これからの自費出版はPOD出版がおすすめ。相場と出せる賞を紹介。
こんにちは、坂口螢火です!マイナーなジャンルの歴史本ばっかり書いてる変わり者です。
ところで、本を書いてる方なら、必ず一度は
「自費出版で出そうかな……でも高いしムリだよな」
という悩みを抱えたことがあると思います。
このページでは、「劇的に安く出版する方法」と、あまり知られてない「自費出版でも出せる賞」を紹介します!
一般的な自費出版はべらぼうに高い!
出版するにあたってフツーに出す方法としては、だいたい三つの方法があります。
・文学賞をとって華々しくデビュー!
・持ち込みとかして商業出版で出す。
・自費出版
まあ、このあたりですよね。
どの著者でも一番理想的なのは、文学賞と持ち込みによる商業出版。やっぱり王道の方法でデビューしたい!というのが夢ですよね。
ただ、それが叶わない現実も……。
文学賞はほぼ小説しか扱ってないので、それ以外のジャンルを書いてると見向きもしてくれない(T_T)
持ち込みは、今ほとんどの出版社がお断りしてる。しかも、マイナーなジャンルだと断られる……。
なので、文学賞と持ち込みにフラれた著者は、自費出版かキンドル本を出すかに流れるしかないワケです。が!ここで大問題が!
自費出版は高い!
だいたい3百万はかかります。しかも、オプションとか言って宣伝費を著者から搾り取ろうと、あの手この手で勧誘してきます。
その上、どんなに断っても著者が自分の本を百冊は買わなきゃいけないシステムを押し付けてきます。(この百冊を全部なくすのは至難の業です)
何よりヤバいのは印税。初版の千冊は印税ゼロという出版社はザラです。重版になったらはじめて5パーセントだけ印税を出すとか。
出版社は完全に、自費出版に頼らなきゃならない著者の足元を見てるのです!こんなのに引っかかっちゃ駄目ですよ!
POD出版なら安く出せる!
じゃあ、自費出版は諦めるしかないのか……と思うでしょうが、最近はそうじゃありません!
POD出版という方法が徐々に広がりつつあります。
POD出版とは、キンドルみたいに「注文が入ったらその場でパパッと印刷。買い手に届ける」というシステム。
従来の出版は、最初に千部とか一万部とか印刷しなきゃならないので、初期費用がバカみたいにかかるのですが、POD出版なら電子データだけ作って、注文が入った分だけ印刷するのですから、費用が安く上がるというわけです。
イメージとしては、アマゾンのペーパーバック版が近いです。
以下、メリットとデメリットを紹介します。
とにかく費用が安い
一般的な自費出版だと3百万(電子書籍だけでも50万)かかりますが、POD出版なら平均して15~16万です。
ぶっちゃけ15万でも大金ですから、
「キンドルでタダで出版した方がいいんじゃ……」
と思ってしまいますが、編集、校正、組版(デザイン)をしっかりやりたいと考えると、キンドルでもお金がかかります。特に編集は、フリーの編集者をさがして依頼すると、軽~く10万から20万は吹っ飛びます。そのうえで校正も頼む……となると、想定外の出費になってしまいますね。
編集や校正をやるやらないでは、売り上げにダイレクトに響きます。趣味だけで出すならバカげた出費ですが、「たくさんの人に買ってもらいたい」という思いがあるなら、できるだけやった方がいいです。
POD出版の15万~16万は、編集、校正、組版、流通まで全部込みです。これが高額と思うかどうかは、これはもう著者がどんな本を出したいか次第ですね。
ちゃんと編集と校正、組版をやってもらえる
キンドルで自分一人の力で本を仕上げていると、必ずどこかにミスがあります。
誤字脱字レベルだったらまだいいですが、やっぱり読み慣れてるプロのアドバイスをもらう、もらわないでは、作品の出来が全然違います。
それに、地味に大きいのは組版ですね。組版とはプロのデザイナーが、文字の大きさや行間、余白、図の配置を手掛けてくれることですが、素人が一人で作った本は、本を開いた瞬間に
「あ、この仕上がりはなんか素人臭いな……」
って、一発バレしてしまいます。こればっかりはプロには絶対かないません!
