【アーサー王あらすじ】マーリン初登場!アーサー誕生の予言とストーンヘンジ製作
伝説の王アーサーの相談役、多分世界で一番有名な魔法使いマーリン!
この人は、アーサー誕生の前から活躍しまくってます。なんと、世界遺産ストーンヘンジを作ったのもマーリン!
ここでは、アーサー誕生前のマーリン大活躍のお話を紹介します。
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ボーディガン王、慌てて城を作ろうとする
長いことブリテンを治めていたのはコンスタンティンという王様でしたが、ボーディガンという悪人が王を裏切ってロンドンを征服。自分が王様になってました。
コンスタンティンの二人の息子、アンブロシアスとユーサーは泣く泣く追放の身に……。
ですが、いつまでも追放されてる兄弟じゃありません!怒り心頭の兄弟は、力を合わせて軍勢をゲット。凄まじい勢いでロンドンへ押し寄せてきました!
「ヤバい!このままじゃ殺されちゃうかも。すぐに難攻不落の塔を作れ!俺はそこに引きこもって生き延びる!」
と、ボーディガンは大工たちに厳命して引きこもり宣言。
大工たちは慌てて塔を建てようとしたのですが……どうしたことか、何度建てても、夜になったとたん、塔は崩れてしまうのです。
「王様!これじゃ塔が建てられないニャー」
と、大工たちは半泣き。引きこもり場所ができないボーディガンはもっと半泣き。
すぐさま占星術師たちを集めて占わせると、
「人間じゃない父親を持ってる子供の血を地面に塗れば、塔は建てられるよ!」
とのこと。すぐさま家来たちを遣わして、そういう子供を捜させたのでした。
マーリン発見!しょっぱなから不思議ちゃんのマーリン
さて、王命を受けてヘンな子供を捜しに出かけた家来A(仮)。あるところで数人のガキからいじめを受けてる子供を発見。ガキたちはその子に向かって、
「ヤーイ、ヤーイ。お前の父親は悪魔だろ!」
と叫んでました。
実は、このイジメを受けてる子供こそ、後の大魔法使いマーリン!
ガキどもが言っていた通り、マーリンの父親は人間じゃありません。マーリンの母親は人間(ウェールズ南西部の小国ダヴェドの王女とも)でしたが、夢魔に襲われてマーリンを産んだのです。
この夢魔(インキュバス)は、人間が夜眠っているときに現れて悪夢を見せ、その夢の中に現れて性交を行うという、エロい怪物。つまり、マーリンは半分悪魔だったので、予言や魔法の力を持っていたんですね。
さて、家来Aは目当ての子供を見つけたので、喜び勇んで王様の元へ引っ立てていきます!
が、さすがは後の大魔法使いマーリン、タダもんじゃありません。首を斬られるところなのに全く動じず、
「王様、この占星術師は嘘をついてるのです。塔が崩れる原因がわからないものですから、わたしの血を塗れば解決するなんていい加減なことを言ってるんですよ。わたしは原因を知っています。これから見せてあげましょう!」
マーリン、白竜と紅龍の戦いを見せる。超不吉な予言をする
マーリンの言葉に仰天したボーディガン王。マーリンが
「塔を建てているところの地面を掘ってごらんなさい。そこには大きな池がありますから」
と言われたので、家来に命じて彫らせると、果たして!
そこには巨大な地底湖があって、白竜と紅龍が凄まじい勢いで戦いまくってるじゃありませんか!
