【北欧神話】素朴な疑問……ルーン文字って何なの?

2019年5月7日

北欧神話の中に「これでもかっ」てほど出てくるルーン文字!神秘と魔術に満ちた古代文字で、19世紀にはミステリーやファンタジーの小説でも活躍。

ところでこのルーン文字って、一体どんな文字でどんな使われ方をしていたのでしょうか?素朴な疑問にお答えします!

ルーン文字を作ったのはオーディン

ルーン文字は神々の王オーディンが作った(正確には手に入れた)文字です。

この世のあらゆる知恵を手に入れたいと望んだオーディン。何と自分自身をいけにえにして、世界樹ユグドラシルに首吊りします。(でも神様だから死にません)槍に刺し貫かれ、9夜にわたって吊られていました。

このときの様子は、オーディン自身が歌った歌によると

「わしは吹きすさぶその樹にかかっていた。9夜の長きにわたり、そこにかかっていた。わしは槍に刺し貫かれ、オーディンへの、すなわちわし自身へのいけにえであった。

その太古の樹の根をかつて誰も知らず、これからも知ることはないだろう。

(略)わしは世界を眼下に眺めて、ルーン文字をつかんだ。泣き叫びつつわしはつかんだ。それから地面に落ちて戻ったのだ」

つまり、ルーン文字とはもともと世界の不思議な次元に存在し、主神オーディンが苦しみつつつかみ取った。という文字なのです。

ルーン文字を手に入れたオーディンは、この文字により賢くなり、ありとあらゆるまじないを自在に操るようになります。このあたり、日本人の感覚ではびっくりですね。

「神々」が魔力を持っていてまじないを使うのではなく、「ルーン文字」が魔力を持っているということ。神々はルーン文字の使い方を知っていて、そのおかげでまじないを使えるのです。

人間にルーン文字を教えたのはヘイムダル

エッダの「リーグの歌」によれば、人間にルーン文字を教えたのはヘイムダルです。

ヘイムダルは千里眼を持ち、草の伸びる音、羊の毛が伸びる音も聞くことのできる耳を持った神。いつもは神々の国アースガルドから、人間の国ミッドガルドの間にかかっている虹の橋、ビフロストに座って見張り番をしています。

ある日あるとき、ヘイムダルは人間界を旅行。その際、ファジルとモージルという夫婦の家に宿泊しました。ヘイムダルは口がうまいので、夫婦が寝ているダブルベッドに堂々と侵入。しかも中央を陣取って快適な睡眠を手に入れます。これをなんと三日の間続け、感謝の言葉を残して去ったのでした。

ファジルとモージルの間には、その後ヤルルという少年が誕生。ヤルルが大きくなった時、突如ヘイムダルが出現。ヤルルにルーン文字を伝授して、「お前はわたしの息子なのだ。お前は偉大な王になるぞ」と予言してドロンしたのでした。

この話からすると、ルーン文字を知っていれば人間でも魔法を使うことができたことが分かりますね。

ルーン文字の使い方

ルーン文字は骨とか木の破片、葉っぱ、墓石などに刻んで使われていました。「スキールニルの旅」では、スキールニルがゲルドという女巨人に呪いをかけるために、杖にルーン文字を刻んだシーンが描かれています。

ルーン文字は強力な効力がありますが、もちろん取り消すこともできました。スキールニルは「呪いを取り消したかったら削ってなしにすることもできるよ」と言っています。杖に刻んだルーンをナイフなどで削り取れば、なかったことにできたようです。

ルーンを使った魔法で多く用いられていたのは、「妊婦を助けるための安産のルーン」「荒れている海を静かにするルーン」「ケガや病気を治すルーン」などがあったようです。

ルーン文字が出てくる小説、マンガ

有名どころの小説では、「地底探検」ですね。19世紀のSF作家ジュール・ヴェルヌの傑作です。

ドイツの変人学者オットーさんは、ある日古書店で見つけた羊皮紙の本に、ルーン文字で書かれた暗号を発見!それによると、アイスランドのスネッフェル山の火口をどんどん降りていけば、地球の中心にたどり着くことができると判明したのです。これを知った教授は狂喜乱舞。全然やる気のない助手アクセルを連れて、ルンルン気分で冒険の旅に出るのでした。

映画もあります。こっちのほうが面白いかもしれないです。

わたしとしては、超おすすめはマンガの方ですね。このサイトで何度も紹介している「緋色の剣」。なんと!あのロキが麗しい女性姿でルーンの魔法を使っているシーンが見られるのですよ。「眠りのルーン」という魔法で、ルーン文字を書いた葉っぱを身に着けさせると、たちどころに相手は眠ってしまうのです。調べたところ、本当にこの方法はあったようで、ルーン文字も正確でしたよ。作者の本気度が分かる場面でしたね。

6巻にその気になるシーンがあります

でも正しいマニアは全巻読んでね。