟(そがきょうだい)とは?

「日本三大仇討ち」。一に富士、二に鷹の羽打ち返し、三に上野で花と散りける――という言葉がありますが、この「一に富士」が曽我兄弟の仇討ち。「二に鷹の羽打ち返し」が鍵屋又五郎の仇討ち。「三の上野」は皆さんご存知、四十七士のことです。

つまり「曽我兄弟」とは、日本一の富士山の麓で、派手に仇討ちをした兄弟のことなのです!

三大仇討ちの中では最も古い、鎌倉時代初期。源頼朝が鎌倉幕府を成立させた直後の大事件です。何と彼ら兄弟は、頼朝が富士の裾野に建てた狩りの陣屋の中で、頼朝の寵臣を惨殺。あまりにも衝撃的な事件だったので、歴史書の「吾妻鏡(あずまかがみ)」にも大きく取り上げられています。

彼らの人生は「曽我物語」という本に、室町時代にまとめられました。

(分かりにくいですが、これは曽我兄弟のお墓です。小田原にあります)

気になるその内容は

曽我兄弟の内容は、意外と単純。兄は曽我十郎、弟は五郎。もともとは名門武士の子です。彼らは兄が五歳、弟が三歳のときに、父を工藤祐経(くどうすけつね)という男に殺されます。父を失った家族は所領を失い、瞬く間に貧乏に……。

親戚の曽我家にもらわれっ子となった十郎、五郎。父なし子のみじめさ。武士なのにろくに馬さえもらえずに、悔し泣きする毎日で、彼らは「きっといつか二人で、父上の仇を取ろう」といじらしい覚悟を固めるのでした。

二人は波乱万丈の人生を歩みます。月夜の晩、二人肩を抱き合って泣く名場面。仇、工藤祐経の罠で、浜辺で首を斬られそうになる大事件。あろうことか五郎は箱根の寺に閉じこめられ、六年も兄弟は離れ離れに……。そして五郎が寺から逃げ出し、涙の再会を果たす二人。手を取り合って、仇、工藤祐経を追い続けます。

父が殺されてから苦節十八年。これでもかというほど、愛と涙と兄弟愛に彩られた十八年の末に、ついに十郎、五郎は富士の裾野に仇を追い詰めたのでした!

今は忘れられてしまった曽我兄弟!

曽我兄弟は「日本三大仇討ち」の一つでありながら、今はほとんど認知度ゼロに近いです。しかし!曽我物語は名著です。日本人が知らないのは惜しいです。戦前はメチャクチャ大人気で、大河ドラマにもなったほどだったのですが……。

こういう話は曽我兄弟に限ったことではないです。三大仇討ちのうちあと二つ、「鍵屋又五郎」も全然知られてないですし、かろうじてまだドラマになっている「四十七士」も、四十七士のメンバーを三人以上言える人はほとんどいないのではないでしょうか。(全員言えたら逆にアブナイですが)

このたび、わたしは小田原にある曽我兄弟の墓に行ってきたのですが――地元の人に「五郎の踏み石という史跡はどこですか」と尋ねて、「え~、知らない」と言われて大ショックでした。(根性で見つけました)

これです!完全に民家の敷地内にありました。

次は山中鹿之介だ

けっこうベラベラと綴りましたが、つまり、わたしが何を言いたいかと言うと、

「日本人なら知ってて当たり前のはずなのに、忘れられてる話が結構あるよ」

とゆーことなのです!曽我兄弟は、あの源頼朝も兄弟の熱い思いに涙を流したという、大変泣けるいい話です。この話を読んで泣かない奴は鬼です。ぜひ読んでね。

こういう忘れられた話を、今後も発掘して本にする予定です。現在「山中鹿之介」を書いてます。書き終わったらまたぜひ読んでね。
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