【北欧神話】小人(ドワーフ)は陰の名脇役!ブサイクだけど超天才

北欧神話に欠かせないキャラクター、小人たち!北欧神話の大筋は、「神々VS巨人」ですが、小人たちはこの神々と巨人の間をウロチョロウロチョロ……。大天才の彼らは、神々が巨人を倒すのに必須の最強兵器を作ったり、飲んだだけでスーパー詩人になれるという謎の飲み物を作ったりと、大活躍。見方によっては、「超天才の小人たちが作るアイテムを巡って、神々と巨人が振り回されまくり」とも考えられます。

では、そのスーパー小人たち、一体どんなキャラクターなのでしょうか?このページでは、小人たちの生態と真実の姿に迫ります!

小人ってこんな生き物だよ

小人の歴史は古く、最初の小人たちは原初の巨人ユミルが神々に殺されたとき、その死体に群がっていたウジ虫からできました。つまり、彼らがブサイクな格好をしているのは、ご先祖がウジ虫だからです。

ユミルの身体は大地となり、岩となったので、もともとユミルの身体にたかっていたウジ虫の彼らは、そのまま地下に住むようになりました。小人のおうちが地下にあるのは、こうしたわけなのです。一説によると、小人はお日様の光に当たると岩になってしまうそうです。

その姿は大変醜く、不格好です。頭でっかちで、腕は長くて膝まで届きます。長い顎髭を生やしていて、それが腹まで届くほど。男しかいないので、子孫は泥をこねて作ると言われています。

服装は鉱夫の格好でです。「白雪姫」にあるように、地下に住んでいる小人は地下を掘って、宝石や金をたくさん蓄えています。時々鉱山でうろうろしている小人を発見することがあるのですが、そんなとき、小人が消えてからそこを掘ってみると、莫大な財宝が埋まっていることがあるそうです。

小人が作ったレアアイテム6選!

小人はどいつもこいつも、素晴らしい細工師です。地下に住んでいる彼らは、宝石や金をたんまりと持っていて、それを使って腕輪や指輪や首飾りなどの宝飾品、それから魔法の道具を次から次へと作り出すことができます。北欧神話に出てくるレアアイテムは、すべて小人たちが作り出したものです。

  1. 金の船スキーズブラズニル
  2. 折り畳み式の金の船です。普段は折り紙みたいにたたんで、ポケットに入れておくことができます。でも、広げると何百人でも乗れるくらいビックサイズになるのです。

    この船が登場する、ロマンチックな児童文学があります。これはお勧め!イギリスの四人の兄弟が、偶然この船を手に入れて、世界中あちこちに旅行するというファンタジーです。神々も登場しますよ。

    気になる方はこちら!

  3. 槍グングニル
  4. 投げたら百発百中! という槍。オーディンが持ってるよ。

  5. シヴの髪
  6. 当たり前だけどシヴが持ってる。

    あるとき、いたずら者のロキがシヴ(トールの奥さん)の髪を全部そり落としてしまったという事件がありました。大泣きのシヴ……。トールが「元通りにしないと貴様を絞め殺すぞ!」と脅したので、ロキが小人に頼んでカツラを作ったのです。

    でも、このカツラはアデランスとは違います!頭に乗せただけで、本物の髪の毛とおんなじになって、ちゃんと頭髪になって伸びるんですね~。すごいでしょ?

  7. 腕輪ドラウプニル
  8. 見た目はフツーの金の腕輪なのですが、性能が違います。九夜ごとにおんなじ重さの金の腕輪をボトボトと産み落とすとゆー優れもの。ほっとくだけで、銀行の利息よりすごいスピードで財産を増やしてくれるという夢のアイテムです。

    この腕輪は、オーディンの息子バルドルが死んじゃった時に埋葬品になりました。

  9. 豚グッリンブルスティ
  10. 金の毛が生えてる豚で、空でも海でも、もの凄いスピードで走れるというもの。でも……馬なら便利だけど、豚って役に立つのかな?それとも昔の豚はソリでも引いたんでしょうか?ここがイマイチ分からないとこです。

  11. ハンマー、ミョルニル
  12. これは北欧神話好きには有名ですね!トールの物になったハンマーです!ぶん投げると百発百中で敵の頭を打ち砕き、自動的にピューンとトールの手に戻ってくるという、まるでラジコンみたいな優れもの。

    でもこのハンマー、一つ欠点が……。これを小人が作っている時、ロキが邪魔したので柄の部分が短くなったんだそうです。でもトールは細かいことは気にしないタチだったのでOKでした。

これらのアイテムを作ったのは、ブロック、エイトリ、ドヴェルグという三人の小人兄弟。ロキがうまいこと言ってこの三人に作らせました。

有名人小人2選

普段は名脇役って感じの小人ですが、中には主役級の超有名人小人がいます。

アンドヴァリ

あるとき、オーディンとロキとヘーニルが、お腹がすいたのでカワウソを捕まえて食べました。……でもこのカワウソ、実はフレイズマルという農夫の息子が変身していた姿だったのです。

「よくも息子を殺したな!賠償金を払え!」

とゆーことになって、オーディンとヘーニルはぐるぐる巻き。ロキが慌てて旅に出て、賠償金を集めることになりました。

でも、ロキは真面目にお金を集めたりなんかしません。アンドヴァリという小人を締め上げて、「お前の持ってる金を全部よこせ!」と脅かします。泣きの涙で金を積み上げるアンドヴァリ。「こんくらいでいいだろう」と聞きますが、ロキは「お前がはめている指輪も寄こせ」と容赦ありません。

ブチ切れたアンドヴァリ、「この指輪を持つものに災いあれ!」と呪いをかけました。こーして、アンドヴァリの黄金の指輪は呪いの指輪になって、その所有者に次々に災いをもたらすことになったのです。

この指輪エピソードを元にしたのが、ご存知「指輪物語」です。

アルベリヒ

これはワーグナーのオペラ「ニーベルングの指輪」に出てくる小人です。

世にも醜い姿のアルベリヒ。彼は「自分は醜いから誰にも愛されない。もう愛に期待することはやめよう。俺は権力を手に握る」と悲壮な決意をし、「ラインの黄金」を手に入れます。

この黄金を手に入れて、その黄金から指輪を作り出したものは、絶大な権力を手にすることができるのです。しかし、指輪を作り出した瞬間、神々の王ヴォータンが横から分捕ってしまいます。

絶望のどん底のアルベリヒ、ヴォータンが指にはめた指輪を差して、「その指輪を作ったのは俺だ!だから俺は指輪に呪いをかける。指輪よ、所有者に死をもたらせ。持つものは心痛と人殺しの手にかかれ。持たぬ者は嫉妬に狂え!」と、恐ろしい呪いをかけたのでした。

まとめ

北欧神話にかかせない存在の小人たち。すごいアイテムを次々作って、それが争いのネタとなり、神々と巨人の間で壮絶なバトルが生まれます。

最後のラグナロクではアッサリ全滅してしまう彼らですが、彼らの存在は「絶対ないと困るスパイス」って感じですね。

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