二匹の竜は最初五分五分でしたが、そのうち赤い竜が負けて、すたこらと逃げていきました。
「なるほど、マーリン。あの竜がズンドコズンドコ戦ってたから、地面が揺れて塔が倒れたんだな?しかし、あの二匹の竜は何だったんだね?」
すると、マーリンはバカ正直に超絶不吉な予言をします。
「あれは王様が破滅するのを意味してるんですよ。王様は王座を奪うために、異民族のサクソン人をブリテンに入れたでしょ?白竜はサクソン人のことです。もうすぐ王様は死ぬし、ブリテンはサクソンにやられてムチャクチャになります。
でも、その後コーンウォールのイノシシ(アーサー王のこと)が現れて、サクソン人は追い出されます。コーンウォールのイノシシは大勝利を収めてブリテンを統一。後の世まで称えられるでしょう」
これが、アーサー王誕生の一番最初の予言でした。
ボーディガン王、焼き討ちで殺される
「王様は死にます」なんて最悪の予言を受けたボーディガン王、
「そんな~!何とか助かんないの⁈」
とマーリンに泣きつきましたが、
「運命は変わりませんよ」
と、マーリンはアッサリ見捨てちゃいます。
その後、「よくも王座を乗っ取ったな!」と、怒髪天を突く勢いで押し寄せてきたアンブロシアスとユーサーに、ボーディガンはボロ負け。ようやく立てた塔に引きこもるも、焼き討ちにあって死んじゃったのでした。
マーリン、ソールズベリーにストーンヘンジを建てる
さて、ボーディガンをめでたく倒した二人!当然、兄のアンブロシアスが王座に就き、弟ユーサーは異民族サクソン人を追い出すことに奔走。
やがて国内はようやく落ち着きましたが、それまでに大変な犠牲が出ました。大量に死んだブリテン人の山積み死体に心を利為田アンブロシアス。大魔法使いマーリンを呼び立てて、
「犠牲者を弔うために、ビッグな墓を建てたいんだけど。なんか名案だしてよ、マーリン」
「そうですね~。アイルランドに『踊る巨人』という巨石群がありますよ。それをここに持ってくればいいですよ!」
「ええ……っ。そんなこと、できるわけないじゃん……」
「大丈夫、大丈夫。わたしならできます。それに、その巨石群は不思議な力を持ったレアアイテムなんですよ。そもそも、この巨石群はアイルランドの古代の巨人族がアフリカから持ってきたやつで、いくつもの岩が円を描いて並んでます。巨人たちはこの円の中心に穴を掘って水をため、風呂にしていました。この風呂にはった水は、岩のパワーで、どんな重病も大けがも治す力を持ってるんです。どうです?この巨石群をブリテンに持ってくれば役に立つでしょ?」
「おお~!すごい温泉だね!よし、アイルランドに行こう!」
こうしてアンブロシアスは軍勢を集めて、アイルランドへ出兵!超戦いまくって、アイルランドから巨石群をゲットしました。
そもそも、おびただしい戦死者たちの鎮魂の為に記念碑を建てるはずだったのに、また戦死者をたくさん出すって本末転倒な気がしますが……。記念碑より巨石群が大事になっちゃったので突っ込み禁止のこと。
さて、巨石群をゲットしたはいいけど、当たり前ですが一つの岩だけでも何トンもあるので、フツーの人たちがどんなに頑張っても動くはずがありません。
するとマーリン、しずしずと進み出て、
「この為にちゃんと機械を作ってきました。これを使えば移動できますよ」
と、誰も見たこともない巧妙な機械を使って、スルスル~ッと『踊る巨人』をソールズベリーまで移動しちゃったのです。これが、現在世界遺産になってるストーンヘンジです。
大彗星出現!マーリン、また予言をする
さて、アンブロシアスが王になって、しばらくブリテンは平和でしたが、ある時、ヤバいくらい巨大な彗星が真っ赤な尾を引いて空を横切りました。
その彗星の尾は龍の形をしていて、竜の口からは二つの光が伸びていました。一本はガリア(フランス)まで伸び、もう一本は七本の細い筋になって、アイルランド海に伸びています。
この時ユーサーはカンブリアまで行軍して、まだ抵抗を続けているボーディガンの息子と戦っていたのですが、彗星を見て
「これはヤバそう」
と直感。すぐマーリンを呼んで聞いてみると、マーリンは例によって何でも知ってました。
「ユーサー様、ブリテンは大打撃を受けました!アンブロシアス王が亡くなったのです!」
これを聞いて「ええっ!」とショックを受けるユーサーに、マーリンはさらに続けて
「ユーサー様、グズグズしてる場合じゃないですよ。すぐに敵を滅ぼし、ブリテン全土の王にならなきゃいけません。あの火を吹く竜の彗星はあなたを表しています。そしてガリアに至る光は、あなたが世界で最も素晴らしい男のお子様を授かり、そのお方は光の届くところまでを征服するという未来をあらわしているのです」
と予言。これはマーリンがアーサー王のことを語った、二度目の予言でした。
ユーサーはその後王になりましたが、マーリンの予言が忘れられず、彗星の竜に似せて黄金の竜を作成。この竜を、すべての戦争に持っていきました。
そのため、ユーサーは「ユーサー・ペンドラゴン王(竜の頭の王)」と呼ばれるようになったのです。
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