【日本神話】最初の天皇、神武天皇ってどんな人?

2019年5月7日

日本の歴史が始まってから、126人目の天皇がついに即位されます!

天皇家とは、最高神アマテラスの孫ニニギノミコトが地上世界に降り立ち(これを天孫降臨と言います)、そのニニギの孫の孫イワレビコノミコトが初代天皇として即位したことから始まります。

つまり、天皇家とは「アマテラスの直系」なのですね。

では、最初の天皇イワレビコノミコト(神武天皇)とはどんな人物だったのでしょうか?このページでは、知られざるイワレビコの人生を簡単にご紹介します!

戦いに明け暮れた人生!イワレビコの東征

高天原(天上世界)から地上世界に降りたニニギ。降りた場所は現在の九州、高千穂(山)と言われています。

つまり、天皇家の祖先は九州に降り立って、そこに宮殿を建てて暮らしていたのです。

しかし、東の方。今の山陰や近畿のあたりは、まだニニギ一族にとって暗黒大陸。わけのわからない「荒ぶる神々」が住んでいる異国だったのです。

イワレビコ(のちの神武天皇)は四人兄弟の末子だったのですが、兄弟の中では一番やり手だったらしく、兄たちに「天下統一を目指そう!東の国を治めに行くぞ」と檄を飛ばし、軍を率いてはるばる旅立ったのでした。神話時代の信長的存在と思ってくれれば分かりやすいかと。

長い年月をかけ、苦難の連続。ついに近畿地方まで来たとき、長男のイツセが土地の豪族に矢を射られて負傷。傷は膿んでとうとう帰らぬ人に……。

このイツセの死により、イワレビコが遠征軍のリーダーとなったのです。

ヤタガラスの導き!ピンチをくぐりぬけたイワレビコ

近畿地方の南へ進み、現在の熊野古道のあたりまでやって来たイワレビコ。そこでいきなり熊の亡霊みたいなのが出現。熊は一瞬現れたかと思うと、すぐにかき消すようにいなくなりました。

おそらく、この熊ゾンビはその土地の悪い神だったと思われます。たちまちイワレビコ一行は病に倒れてしまったのでした。

でも神々の子孫であるイワレビコ。ピンチの時には神々のご加護があります!カミムスビの神(時々出てくる超エライ神)がタカクラジという神を遣わし、タカクラジは十拳剣(とつかのつるぎ)というスーパーアイテムをぶん回して、病の気をすっかり払ってくれます。

さらに続くカミムスビのヘルプ。「この土地は悪い神々がうようよしているから、道案内にヤタガラス(八咫烏)を送ろう」

ヤタガラスとは、足が三本あるカラスのこと。太陽のお使いです。ヤタガラスは「こっちですよ」と先に立って安全な道を案内します。イワレビコは先々で熊野の先住民族たちを従属させ、その支配を広げていくのでした。

このヤタガラス、皆さん一度は見たことがあると思います。サッカー日本代表のエンブレムになっています。

イワレビコ即位!嫁探し

その後いろいろあるのですが、けっこうごちゃごちゃしているのですっ飛ばし。土ぐもを退治したり、ニギハヤヒという神がいきなり「手下にしてくれ」と帰順してきたり、(古代史で有名、物部氏のご先祖)人生いろいろです。

このようにして、イワレビコは各地を征服してついにヤマトを平定。現在の奈良県南部に宮殿を建て、天皇に即位したのでした!

ところで、天皇になったら正妃を決めなければなりません。この話はわりとロマンチック。ある日、三輪の狭井(さい)川にやって来たイワレビコ。百合の咲き乱れる野で遊ぶ美少女イスケヨリヒメと出会います。イワレビコが彼女に恋歌を贈ると、姫は「お仕えします」という歌を返してきます。

めでたく結婚したイワレビコとイスケヨリヒメ。この二人が、現天皇家の始まりなのです。

もう一つ、このイスケヨリヒメはスサノオの子孫です。スサノオは乱暴者だったために、アマテラスに高天原を追放された、アマテラスの末の弟。

アマテラスの直系のイワレビコと、スサノオの子孫イスケヨリヒメ。この二人の結婚は、アマテラスとスサノオ、二つに分かれた神の系統が、再び一つになったことでもあるのです。

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