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【日本神話】即位式でテレビに映るかも?!三種の神器について!

こんにちは!メルクリウスです。

天皇陛下が最後に伊勢神宮を参拝され、その際、三種の神器の「剣」と「勾玉」を移動させられました!

この三種の神器、歴代天皇が継承する、わが国の最も大切な宝物です。「草薙剣(クサナギノツルギ)」「八尺の勾玉(ヤサカノマガタマ)」「八咫鏡(ヤタノカガミ)」。来る5月1日、新天皇が即位されるとき、この三種の神器が新天皇に継承されることになります。

神代の時代から、営々と伝えられてきた三種の神器。今回はこの宝物がどのようなものであるのかご説明いたします!

三種の神器はアマテラスがニニギに贈ったもの

三種の神器はなぜ大切なものなのか?

その答えは実に簡単。最高神アマテラスが「大事にしろ」と言って、天皇のご先祖ニニギにプレゼントしたものだからです。神様が「大事にしろ」と言ったのだから、大事にしなければなりません。

ニニギはアマテラスの孫にあたる人物。アマテラスは地上世界の「葦原の中つ国」を、自分の血筋のものに支配させたいと考え、ニニギを地上に派遣しました。これを「天孫降臨(てんそんこうりん)」と言います。

天上世界から地上に降り立つ際、「何かハクのつくものを持たせなければ」と考えたアマテラス。三種の神器をニニギに持たせ、「これを大事にして祀りなさい」と助言。以来、歴代天皇に三種の神器が受け継がれることになったのでした。

草薙剣ストーリー

三種の神器の中で最も人気の高い、草薙剣(くさなぎのつるぎ)!

この剣は、その昔アマテラスの弟スサノオがゲットしたもの。スサノオが地上世界をさまよっていた時、一人の美女が泣いている場面に遭遇。話を聞くと、ヤマタノオロチという化け物がその土地を苦しめていて、今晩彼女がいけにえにされるとのこと。スサノオはヤマタノオロチを見事退治し、彼女を救って奥さんにしたのでした。

その際、オロチのしっぽから出てきたのがこの剣。スサノオは「天の叢雲の剣(あめのむらくものつるぎ)」と名付けて姉のアマテラスにプレゼント。それを、アマテラスがニニギにまたプレゼントしたのでした。

「天の叢雲の剣」が「草薙剣」に名前が変わったのは、時代が下ってヤマトタケルがこの剣を手に入れたときから。

戦いに次ぐ戦いに身を投じていた英雄、ヤマトタケル。おばさんの巫女からこの剣をプレゼントされます。ある時一面の草原で敵に襲われたとき、草をこの剣で薙(な)ぎ払って命を取り留めたのでした。この時から、「草薙剣」と呼ばれるようになったのです。

草薙剣は、現在熱田神宮に保管されています。が、実は今あるのはレプリカ。壇ノ浦の戦いで平氏が負けたとき、平氏側の安徳天皇が剣を抱えたまま入水自殺をしたため、本物は失われてしまったのです……。

八尺の勾玉と八咫鏡ストーリー

八尺の勾玉と、八咫鏡は一緒に作られたアイテムです。

最高神アマテラスは、弟のスサノオが乱暴者で、アマテラスの可愛い部下を悪ふざけで死なせてしまったことを大いに嘆き、「もうやってられないわ」と天の岩戸(あまのいわと。洞窟のこと)に隠れて巨大な岩で入り口をふさいでしまいました。

アマテラスは太陽の神ですから、彼女が隠れたことで世界は真っ暗に。天変地異が相次ぎ、神々は大混乱。「何とかアマテラスを取り戻さなければ」と、神々は思慮の神オモイカネに相談します。

そこで神々がとった行動は、「天の岩戸の前でどんちゃん騒ぎをし、アマテラスをおびき寄せる」という作戦。彼らは勾玉と鏡を飾った木の枝を用意し、踊りの上手な女神アマノウズメを躍らせて大いに騒ぎ、つい岩をずらしてのぞき見したアマテラスを洞窟から引っ張り出したのでした。

この時作られた勾玉と鏡が、「八尺の勾玉」と「八咫鏡」なのです。

勾玉は現在皇居に、鏡は伊勢神宮に祀られています。鏡はアマテラスが「これをわたし自身だと思って祀りなさい」とニニギに言ったので、アマテラスを祀っている伊勢神宮にあるのです。

シルクロード全域にある!三種の神器神話

ところで、「三種の神器」という神話があるのは日本だけではありません。「神様がくれた三つのレアアイテム」というストーリーは、一体どこで産まれたのか分からないほど古い神話で、ユーラシア大陸のあちこちに伝わっているのです。

ここでは、今は滅びた中央アジアの遊牧民スキタイ人の神話を紹介。

あるところに三人の兄弟がいて、その兄弟のところに、ある日天の神がまぶしい黄金の宝物を贈ります。牛につける農具の「すき」、戦いに使う「斧」、もう一つは「盃」でした。二人の兄がこの宝物を触ろうとすると、宝物は激しく燃え上がって、手をふれることもできません。しかし、末の弟が手をのばすと火はたちまち消えて、弟はたやすく宝物を手に入れたのでした。

この弟がスキタイ人の王となり、代々この宝物は王に継承されることになったのです。

「三つの宝」も日本と同じですし、宝の内容もよく似ています。「すき」は農耕を、「斧」は「武力」を、「盃」は宗教を表しています。(スキタイ人は儀式で盃にハオマという飲み物を注いで、神にささげていました)

日本の神器も同じ。「勾玉」は「ミクラタナ」という名の神であり、「タナ」は古代の言葉で稲のこと。つまり農耕を表しています。「剣」は武力を、「鏡」は宗教を表しているのです。

農耕、武力、宗教。この三つは古代において社会を支える最も大事な柱だったのでしょう。

「三種の神器」ストーリーは、スキタイ人だけでなくシルクロードを伝わって多くの民族に語り継がれています。しかし、今なお宝物が保管され、代々継承されているのは日本だけです。

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