神話ログ

ギリシャ神話の香水、新発売!

ギリシャ神話をモチーフにした新しいフレグランスが誕生しました!

コロラド州ボルダーに住むパフューマー、ダウン・M・スペンサー・ヒュウィッツ氏と「香りスタイリスト」の肩書きを持つディレクター、杏喜子氏によるボタニカルフレグランスブランドDAWN Perfume(ダウンパフューム)から、新しいオードパルファム“Syrinx(シュリンクス)”が誕生。2019年4月25日(木)より発売中。

“シュリンクス”は、ロマンティックで希望に満ちた香り。ライラックや沈丁花、シーウィードや月桂樹など、こだわりのボタニカルエッセンスをブレンド。

「ギリシャの小島における、深い森に咲く野生の花々のアロマと、地中海から運ばれる潮風のコントラストが、“幸福の原風景”を表現し、深い沈静をもたらしてくれる」そうです。(よく分かりませんが)
オードパルファム Syrinx
容量|30mL
価格|1万500円(税抜)

シュリンクスって誰?

この香水の主人公シュリンクス。日本にはあまり縁のないキャラクターですね。「シュリンクス」と言われて即、誰だか分かる人は変態レベルの称号を得られるでしょう。

シュリンクスとはギリシャ神話のマイナーキャラクター。葦の揺れる水辺に戯れる、美しい妖精の乙女でした。

あるとき、この美しい妖精に恋をしたのがパーンという怪物。

パーンは神様のヘルメスの息子で、決して悪い怪物ではないのですが、顔はひげもじゃで角が生え、腰から下は羊という滑稽な姿をしていました。普段のパーンは、藪からいきなり「わあっ」と飛び出して通行人を脅かすのを喜んでいます。(パニックの語源です)いたって善良な怪物なのです。

根は悪者ではないパーン。しかし、道化のような自分を、妖精が相手にしてくれるとは到底思えませんでした。

あきらめきれない彼はシュリンクスを必死に説得。しかし、全然その気がないシュリンクスは怯えて逃げ出します。逃げる様がまた美しい。黄金の髪が葦の間になびき、額から散る汗と足が蹴る水しぶきが、真珠となって光るのでした。

しかし、妖精の足より羊の足のほうが力強かったのです。とうとうパーンの手がシュリンクスの肩にかかりました。と、突如乙女の姿が葦に変身。怪物の餌食になることを恐れたシュリンクスは、己の姿を変えてしまったのです。

パーンは失った恋と自分の罪に泣き明かし、それでもついにあきらめきれず、シュリンクスの葦で葦笛を作ります。(これではシュリンクスは死んでしまうのでは?という突っ込みは禁止のこと)そして、悲恋を音楽に託して吹き続けるのでした。

シュリンクスを題材にしたマンガ

このシュリンクスをモチーフにした作品があります。

巨匠山岸涼子の若き日の作品。タイトルも分かりやすく「シュリンクス・パーン」。これはなかなかオシャレな作品ですよ。

若手の小説家の青年オシアンが、ある日変人のおじさんの遺産を相続。古い家を受け継ぎます。しかし、その遺書には「この家に住む者はパーンを一匹飼うこと」と書いてあったのです。

疑問に思いつつ、かの家に暮らし始めたオシアン。数日後、浮浪者風の少年「パーン」に出会ったのです……。(つづきは内緒)

絵も美しいですし、ハッピーエンドでとても幸福な気分になれる作品ですよ。おすすめです!