出版社によってはカバーも付けられる
キンドルのペーパーバックはカバーがついていなくて、
「なんか安っぽい……」
という印象を否めません。それに、表紙がボロボロになるスピードが速いし……。賞味期限があるビジネス書とかだったらカバーがついてなくてもいいかもしれないですけどね。
でも、出版社を通してPOD出版すると、カバーをつけることが可能です(出版社によります。カバー付けないところもあります)!その見た目は、書店で並んでるソフトカバーの本と全然変わりないです。
ただ、帯までつけるところは、わたしが知る限りないです。
ほとんどのオンライン書店で売ってもらえる
amazonだけでなく、楽天、ジュンク堂、三省堂など、主要なオンライン書店で扱ってもらえます。
POD出版の印税は、10~18パーセントくらい。
売れた数だけ印税を払ってもらえるシステムなので、一般的な自費出版より断然いいですね。
本屋に並ぶことはない
さて、もちろん悪い面もあります。一番はこれですね。本屋に平積みされることはないです。
なので、店を歩いている人が目をつけて買う……という「たまたま買い」はないです!
これは著者としては寂しいかも……。
大長編は向かない
大長編は厳しいです。
「注文が入るごとに印刷」
なので、まとめて千部とか一万部とか大量に刷るよりも、印刷代が高いのです。そのため、販売価格が通常より高くなります。
だいたい十万字くらいまでだったらフツーの本くらいの価格で出せますが、それ以上となると一ページごとに値段が上がり、著者が払うお金も増えていく……ということになります。
たま~にヒドイところがある
これは引っかからないでくださいよ!
わたしは引っかかりました。たまたま5万円で出せるところを見つけて「やったー!」と喜んでいたのですが、
「編集はないが校正はあり」
という約束だったのに、校正はパソコンの校正機能でちょこっといじっただけ。表紙はイラストACから引っ張って来た無料画像を押し付けてくるというサイテーな出版社でした。
やっぱり、安すぎるところには罠があります。出版社は選ぶべきです!
↓ここはなかなか評判のいいところです。カバーはつきませんが、費用の計算もちゃんとしてるし、シリーズものを出す相談にも乗ってくれますよ。
実は自費出版でも出せる賞がある!
自費出版の本を出せる賞があるって知ってましたか?
日本自費出版文化賞
これはチャレンジするべきです!それに郷土史、人物伝、自分史、小説、童話、エッセー、評伝、果ては画集から詩集、写真集、絵本まで、ありとあらゆるジャンルを集めてるんですよ!
あと、この賞の美味しいポイントは、賞に参加しなくても、「自費出版書籍データ」に自分の作品を登録できる!ということです。自分の作品を文化的な財産として半永久的に保存できるということですね♪
日本自費出版文化賞について知りたい方はこちら。
毎日出版文化賞
毎日新聞社が行ってる賞です。
・文学、芸術部門
・人文、社会部門(歴史とかノンフィクション)
・自然科学部門
・企画部門(全集、書評など)
の、四部門があります。これもジャンルが広くてうれしいですね(^-^)
ただし難しすぎてフツーの人は読めないようなものは対象外です。
賞金が高いのも魅力!100万円です。ふるって挑戦しましょう!
が、一つ注意!「○○年から××年までの12か月以内に初版が出版されたもの」という制限がありますから、それを過ぎると応募できなくなっちゃいます。注意してくださいね!
詳しく知りたい方はこちら。
まとめ
いや~、自費出版も昨今はいろいろありますね。宮沢賢治の時代はロクなのがなくって、タイトルすら写植ミスをやられたっていうのとは大違いです!
出版社も選択できるし、賞に出すこともできます。夢が広がりますね!